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一億総"口だけ"社会

 顧客に業務システムを売る人間が、自分の製品の短所をろくすっぽ理解していなかったりする。
 新事業開発を担う組織の人間が、他者が生み出した新価値に興味を示さなかったりする。
 働き方や働くことの価値観を変えようというチームのリーダーが一番旧態依然としていたりする。
 他者との関係性に真心をもたらそうという運動の提唱者を、その関係者が裏切ったりする。
 社員の身につけるスキルを再定義する取り組みの責任者に、スキルが欠けていたりする。
 デジタル技術で会社を変革しようという当事者が、新しいデジタル製品に見向きもしなかったりする。

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 憤るとか、呆れるとか、そういう次元を通り越して、一体これは、どういうことなのだろう?と、不思議に思う。

 問いも答えも、原資も目標も、知識も計画も、やりがいも給料も、何でもかんでも、与えられることをただひたすらに待ち続けているように見える。
 善良に誠実に、ただ日々を過ごしていたら、それでいいと思っているように見える。

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 そんなことでは、己が大切にしたいものを、守ることはできない。

 ただそのシンプルな事実に、気づいていないのか、気づかないフリをしているだけなのか。

 この国の機能不全の原因は、この一点につきるのだと思っている。

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