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『J.S.バッハと共に Vol.1~渡邉辰紀 チェロ独奏』のウラ話

「だから、僕はお客さんを呼べないですから…w」
と、3回は笑って断られました。

それでもしつこくお願いして、渡邉辰紀さんの広い心で弊社にコンサートをお任せ頂けることになりました。
「実はずっとやりたかったんです」と、バッハ無伴奏曲だけの音楽会の構想をお話し頂いたとき、感激で全身がちりちり泡立ったのを覚えています。
本気だ。。。そう感じました。

"バッハと共に"というタイトルは、渡邉さん発案のもの。
「コンサートのチラシに、自分の写真も名前も肩書きも載せたくない」と要望を頂いた時には弱りました。おこがましくも、そのお気持ちが痛いほどわかったからです。

リサイタル。
どうしてもジャイアンが空き地でボエ~とガナっているイメージが付きまといます。自己顕示欲、自惚れ、オレを観に来い、というエゴ。本当はそんな意味では無いし、悪いことでは無いのに、ともするとネガティブにとられかねない言葉。
…そこにデリケートな奏者さんなのか、と腑に落ちました。
最終的に私たちにお任せ頂き、このタイトルとなりました。

誰かに揚げ足を取られないようJ.S.を付けるせせこましい弊社の作戦

美しい曲を、奏者と観客が等しい立場で楽しむ音楽会。
それが実現できる演奏家さんだからこそ、奏者名を記しました。

デザイナーさんにもこの想いを伝え、渡邉さんも深く気に入るフライヤーに仕上げて頂きました。「これ遺影にしたいです」ってw。
【シシデザイン】様、あらためて感謝申し上げます。

たっぷり1年以上かけて音楽会の準備をしましたが、その間に渡邉さんにチェロをレッスンして頂いたり、喫茶店やお寺でのコンサートで共演させて(というか前座で使って)頂きました。
一緒に居る時間をたくさん作って頂き、バッハ観を語って頂けたのが、とても大きかったです。
綿密に打ち合わせたというよりは、人となりをお互いなんとなく掴んで臨めた5月27日だったと思います。

また、東京フィル団員の方々、事務局の方々があたたかく気にかけて下さって、宣伝にご協力頂いたり、たくさん励まして頂きました。
とても心強かったです。
やはり待望されていた音楽会だったのだ….嬉しく感じました。

弊社公演では基本的にパンフレットを配らず、曲名だけ記したプログラムをお客様に配布しているのですが…
本番1ヵ月前かな?「これをお客様に伝えたいのですが」と渡邉さんから長文の挨拶文をご寄稿頂き、うろたえました。
これは弊社の見積りミス!お詫び致します。
あわててパンフレット作成し全文掲載、およびNoteで公開致しました↓

そのプログラム草案に、実は私が短く曲紹介を書いていました↓

パンフレットからは削除したのですが、コンサート当日にそれを見留めた渡邉さんから「消しちゃったんですか…あれ載せておいて欲しかったのに」と言われたことは一生の財産です。

当日、弊社コンサート最大動員記録となる227名様のご来場、厚く御礼申し上げます。
渡邉さんと長く親しい演奏家の方々から「辰紀さんらしい音楽会だった」と言って頂けて、心の底からほっと致しました。

…どこがお客さん呼べない、ですか(^"^#)と憎まれ口も叩きたくなる大盛況。

来年5月24日、第二弾にもご出演頂ける予定です。
より深化した渡邉辰紀さんのバッハ愛を、全身で浴びに来て頂けたら嬉しいです。
その時までどうか、バッハと共に在らんことを。
(部長:本橋 快 拝)


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