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特別インタビューラジオ ~妖怪たちは海を飛び越え~ ゲスト:河野準也様

 昨夜企画させていただきました、インタビュー企画では、ゲストで河野準也様お呼びして、国際民俗芸術祭と妖怪電車についてのお話をうかがいました!

なぜサンタフェで妖怪なのか?

 サンタフェは、アメリカ南部、ニューメキシコ州北部に位置する、芸術家が多く住み、音楽祭や工芸祭が開かれる、芸術の町としても知られています。

❝アメリカの宝石❞ サンタフェの町並
なんと、芸術品市場は ❝アートの首都❞ ニューヨークに次ぐ第二位の規模!

 そんな町に、一体なぜ妖怪が進出することとなったのでしょうか?

 既にサンタフェでは「妖怪」はかなり認知されているようで、いわゆる「侍」「忍者」のように日本独特の文化として認識されているようです。その背景には、妖怪研究家の大家である小松和彦先生の本の英訳の出版、浮世絵(歌川国芳『相馬の古内裏』のような、妖怪的なものを扱った作品が浮世絵にはあります)などの人気が考えられるでしょう。

「5~6年前に、サンタフェの国際民俗芸術博物館で日本の妖怪を取り扱う特別展があったんですよ。」

 なんと、サンタフェの博物館から河野様に特別展の監修をしてくれないかという問い合わせがあったのです。
 しかし、その頃の河野様は大江山の麓にある博物館の作品展に向けて展示物の搬入をしていらっしゃいました。大忙しの時にさすがに返答はできないと、後で問い合わせてくださいと答えたのだそうです。

 その作品展後のこと、なんとサンタフェから依頼人が日本に飛んできて、河野様の作品・青坊主を買い取ってくださるという運びに。 
 さらに、特別展示会ではお化け屋敷ブースも設置するという、妖怪色盛沢山な豪華な特別展になるはずでした・・・。
 ところが、タイミングが悪く、イベント企画者の天敵ともいえる、あのコロナウイルスの流行が始まってしまったのです。
 その裏で、反響を呼んでいた妖怪展示会、なんとコロナ期間を経て、特別展示期間を延ばすことになったのです!

 そして、こうした企画を通じ、河野様に国際民俗芸術市に参加しないか?というお話が来ることとなったのです。

国際民俗芸術市の様子 

 国際民俗芸術市(IFAM)は、毎年7月上旬から四日間行われます。およそ70か国から100組を超える民芸作家が集う、超大規模な芸術品市場です。
 このマーケットに、河野様は招待作家としてご参加されました。

「今年は日本がピックアップされる年で、自分以外の5組の日本人作家と一緒に妖怪仮装をして入場したんです。」
 
 こうして始まったアメリカモノノケ市・・・日本から持ち込んだ妖怪作品の6割が売れ、さらに残りを国際民俗芸術博物館買い取ってくださるという大反響ぶりだったそうです!

さらに、国際民俗芸術博物館では「みんなで妖怪お面を作ろうワークショップ」が行われていたそうです。
 実に様々なオリジナル妖怪お面たちが生み出され、どんどん町の人々に
「妖怪」が浸透していることがわかります。


 さて、ところで河野様が作り出す「妖怪」について、現地の方々からはどのような反応は、どのようなものだったのでしょうか?

新しい世代のフォークアートと呼んでもらえた。」

 辞書的な意味で、フォークアートとは、「土地固有の文化から生まれたアート」を指します。
 妖怪はまさに、日本人のキャラクターを愛する文化の中から生まれた独特な文化です。そして、それらをアートとして表現されている河野様、過去から今にかけて、どう造形していくかを意識して、制作をされていらっしゃるとのこと。 
 自信の作品を「新しい世代のフォークアート」と評価していただき、とてもうれしかったと、お話してくださいました。

アメリカ版・妖怪電車、荒野を行く

 「嵐電妖怪電車」で、夏の風物詩としておなじみの妖怪電車。これは動くお化け屋敷をテーマとしたイベントですが、普通のお化け屋敷と異なるところは、片道20分間、妖怪と共に過ごさなくてはならないことです。
 お化け屋敷ならば出口を目指して脱出することができますが、電車内は絶対に逃げられない空間ですので、子どもたちが鳴け叫ぶという・・・。

 さて、今回企画されたアメリカ妖怪電車として利用された電車は、サンタフェの観光で有名な観光電車・サンセット セレナーデ。

 このサンセット セレナーデの運行時間はなんと2時間
 さすがにこの時間は妖怪側が疲れてしまうということで、演出の仕方を工夫することに。
 妖怪たちが乗る車両を設け、お客さん方が時間帯によって、乗り込んでくるようにしたのだそうです。

  
 そんなアメリカ妖怪電車でしたが・・・なんとチケット完売という大成功をおさめたそうです!
 広告が新聞だったというのもあって、若年層の方々への認知が少なかったためか、後から妖怪電車があったことを知り、「行きたかった!」「もっと本数を増やして!」という声を後からたくさんいただいたそうです。 
 もしかすると、来年も行われるかも・・・・・?

まとめ

「僕は、世界中の妖怪を集めてインターナショナル百鬼夜行をやりたいんです。」

 河野様は、サンタフェで百鬼夜行を実現させたいのはもちろんのことだけれど、サンタフェの怪異たちを日本に呼んで百鬼夜行をやりたいのだと、力強く語ってくださいました。
 
 海を飛び越え、妖怪たちはアメリカでどんどんその存在を知らしめております。アメリカだけでなく、世界各地で、日本の妖怪が認知され、楽しまれる、そんな日がいつかきっと、訪れてほしいと願い、実現させるために動いていきたいと考えさせられました。

 編集後記となりますが、この場を借りて改めてインタビューに応じてくださった河野準也様には深く、御礼申し上げます。
 誠にありがとうございました!


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