セナは、 そのお店のチーフであることに、 全然満足はしていなかった。 トップを目指すのは彼女にとってなんに意味もない。 だからと言ってなんどもトップを取ったわけじゃなく、 中途半端だけどね。 ふっと笑う。 職場を退職するその日、 セナは自分のお腹に異変があるのを感じた。 「あこの感覚、昔夢にみたな」 デジャヴにも似た感覚。 彼女のお腹には、 新しい命が宿っていた。 セナはただ、 目を細めた。 母になる喜びと、 幸せを、 自分の胸いっぱい感じた
誰かが自分の中に入っていりゃ、 忘れられると想っていた。 だから夢中だった。 溺れたふりをしていた。 でも結局、 セナは満たされることはなかった。 一口3000円のステーキをご馳走になっても、 最高に体の相性が良くても、 心の中にピューピュー風が吹いていて、寒かった、 本当は知っていたことだった。 前の男ともあっていた。 肉体関係を持った後, ベットに横たわるでもなくすぐに 「you tube」について語り出した彼に、 言いようもない孤独感と焦燥感
その男に抱かれた後、 セナは送ってもらった家の前で、 泣き崩れた。 忘れられない男にメールを送った。 「あなたにはもう会えない」と。 本心じゃなかった。 本当は追いかけて欲しかったのだ。 その男とは、 別れた後も数回会っていた。 私と別れた後、 女の匂いがした。 第六感が妙に優れている。 セナはそんな女だった。 セナは、 彼のことを本当に好きだったらしい。 彼の自宅に泊まろうと思って車を走らせていると、 後ろに走っているという、 奇遇なことは
この男を誘ったのは私だ。 「慰めてくれるだろう」 「甘える男は欲しい」 理由はこの2つだった。 私に気があるのを知っていて誘った。 案の定、 酔った挙句キスをしてきた。 想定内だった。 失恋の傷が癒えていないわたしは、 彼の胸で泣いた。 今思えば、誰でもよかったのだ。 唇の快楽を味わい、 首筋を貼って衣服の合間までくると、 わざと声を出す。 雌の要素は、 経験とともに身につけたようだった。 彼女は若く見えるが今年40になるという。 別れた後、
セナはその時感じた。 肉体の悦びからくる、 自分の甘美の声に嫌気がさしたのだった。 その男は一昨年あるビジネスの集まりであった友人だった。 実に芯がない男だった。 知っていて抱かれた。 今月に入って何人めだろう。 自分のやりたかったことは、 こんなことかと 落胆した。 自分に・・・ ただ快楽だけを求める 知っていて経験したかった。 実に嫌気がさしていたのだ。 この男とは、 元来友人だったのだ。 自分に好意を持っているのをセナは知っていた。 だ