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六月の嵐

楽譜だったら
ffとppが入り乱れたような
雨と風だった

春にふたまわりほど
大きくなったオリーブの木が
乱れる姿が痛々しい

「剪定して小さくしないとね」

僕が言い終わる前に
「怖い」と君は言った

何年か前に台風で
今のより倍ほど大きく育っていた
先代のオリーブの木が倒れる姿を
君と僕は窓の内側から見ていた

あの時の怖さをもう
君に味あわせたくない

六月の嵐が過ぎたら
すぐに剪定しよう

君は小さく頷いた

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