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2021年9月に摂取したおもしろのまとめ

9月に摂取した映画、マンガ、ゲームなどさまざまなおもしろの感想をまとめたものです。

先月の。

これまでのすべて。

先月から急にサブタイトルつけてみましたが今月は特に思いつかなかったので無しです。

今月はいつも以上に雑多に色々です。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険(新作アニメ)

新作アニメ、ハチャメチャに楽しんでます。っていうか気付いたらもう1年やってるんですね。10月からついにOPも変わりました。

ダイの大冒険というマンガには個人的にかなりの思い入れがあります。

ちょうどコロコロコミックを卒業しかかっていたころ、多分最初に読み始めた少年ジャンプのコミックスがこの作品で、少年マンガの読み方を最初に手ほどきしてくれた、いわば「初めての相手」なのです。

勝手知ったるドラクエの世界で繰り広げられる物語にワクワクし、ダイとポップを中心としたアバンの使徒たちの成長に心を躍らせ、アバン先生たち大人世代のかっこよさにしびれ、バランやハドラーの生き方に心を打たれ、マァムやレオナのちょっとセクシーな姿に興奮したものです。本当にお世話になりました。

そんなダイの大冒険の新作アニメ、放映開始時からずっと高いクオリティを維持し続けてくれていてとてもとても楽しんでいます。

と、いいつつリアルタイムの放送をちゃんと追っかけるのが苦手(これはどんな作品でもそう)なのでプライムビデオを駆使して定期的にまとめて見ており、先月ちょうどポップがマトリフからメドローアを伝授する回を観た、という理由でここに並べてみました(テレビでの放映は8月でしたね)。

いわゆる修行回なんですが、ポップがメドローアという桁違いの力を手に入れ勇者一行の最大級の戦力になる瞬間であると同時に、これまでは教えを乞い導いてもらう存在だったマトリフという旧世代勇者パーティからの、そのバトンタッチが明確に描かれる瞬間なんですよね。

アバンの使徒たちはアバン先生以外にもそれぞれに師や追うべき存在がいて、マァムであればブロキーナ老師、ダイはバラン、ヒュンケルはミストバーンといったところでしょうか。

そしてポップにとっての師匠、マトリフはこれら人たちの中でも特にダイたちに長い期間寄り添い、ときに前線でも頼りになった存在ですが、同時に明確に衰えが描かれていった人で、このころはもうすっかりベッド内にいる描写がほとんどです。

それゆえにポップに自身の最強の呪文を伝授するその瞬間はやはり劇的で、これまで聞いたこともない必死な声で「消えるな、ポップ!!」と叫ぶ様は山路和弘さんの熱演が乗ることで原作以上の感動を覚えましたし、同時に「ああもうマトリフの役目は終わっていくんだな……」というもの悲しさもあって、すごく好きな回でした。いや、まあ、マトリフもラストのラストまで活躍するんですが(ネタバレ)

ダイの大冒険はアバンの使徒たちの成長譚でありつつ、前世代の偉大な存在がいるからこその「継承」もまた大きなテーマとして描かれていて、この作品の大好きなところです。アニメ最新話ではバランが再登場し、またひとつの「継承」が描かれる時が近づいていて、とても楽しみですね。

シャン・チー/テン・リングスの伝説

MCU新作だ!毎月アメコミ映画を見てる気がしますが、だって毎月公開されるんだもの。

今作はMCUの新シリーズということで初のアジア系ヒーロー、シャン・チーのお話です。楽しかった!

中国系のヒーロー、格闘技の使い手、ということで肉体派のアクション映画かと思いきや、もちろんそのエッセンスはありながら(序盤のバス内の戦闘シーンは最高だった)、そこはMCUなのでVFXバトルもしっかりあります。中でもマンダリンがあやつるテン・リングスのアクション演出はかなり独特で、腕に巻き付いたリングを飛ばしたり振り周りたり自在に操る様はなかなか豪快で面白かったです。

特にあれを腕から放って大ジャンプしたり着地のクッションにしたりするの、なるほどー……いや、えっ、そうはならなくないか?どういう力学なの?!って思いつつも不思議とかっこよくてなんかよかったです。そうそう、あの独特なアクションの感じ、中国モノというのもあって羅小黒戦記のムゲンを思い出しました。

