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現代アート的生き方

できるだけ普遍的な、真実に近いことを語るためには、メタ化あるいは概念化、抽象化、構造化をすることを避けるわけにはいかないが、それを言葉で語った瞬間に、嘘が始まる。
できるだけ誤解のないように伝えたいと思うと、その状況そのものを作り出すという荒技に出るしかないわけだが、契約された委託業務のスコープからの逸脱も辞さずという覚悟がなければ、その一線を超えることは叶わない。
かつまた、そうした日常を、非日常的価値創造の実践そのものとして遂行しており、だからこそ、その場に真実味が幾許かでも帯電するのだとしたら、それはもはや現代アート以外のなにものでもないのかもしれない。
最近、ノーランの「メメント」を見たのだけれど、あの映画の主人公は、監督自身の比喩であるという一面があったそうだ。さもありなん、と思う。優れた表現はしばしば自己言及や自己批評を伴う。

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