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エピソード101 真・百鬼夜行 第一夜

真・百鬼夜行 第一夜

真魚は幼き頃より特別な子であった。
普通の人には見えないものが見えたり、念じると大岩を宙に浮かせたりできた。

真の魚と書いて真魚は香川の役人の子として生まれ大事に育てられたが、自分には何かしらの使命があると感じていた。

真魚:
風の噂では京の都には酒吞童子という鬼がいて都で暴れまわり人達を苦しめているらしい。
僕の本当の力を知るためにも京の都に行って酒吞童子を懲らしめたい!

真魚が空を見上げ旅立ちを決意していると、旅の仙人のような老人が声をかけてきた

老人:
坊主、何やら決心したような顔をしておるな。
ワシはぬらりひょんという者だが、お前がいくら凄い力を持っていても
都の鬼たちに一人で立ち向かうのは勇気ではなく無謀というものじゃ。
旅の途中に出会う もののけ達に声をかけるといい、きっとお前を助けてくれるじゃろう。
まずはお前の家の猫かぁのう。じゃあな坊主、 陰ながら応援しておるぞ、ハハハハハ。

真魚が振り返ると、老人は霧のように消えてしまっていた。
そこに真魚の家で真魚が生まれる前から飼っている三毛猫のみいがやって来た。
みいはニヤリと笑ったかと思うと尻尾が二つに割れ、真魚に話しかけてきた。

猫又:
真魚、私はこの家で飼われて30年、何年か前から尻尾が2つになって人の言葉を喋ったり、色んなことが出来るようになったのです。
真魚、私はあなたが生まれた時からずっと見守ってきました。旅立つのなら私もお供します、きっと色々お役に立てると思いますよ。
それに、この家にはあなたは気づいていたかもしれませんがいろんな付喪神がいるのです。きっと彼らもあなたのお供について行きたいというでしょう。

猫又みいが言うと家の奥から大きな草履、火のついた提灯、一反ほどの木綿が現れた。

草履:
オイラは化け草履、真魚が疲れたらオイラに乗ればどこまでだって連れて行ってあげるよ。

提灯:
オラは提灯お化け、オラがいればどんなに暗い夜道でも明るく照らすし、敵が出てきてもおどかしてあげるよ。

木綿:
ワイは一反木綿、真魚を乗せて空を飛べるし、悪いやつはグルグル巻きにしてやれるぞ。

真魚:
みんなありがとう、こんなに仲間が増えれば心強い!さあ、みんな京の都に向けて出発だ!

こうして真魚と4体の妖怪達は京の都に向かって旅だった。
はたして真魚達をどんな難関が待ち受けているのだろうか?
それは来週のお楽しみ。

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