あとは中国語の使われる割合がかなり多かったのもとてもよかった。

登場人物のほとんどが中国系の人たちだからそりゃそうなんだけど、でもMCUで、欧米でメインに展開している作品シリーズでちゃんとそれをやったのは世界観づくりとしてとても真摯だなと思いました。

ただ字幕で見たので中国語喋ってるシーンだと英語字幕の上に日本語字幕がのっかってて情報量!!ってなったのは事実です。次観るときは吹替にしようかな……

お話の方の感想も書きたいんですが、ここからは少しネタバレが含まれるので気になる人は飛ばしてください。

物語的に地味にツボっちゃったのがマンダリンことウェン・ウーとシャン・チーの関係性。

序盤は完全にどうやったら勝てるんだよこいつはっていうラスボス的風格のあったウェン・ウーなのに、物語が進むにつれてどんどん背中が小さくなっていくのがなんともいたたまれなくて……

先述の通りダイの大冒険大好き人間なので、バランとダイの関係性にもちょっと似たものを感じてしまってうぅ……となったりしてました。流れでなんとなくリングがシャン・チーに継承されちゃったのは、えっ、そんな感じでいいんだ?!ってなったしそこをもっと劇的にやってほしかったよーという気持ちがなかったわけでもないんですけどね。

あとは全体的にコミカルネタがちりばめられるのがMCUの好きなところなんですが、今回もそのノリは変わらずで、その点でアークワフィナ演じるケイティの役どころもいい感じでしたね。

軽めのノリで緊張を解きほぐしたり、なんか思いのほか活躍するし、どこまでもシャンチーと対等な友人関係、バディっていう描かれ方はかなり好感度が高かったです。あと単純にオークワフィナの演技が好きっぽいですね自分は。オーシャンズ8での好演も印象に残っています。

そういえばいきなり『ドクターストレンジ』のウォンと『インクレディブルハルク』のアボミネーションが親しげな感じで出てきて、いや、まあ舞台設定的にウォンはわかるにしてもなんでアボミネーションが?!!ってなったんですが、多分シーハルクのドラマやるからですね。ポストクレジットにバナーも出てきたし。さすがにアボミネーション見るの久しぶり過ぎて誰だっけこいつ??ってなりましたよ。

エターナルズももうちょっとで上映始まるし、まだディズニー+のドラマシリーズ見られてないし、MCU追っかけるだけでもわんさかあってうれしい悲鳴状態です。

テイルズ オブ アライズ

ぶっちゃけてしまうと9月は全然映画も見てなければマンガも買うだけ買って積みまくっており、その原因のひとつがこれです。テイルズです。

最初にめちゃくちゃ「ダイの大冒険大好き!!」をアピールしといてアレなんですが、実はドラクエはそんなにやったことがなくて、一番やってるRPGのシリーズは多分テイルズシリーズなんですよね。

で、そのテイルズシリーズの継承と進化を謳った待望の新作ということで、いやー買ったら絶対こればっかりやっちゃうんだろうなー、でもだいぶ間空いてるし新作やるのはちょっと不安もあるなー、なんてうだうだ考えてたんですが気付けばSteam版の配信開始と同時にやり始めてました。ほら、人の感想とか評判見る前に自分でやりたいじゃん。そんで予想通りこればっかりやっちゃってるわけなんですが。

それで実際やってみた感想ですが、テイルズが好きな人にちゃんとテイルズを提供するぞ!って気概をかなり感じる良作でした。めちゃくちゃテイルズをやっているぞ!!ってなれます。いやー楽しい。

そう、今回本当にいいなと思った(そしてヤバいなと思った)のが、とにかく楽しくてずっとやってしまうこと。止め時がないんですよ、いい意味で。

とにかくあらゆる点でユーザーが迷う部分が少なくて、世界観への没入感を損なわないぎりぎりのライン(ここは判断の分かれるところかも)でものすごく親切に進むべきルートは示され、その分たっぷりのテキストや戦闘を楽しませてくれるので遊びごたえも十分。

