明けの明星

「夜明けのすべて」を観た。

(珍しくこういう写真も撮った)

穏やかな映画だった。

会社の同僚であるPMSに悩む女性とパニック障害に悩む男性が、同じ薬を飲んでいたことから少しだけ近づく物語だ。

公開からかなり時間が経っているがなかなかタイミングが合わず、映画館に足を運ぶことが出来なかったのだが、近くの映画館が今週で上映終了らしいと聞いてなんとか休みを作り出し、観ることができた。
前回最後に映画館で映画を観たのはいつだったかと思ったら、もう一年も前のことだった。怪物の時が最後か。

プラネタリウムのシーン、気づいたら泣いていた。
映画で泣ける感性がまだ自分にあったことにひどく安心した。

最近の私はまた朝起きられなくなってしまって(人に起こしてもらってもそのまま気絶してしまったり、そもそも目覚めなかったり。というか朝方まで眠れない日もざらにある)、体調も優れず、上手くいかないことも多くて、人と話せば話すほどイライラしてしまうこともあって、早く人生辞められないかな~~~!!!!となっている。
自分の体なのに自分ではどうにもならないことがあって、正直悔しい。

この映画は共通点を持った男女がお互いに持つ苦しみを少しだけ理解しあって近づく。
でも世界が大きく変わるわけでも、二人の苦しみが完治するわけでも、二人が恋に落ちるわけでもなく、ただずっと日々が、世界が続いていく。
それが何よりもよかった。

私は今日も上手く眠れなくて、朝二時間ほど意識を飛ばしたけれどなんとか起き上がって、缶のコーンスープと栄養ドリンクを流し込んで家を出た。
眠れないことへの焦りと苛立ち、だんだん明るくなっていく外の世界とそこから取り残されてしまったような孤独感がなによりもつらい。
その感情に効いた作品だった。

映画が終わってすぐに客電がついて現実に引き戻される感覚は未だに好きになれない。昔はそうでもなかったんだけど、あるときから急に苦手になってしまった。
映画館で映画を観るのは好きだ。
家だと気が散って集中できないから。まあ椅子に座ってじっとしてるのもあまり得意ではないのだけれど。
後ろを気にしたくないから、事前にチケットを買うときはいつも一番後ろの席を買う。

そう簡単に世界は変わらないし、変えられないし、私はこの先もちょっと思い通りにいかないこの体と生きていかなくちゃならないけれど、たまにはイヤホンを外して、下を向かずに歩くのも良いのかもしれないと思った。
星を見上げるのも悪くないかも。
(ただ深夜徘徊だけはどうにか辞めたい……)

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