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いま将棋界で起こっていること(近況)

はじめにこんにちは。久しぶりに記事を書きます。昨年の夏、将棋界で起こっていることについて前編・後編、二本の記事を書きました。 要約すると『将棋界は4人のトップ棋士が群雄割拠している』といった内容でした。が、この一年で様相は一変してしまいました。藤井四冠が猛威をふるっています。あっという間に棋聖・王位・叡王・竜王の4つのタイトルホルダーになってしまいました。席次も1位となり、名実ともに将棋界のトップに君臨しました。来年の1月には王将戦への挑戦が決まっていて、その勢いを止める術

AI時代に将棋ファンがなぜ藤井聡太にこれほど熱狂するのか、将棋ファン自身がわかりやすく解説してみた

 上記は藤井聡太(現)二冠が初めて棋聖位を獲得したとき、記者会見で報知新聞の北野記者から「AI時代の棋士の在り方」について問われ、答えた言葉です。  私はこのセリフを聞いたとき、泣きました。最初は不意をつかれたようにジワっときて、あとはもうボロボロです。後日ツイッターやブログを見ると、同じように涙した将棋ファンが多かったようです。  どうかキモいと引かないでください。将棋ファンが記者会見のあのセリフに涙したのには深い理由があるのです。それはこの17歳(現在は18歳)の少年

いま将棋界で起こっていること(後編)

前編からのつづき。 羽生九段について 羽生さんは、七冠制覇、永世七冠、国民栄誉賞受賞など、華々しい功績があり、それらは説明するまでもないと思います。1989年に初タイトル竜王を奪取。1990年に無冠になりますが、1991年から2018年までタイトルを保持し続けていて通算タイトルは99期になります。あまりにも強すぎるので『鬼畜眼鏡』という愛称で呼ばれたりもします。 約30年にわたって第一線で活躍してきた羽生さんですが、ここ最近は苦しんでいます(トップレベルで戦うことに)。

いま将棋界で起こっていること(前編)

ここ最近、将棋界が大きく変動していますが、多くの人がそのことに気がついていません。もちろん将棋界のことなんて知らなくても生きてはいけますが、それだと人生の薬味が少し足りないのではないかと老婆心ながらに思うので、少しだけ解説させてください。将棋界は現在、5名のトップ棋士が中心となってうねりを起こしていますので、それらの棋士を中心に書き進めます。棋士の個性が分かると将棋のルールがさほど分からなくても、将棋観戦が楽しくなってくると思います。※肩書きなどは2020年8月17日現在