戦闘とマップ探索がほぼシームレスになったおかげで面倒になりがちな移動パートも楽しいという。素材やアイテム集めにおいてもミニマップが超親切で超優秀。やらなきゃいけないことをいかに快適に楽しくモチベートするかをかなり考え抜かれてるなーという印象です。

そしてストーリーに目を向けてみると、いやーーーヘビー。そうだったそうだった。テイルズってこういうゲームだった。

人種・文化の違い、抑圧と革命、正義と悪、消費と持続性、などなど……過去シリーズを思い出すエッセンスもありながら決してその焼き直しにはなっておらず、新鮮な気持ちで楽しめました。

パーティーメンバーの6人も、序盤はかなりギスギスが強くてこいつら好きになれるか?って不安がなかったこともないんですが、終盤には全員順番に抱きしめたくなるくらいにはちゃんと好きになれたので良かったです。

リンウェルかわいい。

キャラデザ的にものすっごいぶっ刺さりましたね、リンウェル。天才のデザイン。

でもストーリー的に一番好きになっちゃったのは、ぶっちぎりでテュオ様でしたね。何あのものっそいイケメンのくせに喋るたびおもしろい高貴な精神のお兄さんは…… 肩幅あるのに胸板は厚すぎない感じの鎖骨丸見えイケメンめ……

主人公のアルフェンもとにかくこれでもか!ってくらいの好漢だしシオンとのカップリングも非常に良い。本当に良い。ありがとう。

多少そこかしこで気になる点がないこともないんですが、とにかく楽しくテイルズの世界に没入できる、テイルズの良いところをちゃんと良いところとして摂取できる良作です。こういうのをやりたかったんだよ。

ちなみにあたかもクリアしたかのように語りましたが、実はまだです。終盤付近ではあるんだけどサブクエスト消化とスキット回収に奔走しててなかなか終われない……早くエンディングが見たい……見たくない……(終わっちゃうので)

ジョジョリオン(27巻・完)

うわージョジョリオンが終わった!!!

ジョジョはかなり好きな作品シリーズではあるんですが、ジョジョリオンについては正直あまりよくない意味でこれは果たしてどうなるんだ……?って気持ちがずっと続いていたんですよね。

それはこの最終巻の手前、26巻を読んだ時点でも変わらず、えっ、この次で完結巻なの?!本当にどうすんのここから?!って状態でした。

ところが27巻を読むことで、そうかジョジョリオンってこういう話だったんだ……っていうのが一気に氷解したというか、これまでの話をちゃんと包括し、そして最後に希望を描くという、ああこれも一つの「ジョジョ」だったんだなと実感できる最終巻でした。

ミステリーをやるぞ!って銘打たれたシリーズだったこともあって、終盤で怒涛の情報開示があったことでのカタルシスが大きかったのももちろんですが、もう一点。

ジョジョというシリーズ自体がずっと血筋と継承とその呪いの話をやってきていたわけで、ジョジョリオンはズバリ東方家という大家族がメインに据えられたことで、そこにものすごくフォーカスした作品だったんだとあらためて気づかされました。その点で全くぶれてなかった。かなりの遠回りではあったけど。

そう遠回り。過去最長の巻数なんですよ27巻って。だって1~3部で28巻ですよ。正直読むのがつらかった時期もありましたけど、最終巻を読んだ結果また最初からじっくり読みたくなるのはやはりこのシリーズのあらがえない魅力だと思います。

最終巻を読み終わってなんとなくジョジョに浸りたくなったので4部のアニメを見返すなどしていたんですが、そういえばストーンオーシャンのアニメも12月から配信開始ですね。こちらも超楽しみです。

レッツゴー怪奇組

ホラーと笑いは紙一重、みたいな話をどっかで聞いた気がするんですが、これぞ笑えるホラーマンガ。

オモコロで長らく連載が続いていたレッツゴー怪奇組がついに小学館クリエイティブから単行本として発売しました。

レッツゴー怪奇組は本当に大好きなマンガで、実は以前も完全受注生産の自費出版、つまりすごく立派な同人誌としてはまとめられたことがあった(もちろん買った)んですが、今回の単行本化でついに書店に並ぶことに。とても嬉しい。

