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【注釈2020*vol.23】 「戦場」

中東シリアの内戦で国内最大の都市アレッポは4年前に陥落する。アラブの春をきっかけに反体制勢力が集まり、政府軍との市街戦が続いた。上映中の「娘は戦場で生まれた」は、死と隣り合わせのアレッポで生き抜いた人たちのドキュメンタリーである▼スクールバスは爆撃で焼け、教室を地下につくる。病院ですら空爆の対象だ。その模様をカメラに収め続ける女性ジャーナリストに、夫の医師は言う。「この先、危険と恐怖が続く。でも最後に自由が待っている」▼映画を見て、ウイルス禍のいまと重ね合わせた。見えない感染症の恐ろしさは実際より大きく感じるだろう。不安やパニックにならず何ができるかを冷静に考えたい。(2020/04/06記)