雷鳴がまた近付いてきている。 暑さに怒りを表した神様がやってきている。暖気と冷気の関係と聞くが、冷気を呼び寄せたのは、神様な気もする。 この辺りを雨で洗って、怒りをお鎮め下せぇ！ 音だけの演出に、まだかまだかと降り出す雨のタイミングを見ている。まるでTDL。

洗濯物を干しただけで、汗が滴り落ちる。 駆け込んだのはシャワーだった。 夏休みに川に行くのが何故か分かった気がする。冷水に引き寄せられるのだ。 海は少しぬるくてダメだ。冷水なのだ！ だから、シャワーを水全開にし、「きゃっ」と可愛らしい声を出す。

お弁当作りに物申したいのだ！ あんな小さな弁当箱に詰めるため、鍋やフライパンを通常通り使うのは何だ！？ 弁当の中身はままごとみたいなサイズなのに、洗う分量は変わらない。 弁当を作る方は楽しくていいが、洗い物をする方からは地獄の叫び声が上がっているのだ！

最近盛岡冷麺ばかり食べている。 コンビニなどは夏商戦に冷麺を投入してる。思わず買ってしまう。 麺の弾力が楽しい。すっきりしたスープも。 ただ、この麺は何でできているのか、すすりながらも分からない。取り敢えず美味しい。 そう思って、四日。すっきりしない。

家にカブトムシがやってきた。 子供の頃から虫取りに駆け巡っていた夏休み。その分、可哀想な目に遭わせてきた。 始めは乗り気ではなかったが、少しずつ気になってくる。 一緒に暮らすと、情も確実に移ってくる。 人も虫もそんなことが一番大事なのだろう。

暗闇の中でエアコンがかすかにLEDを灯し、冷気を吐き出している。 昨日まではなかった、この仲間入り感。よその部屋から扇風機で冷気を送らない幸せ。 しかし、何事もいつの間にか当たり前になっていく。その大切さを噛み締め続けるのってどうやるんだったっけ？

駐車場で隣に駐車しようとする車が怖い。 どの車も、どう考えてもぶつかるぞという角度で接近してこようとする。 僕はそんな時「ぶつかる！」と車内で叫んでいる。 でも、魔法か、ぶつかりはせずに駐車される。 こちらの幅感とあちらの停め感が劇的に違うのだろうな。

情報番組を観て昼御飯をコンビニへ買いに行くと、カレーライスをカゴに複数入れてた。 カレーは刺激も伝染力も強い。 流して観た番組でさえカレー欲を掻き立てる。 これがスイーツならさほど感じない。 カレーは子供の時から服にも記憶にも染み込んでるに違いない。

業者さんが家に上がり、ふと思い出した。 親がどんなに怒っていても、来訪者があると、よそ行きの顔になる。 カツオ君がよくやってる。 誰にもみっともないとこは見せられないのだろう。 ところが、それが醒めなかった時、悪夢が始まるのだった。人生で二、三回ある。

エアコン工事が始まった。二台同時だから、職人さんも二人で始めた。 打合せをしてから、その場を離れる。作業を見られるのって嫌だと思うから。 後は無事に終わることを、別室で祈っている。 あれ？これは手術室前のベンチでいる気分だ。先生の「あれ？」が気になる。

朝から緊張していた。エアコン設置業者から訪問時間の連絡が入る。 スマホが弱く震え、時間は昼頃と言う。 朝一でなくて良かったという安堵感で満たされる。 エアコン設置は子供の時の家庭訪問に近い。他の家を回って自分の家にたどり着く。今日だけの軌跡。

とうとう家の近くに落雷した音がした。 だけど、音速の音に準備はできないし、ただ音に耐えるだけである。 子供の時から雷鳴が苦手で、今でも雷鳴が聞こえると、持つ落雷するらしい傘を投げ捨てたくなる。 みんな余裕な顔してるが、もっと気を使うべきだと思う。