見出し画像

ホロライブ関連株について(その2:配信プラットフォーム)

 VTuberと一口にいっても、様々な分野で活動が見られる昨今ですが、ホロライブ所属のVtuberについては、基本的に配信をメインとして活動しています。
 下リンクのように、2021年のスーパーチャットランキングの9位までがホロライブ所属のVtuber(以下、ホロメンと記載)だったというニュースもあり、配信プラットフォームに与えている影響も少なくないと考えられます。

 今回は、ホロメンが使用している配信プラットフォーム(ライブ配信も含めます)と、どの企業が運営しているかについて調べた内容について記載していきます。また、ホロライブが配信プラットフォームの運営母体に与える影響度についても考察しています。

YouTube

 すべてのホロメンが登録している配信プラットフォームであり、知名度も抜群です。運営母体は言わずと知れたGoogle LCC(米国)で、親会社はAlphabet Inc.(米国)(NASDAQ GOOG 又はGOOGL)(一社でクラスA株式とクラスC株式がありますが詳細は割愛します)
 2020年度annual reportによると、Alphabetの売上高はなんと1825億ドル(約21兆円)で、そのうちYouTube広告で198億ドル(約2兆円)でした。なお、annual report内にスーパーチャットという単語は出てきませんでした。
 年間でホロメンのスパチャ合計や、再生によりYouTubeに入る広告収入が数十億円あったとしても、売り上げ20兆円以上の企業にとっては1%以下ですから、企業の業績自体に与える影響は小さいと思います。
 ただ、スーパーチャットというくくりだけで見れば、前述したように年間総額の1~9位を一つの企業で占めているわけですから、大きな影響を持っているといえます。

ニコニコ生放送

 あまりホロメンが配信プラットフォームとして利用しているイメージがないかもしれませんが、ホロライブ公式ファンクラブ、ときのそら公式ファンクラブがあるほか、現地ライブ、VRライブ等の配信も行っています。
2022/3/19-20に開催される、
"hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ"についてもニコニコ動画で配信が行われるので気になった方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

 ニコニコ動画は、(株)ドワンゴが運営母体で、
(株)KADOKAWA(9468)の100%子会社です。2021年3月期の有価証券報告書では連結売上高2099億円、ドワンゴのセグメント、Webサービス事業では220億円の売上高となっています。有価証券報告書にホロライブ主催のライブ等の記載はなく、売上や利益に与える影響は限定的なものと考えられます。

(株)KADOKAWA 2021年度有証

ツイキャス

 複数のホロメンが登録しており、配信しています。頻度としてはYouTubeに比べると小さく、Twitterのタイムラインにたまに流れてくる程度かと。売上、利益にホロライブが与えている影響は小さいかと思います。
モイ(株)が運営していますが未上場会社です。

Twitch

 配信プラットフォームとしては、人によってはYouTubeよりTwitchをよく見ている人がいるかもしれません。ホロメンでは、さくらみこ、兎田ぺこら、桃鈴ねねが登録、配信しています。(多分2022.01.14時点ではこの3名だけかと思いますが、抜けがあったらすみません)プライムビデオの同時視聴機能を活用しているイメージがあります。
 運営母体はAmazon.com, Inc.(米国)(NASDAQ AMZN)
2020年度annual reportによると、Amazonの売上高はなんと3861億ドル(約44兆円)です。Twitchがこのうちどれくらいを占めているか、annual reportに記載がないため不明です。
 記載がないため、Twitch単体による経営への影響は小さいものと思われます。(個人的な見解ですが、Twitchの広告収入よりAmazon PrimeやFire TVへ誘導する相乗効果のほうが大きそうな気がします)売上、利益にホロライブが与えている影響は極めて小さいかと思います。

SPWN

 ストリーマー的な配信とは異なりますが、ライブ配信のプラットフォームとして記載します。下記リンクのように、現地チケットの販売や、グッズ販売もSPWN経由で行っています。売上、利益にある程度ホロライブが影響を与えていると思われます。2022年も、1/22ときのそら、1/28湊あくあ、3/19-20全体ライブ(前述のようにニコニコでも配信)とSPWNで配信が予定されているので気になった方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

 なお、SPWNはバルス(株)が運営していますが未上場会社です。バルスはVTuber事務所の事業も行っており、下記リンクのように銀河アリスやMonsterZ MATEなどが所属しています。

VARK

 ライブ配信関連ですが、VARKはVRライブのプラットフォームです。(株)VARKが運営していますが未上場会社です。下記リンクの通り、増資を行った際にも前年比来場者4倍の要因として「大手VTuber企業様とのシリーズライブ」と記載されており、売上、利益に大きくホロライブが影響を与えていると思われます。

その他過去に使用していた配信プラットフォーム

 17Live、OPENREC、Mirrativ等、様々なプラットフォームで過去にホロメンが配信を行っていましたが、最近は使用されていません。

まとめ

 普段の配信が行われている配信プラットフォーム(YouTube・Twitch)は、GoogleやAmazonといった巨大企業が運営母体であることから、いち企業が与える影響は相対的に小さくなっています。配信側がいくらスパチャやビッツを稼いでいても、提供側と配信側で力の大小がありすぎて、用意されたものを使うしかない状態かと思います。
 それに対して、ライブ配信の運営母体はベンチャー企業が多く、ある程度対等な関係として、ライブ配信の魅せ方にもこだわれるのではないかと思います。未上場企業が主であることから、一般の人が株式を購入することはできませんが、個人的にはVARKやSPWNとホロライブの今後のコラボレーションにも期待しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?