エピソード40 人面疽
40 人面疽
人面疽(じんめんそ)は、妖怪・奇病の一種。
体の一部などに付いた傷が化膿し、人の顔のようなも
のができ、話をしたり、物を食べたりするとされる架
空の病気。
薬あるいは毒を食べさせると治るとされる。
山城国のある農夫が体調を崩した末、半年後に左足に
腫物ができた。
この腫物は人の顔のようで目と口があり、ひどい痛み
を伴った。
試しにその口に酒を入れてみると酔ったように赤くな
り、さらに餅や飯を入れると、物を食べるように口を
動かして飲み込んだ。
食べ物を与えると痛みがひいたものの、食べ物を与え
ないと耐え難い痛みに襲われた。
そのうちに農夫は骨と皮ばかりに痩せこけ、あちこち
の医者を頼ったがまったく効果はなく、死を待つばか
りとなった。
そこへ諸国を旅している修行者が訪れ、腫物を治す手
段を知っていると言う、さまざまな薬を買い集め、一
つずつ腫れ物の口に入れたところ、腫れ物はそれをこ
とごとく飲み込んだが、貝母(ばいも)というユリ科
の植物だけは嫌がって口にしようとしなかった。
そこで貝母を粉末にし、腫れ物の口に無理やり入れた
ところ、17日後に腫物は治癒したという。
40 人面疽 オリジナルストーリー
リョウタは朝起きると右の肩が以上に腫れ上がってい
るのに驚いた。
昨日から右肩にすこし違和感を感じていたが特に痛い
訳でもないのでそのまま寝たのだった。
リョウタ:
どうなってんだオレの肩。まるでエイリアンの卵でも
埋込まれたみたいだ。
なんか出てきそうだ、気持ち悪いな~。
人面疽:
エイリアンとは失礼だな。
ワシは色々な古い書物にも出てくる由緒ある妖怪、
人面疽様だぞ。
リョウタ:
わぁ!肩が喋った。
よく見れば肩に顔が出来てんじゃん!え~妖怪。
アニメやゲームじゃあるまいし、これは悪い夢だよ!
人面疽:
夢じゃない、これは現実だ。
まあバレるとお前もいろいろ困るだろうから、わから
にように仲良くやって行こうぜ。 兄弟 フフフフ。
仕方がないのでリョウタはいつもと変わらないように
高校にいった。
そして放課後、今日こそは同じクラスのマイに声をか
けようと決めて校門の近くで待っていた。
そこにマイが一人でやって来た。
いつもは友達何人かと一緒なのに今日は一人、内気な
リョウタにとってはこんなチャンスはめったにない、
勇気を出して声をかけた。
リョウタ:
マ、マイちゃん、、、あ、あの、オレ。
マイ:
あら、リョウタ君どうしたの?
友達:
ごめんごめんマイ
そこへマイの友達が走ってやって来た。
リョウタ:
あ、ご、ごめん、何でもない。
マイ:
そう、リョウタ君バイバイ。
マイは友達と帰って行った。
一度こちらを振り返ったような気もしたが。
人面疽:
リョウタ、お前だらしねえな。
しかたねえな。明日はワシがお前の声色であの子に声
かけてやるよ。
リョウタ:
本当か!た、たのむよ。
人面疽:
よし、交渉成立だな。
だがタダでは嫌だな、そうだワシの好きな寿司を食わ
せろ。
こうしてリョウタは人面疽と二人?いや一人で回転ず
しにいって人面疽にたらふく寿司をごちそうした。
そして次の日の放課後の校門。
今日もマイは一人で校門の方にに歩いて来た。
リョウタ:
マ、マイちゃ、、、、
おい、マイ。一緒に帰えらないか?
マイ:
リョウタ君、いいよ。一緒に帰ろう。
リョウタ君と話すの久しぶりだね。
小学校から一緒で昔はよく遊んだのに、高校入ってか
らほとんど話しかけてくれなくなったから...
私嫌われちゃったかと思ってた。
リョウタ:
そんな訳ないだろう。
マイが可愛いくなっちまったんで...
オレ照れちゃって声かけられなかったんだよ。
ごめん。
マイ:
ありがとうリョウタ君。
二人は楽しそうに話しながら帰って行った。
リョウタ:
人面疽昨日はありがとう。
マイと昔みたいに仲良くなれた、本当に助かったよ。
今日は君の好きなお寿司好きなだけ食べてくれ、
ほんの気持ちだ。
人面疽:
良かったな。じゃあ遠慮せずに食わせてもらうぞ。
人面疽が10巻目を食べた時だった。
人面疽:
しまった鯖くっちまった!
ワシ、アレルギーなんじゃ。
だめだ、体を維持できない。
あばよリョウタ後はお前一人で頑張れよ、じゃあな。
リョウタ:
人面疽、一人にしないでくれよ~。
店員:
お客様どうかしましたか?
リョウタ:い、いえ何でもありません、
わさびがきいいてたもんで。 ごめんなさい。
それから10年が過ぎた、リョウタとマイは結婚し
二人には男の子が生まれていた。
2歳になった息子をお風呂でリョウタが呼んだ。
リョウタ:
シュンタおいで、背中洗ってあげるね、...
ん、背中になんかできてるぞ...ま、まさか!!
人面疽:
久しぶりだなリョウタ。またよろしくな。
フフフフ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?