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エピソード30 震々

30 震々(ぶるぶる)

震々(ぶるぶる)は、鳥山石燕の妖怪画集
「今昔画図続百鬼(こんじゃくずがぞくひゃっき)」
にある妖怪。

石燕によれば、恐怖を感じた人間の首筋がぞっとする
のは、この震々が人間の襟元に取り憑くためであり、
別名「臆病神」「ぞぞ神」ともされている。
臆病神とは敵に後ろを見せる心を生じさせる神であり
ぞぞ神とは恐怖のために全身の毛をそそけ立たせる神
とされる。

ゲゲゲの鬼太郎原作及びアニメ1期に登場。姿は透明
で妖怪メガネをかけないと見えず、相手に寒気を起
こさせることを得意としている。
作中では人間に憑りつき峠で交通事故を頻発させて
いた。
物語序盤で正体は判明しており鬼太郎の髪の毛針で
木に縫い付けられ、後日目玉おやじに絵の中に封印
されることになっていた。
しかし、腹を空かせたねずみ男が食べ物と勘違いし
て食べてしまい、体が冷えて凍ってしまった。
鬼太郎たちはねずみ男を熱湯風呂に入れ、ぶるぶる
が出てきたところを風船の中に封印した。
その後も何度もゲゲゲの鬼太郎シリーズに登場して
います。


30 震々 ぶるぶる オリジナルストーリー

ここは関ケ原、屈強な武士たちが妖怪討伐を命じられ
ここに集まってきていた。

武士:
いいかお前達、最近ここには巨大な髑髏のバケモノが
出て人を襲うという話だ。
今日俺たちがそのバケモノを倒せば殿から褒美が
いただけることになっている。
   
そろそろこの辺りがバケモノが出ると言われる大木だ
皆のものぬかるなよ、相手はバケモンだ どこから
現れるかわからない。
......なんだお前そんなに震えおって。

手下:
きゅうに訳もわからず震えがきたんですよ!
そう言うお頭だって震えているじゃありませんか。

武士:
なに!...こ、これは武者震いだ!
けして怖い訳じゃないからな。

そこに急に生ぬるい風が吹いて巨大な髑髏のバケモノ
が現れた。武士たちは顔を見合わせ震えていたことも
あり、びっくりして武器を投げ捨て一目散に逃げだし
た。

髑髏:
ハハハハ、情けない武士たちだ。
おい、ぶるぶる そこにおるのだろう姿を表せ。

その声に答えて透けて見える妖怪が現れた。

震々:
がしゃどくろの旦那、約束通り武士たちを震えさせて
やりましたよ。
後数回 手助けしたら約束どうり私の宝物のかんざし
返してくださいよ。

こんな会話をしたあと二体の妖怪は闇に消えていった

それから三日後、今度は弱そうな武士が一人でやって
来た。  男はもうすでに少し震えている。

弱男:
怖いな、怖いな~ なんで約束しちまったんだろう、
とても俺が妖怪なんて倒せる訳ないのに。 
でも仕方ないよな退治に行かなければ領地を没収する
というのだからな~

震々:
おい、お前、見るからに弱そうだな。 
やめておけ、お前じゃとてもがしゃどくろは倒せない
取って食われないうちに帰るんだ。

弱男:
だれだ、 わぁ! お前も妖怪か。
やる気か~~、俺だってやる時はやるぞぉ、祖父の代
からの領地を手放す訳にはいかないんだ~。

男は刀を抜いた。

震々:
無理、無理、お前じゃ私だって倒せやしないよ。
おや、ちょとまって、お前のその刀、その家紋、
...もしやお前、稲川家の者かい?

男とぶるぶるが会話をしているところにがしゃどくろ
がわって入ってきた。
その大きな髑髏を見て男は気絶して倒れた。

髑髏:
おい、ぶるぶる なぜその男を引き止める。
そんな弱そうな奴なら取って食ってやろうと思ったの
に。 邪魔だそこをどけ!もうお前も必要ない!

震々:
なんだって約束を破るんだね! だったら私はこの男
につくわよ。それにこの人と私はちょっと関係があり
そうなんでね。

髑髏:
ふざけるな!お前のような人を震わせるだけの妖怪が
このがしゃどくろ様にたてつこうとは、ひねり潰して
やる!

がしゃどくろが大きく手を振り上げてぶるぶるを叩こ
うとした、その瞬間、ぶるぶるはがしゃどくろの
のど元に飛びつき、こんしんの力で震えた。

髑髏:
やめろ~バラバラになる~ワシが悪かった、
やめてくれ~...あぁ~

がしゃどくろはバラバラになって崩れ落ちた。
崩れた骨の間から刀と同じ家紋のかんざしが出てきた

震々:
よかったこの男だけは救ってやれた。それにしても
不思議な縁だね、まさか生前 私にかんざしをくれた
人のゆかりの人を助けるなんてね。

でも、あんたのおかげだよ、悪さばかりしていた私も
改心することができたよ。 ありがとう。

お礼にちょっとした私の力を分けてあげるね。

この場所から無事帰り、城で主に妖怪退治の事の顛末
を話した男は、主からお前の話はとても怖い震えが止
まらん。
ぜひ夏場に聞きたいとお抱えの怪談演者となり、
この後、稲川家のお家芸となり夏と言えば稲川の怪談
と言われるようになったとか、 ならなかったとか。

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