川面を見つめる人

小さな橋の上で
川面を見つめる人

雨上がりの川面は少し濁って
だけど満ち足りた雰囲気のまま
やって来る

目の前を通り過ぎても
何も変わらないのに
振り向いた川下の眺めは
もう帰っては来ない時の流れに重なる

なんのきっかけがあったのか
思い立ったようにその人は
ゆるいアーチを下って
堤防を川上に向かって歩いていった

昨日
手招きして道を譲ってくれた人に
似ていたけど気のせいだろう