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2冊目の本には"願い"を込めました【カワイイけど実はアブナイヤツなんです】

はじめましての方は初めまして。
YouTubeで生き物系の解説動画を投稿している「へんないきものチャンネル」の中の人ろうです。

以前にもKADOKAWAさんから2020年5月に『キモいけどいいヤツなんです。』という本を出版させて頂き、この度2021年4月21日(水)に2冊目の本『カワイイけどアブナイヤツなんです。』という本を出す運びとなりました。

こちらの動画のラストで紹介しています。

以前の本を出版した時にも、どうしてYouTubeをメインに活動しているYoutuberが本を出したいと思ったのか…というのはこちらにまとめています。

本を出すまでの自分は「生き物が好きだから」という趣味の延長線的な部分と好奇心から動画投稿を始め、視聴者さんからコメントをもらって喜んでもらう部分に楽しみを見出していました。

本を出しませんか?というお話を頂いた時に、「本当に僕が出すべきなのか?」と漠然とした不安に近い疑問のようなものを感じ、一度自分の中にある生き物が好きになったルーツを考えた時に、生き物の図鑑や本、うちのチャンネル名にもなっている『へんないきもの』という早川いくを先生の本に出会ったのがきっかけだったことを思い出しました。

そして、親子で楽しんでいるコメントや、実際に動物園や水族館で動物に会ってきましたというコメントを見るたび嬉しくなっている自分がいました。

そこで「今度は自分が教える側なんだ!」という事に気づき、本という媒体で発信しようと筆を執ることにしました。

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2冊目の本に込めた"願い"

「願い」というとなんだか仰々しいですね。
今回の本もふりがな付きで、大人から小さいお子さんまで楽しめる一冊になっているのですが、「ただ動物を知って楽しむだけじゃなく、何か一つでも学びがあってほしい」という願いにも近いテーマを込めた内容になっています。

今回の本のタイトルは『カワイイけど実はアブナイヤツなんです。 本性を見抜け!裏の顔を持つ生きもの図鑑』

可愛い見た目をした生き物たちの本性や意外な一面に迫ったテーマで1冊目の「キモいけどイイヤツなんです」と同じくギャップの激しい生き物盛りだくさんの内容に仕上がっています。

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動物の中には可愛い見た目もいれば、怖い見た目をした生き物も様々です。
しかし、その多くが見た目通り「可愛い生き物は大人しくて飼えそう」「怖い生き物は凶暴で強そう」という第一印象で判断してしまう人が多いのも実情…。

実際に生き物のことを調べてみると、見た目とのギャップの激しい生き物ばかりで全然アテにならないことがわかります。

見た目と違うという勘違いだけで済めば問題はないのですが、そういった勘違いから起きる問題の一つに「野性味の強い動物のペット飼育問題」が挙げられます。

犬や猫などペットとして長年人間と共に愛玩動物として飼育されてきた動物であれば人間の生活環境に適応したり、しつけに従順な子も多いのですが、野生動物は警戒心や攻撃性が強く、次のような問題につながる場合があります。

・どれだけ愛情を注いでも言うことを聞いてくれない
・人間との生活環境の不一致で弱る
・密猟などによる絶滅の懸念

最近ではスナネコが特に問題視されていて、カワイイから飼いたいと考える人がいるようで、再びアライグマの悲劇を繰り返そうとしています。
見た目で判断して安易に飼育に走ろうとすれば、ケガをしたり、その動物が辛い思いをしたり、逃げ出して特定外来生物に指定されたり…最終的な被害者になるのは動物側です。

こうした勘違いから生まれる悲劇というのは、勘違いを正してあげたり、その先に起こる悲劇などを想定させてあげることで防げる問題とも考えています。

私がそうしてきたように、小さい頃から「この動物は危険」とか、「この生き物は飼えない、なぜなら野性味が強いから」といった情報を取り込んでおけば、大人になってからも同じ悲劇を繰り返すことはないでしょう。

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そしてもう一つ、今回の本の中ではヒグマやシャチやチンパンジーなどのメジャーな動物たちも紹介しています。これらの動物は全て過去に人間の命を奪う獣害事件を起こしている動物たちです。

獣害事件というと動物の残忍さの部分がピックアップされがちですが、どんな凶悪な牙や爪を持っている動物も「自ら人間を襲う」という習性を持っている動物はいません。

野生動物たちは警戒心が強いので、得体のしれない人間にあえて近づくような行動は取らず、人間と動物が接触する事故のほぼ全てに人間側の行動に原因が隠されています。

開拓などで食料が不足したから、山中で遭遇して驚いて、動物のテリトリーに近づきすぎて…などなど。
ヒグマの獣害事件として有名な「三毛別羆事件」や「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」等もヒグマの習性を理解しておけば防げた可能性のある場面もいくつかありました。

今回の本の中ではそういった獣害事件も取り上げ、
・なぜその事件が起きてしまったのか
・その動物はどんな事を考えていたのか
・どうすれば防ぐことが出来たのか


といった部分を考察しながら、動物との正しい距離感や関わり方を考えるきっかけになれば…そう考えて『カワイイけどアブナイヤツ』というテーマでまとめさせていただきました。

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今もまだまだ環境問題や生き物を取り巻く課題は尽きませんが、生き物のことを全く知らない方がその問題を考えるのは色んな前提知識や経緯を知っておく必要がある場面も多いと感じています。

うちのチャンネルではこうした野生動物のペット問題、獣害事件などを定期的にピックアップして、出来る限りわかりやすく、浅く広くをモットーに。

生き物にちょっとでも興味ある程度の人が関心を持つきっかけになればと思って日々発信を続けています。

急に難しいことは考えなくてもいい、でも、少しでも考えてくれたり広めてくれると嬉しいな。

今回の一冊もそんな感じで、生き物の何かを考えるきっかけになれば私の願いは達成されます。


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