作品の話を何もしてなかった。

このマンガは、あらゆる妖怪・おばけを率いて人々を怖がらせる『怪奇組』の組長を継いだものの怖さのことが全然よくわからないので怖がらせるのが超苦手な(でも顔は怖い)少女メチャ子と、無類の怖がりで怖がり方が何だか独特な男子高校生が、怪奇現象たちと触れ合いながらわちゃわちゃするホラーコメディマンガです。

ちなみに主人公キャラたちの名前がマジで適当で、主人公らしき男子の名前は本編で一度も出てこないし、メチャ子はこの男子から「めちゃくちゃするからメチャ子」と呼ばれているだけで本名は謎のまま。なんだそりゃ。

んで、基本的には一話完結なんですが、妙に時代を感じる絵柄でめちゃくちゃ軽快な会話コメディなんですよ。好きにならずにはいられない。

あと、もう四白眼どころか黒目ほぼ点じゃんっていうぱっと見怖い系というより古き良きホラーマンガ系のお顔立ちされてるメチャ子ですけど、読むにつれてどんどんかわいくなっていくんですよこの子。かわいいは見た目じゃないんですよ。

主人公男子(頼むから名前付いてくれ、こういう時困る)の無自覚な行動でメチャ子が照れたり、嫉妬したり、たまに妙にむず痒いやり取りがあったりと、えっ、おい、なんだラブコメか?

単行本描き下ろしの話なんてもうただのデートですからね。ホラーコメディマンガでイチャつくな。どっちも名前が不確かなくせに。

そんなレッツゴー怪奇組、今も連載は継続中で、今回の単行本の売れ行き次第で続刊の有無も決まるということ。ちょっとでも気になった方は是非読んでみてください。ホラー苦手なあなたも大丈夫。ラブコメなので。

(追記)

続刊が決まったようです。
やったー!!!

バーニング文芸部(コミティア同人誌)

久々に行きました、コミティア。

やっぱりいいもんですね、即売会のあの雰囲気は。コミティアは以前から大好きでここ数年間ずっと通い続けてたんですが、久しぶりにあの空気を味わえてうれしかった。

そんな感慨にふけりながら薄い本引換券と化した貨幣紙幣をたっぷり使ってきたんですが、今回個人的にめちゃくちゃハマったのがこちら、バーニング文芸部。

唐突にタイトル文字がカットインするマンガ大好き。

このアクセルベタ踏みの先輩とブレーキベタ踏みの後輩によるものすごい掛け合いから「お脳の便秘」「おちんぷ」「ぷちぷち文字並べゲーム」「パプアァーッ」等々の文学部マンガらしい力強いワードが数々繰り出されます。っていうか今気づいたけどぶら下がり腹筋機ってなんだよ。

山素さんのマンガは前回のコミティアでも気になっていて、その時はティア自体に行けなかったので読めずじまいだったんですけど、ある日思わぬ形で読むことができたんですよね。なんとモーニングの月例賞をとってたんですよ。

もしかしたらツイッターで見かけた人もいるかもしれませんね。

こちらはしっとりかつしっかりしたSFで、とてもさわやかな読後感ある良作でしたが、「足利尊氏にブイヤベース食わせてくる」などの言語センスはこちらでも発揮されています。

どちらの作品もかなりのドツボだったので一気にファンになってしまいました。バーニング文芸部の方は続くかも!とのことだったので超楽しみです。

地獄旅シリーズ(by すこやかむいむい)

旅は好きですか?
旅自体は好きじゃなくても旅モノのアニメやマンガは好きですか?

そんなあなたに今おすすめのおもしろ旅コンテンツがこちらです。

地獄旅シリーズは、すこやかむいむい氏が手作りフェルトのゆるいオリジナルキャラたちと共に往く旅行エッセイです。かわいらしいキャラに似合わぬそのタイトル通り、旅の様子はかなりの地獄っぷりです。

特に計画もなく深夜バスでの遠征からはじまり、一日に何本あるかもわからないローカル線や路線バス、場合によっては徒歩での長距離移動も強行し、宿が見つからなければ最悪サービスエリアに乗り込んで夜をやり過ごす…… 確かな地獄!

では水曜どうでしょうの旅シリーズよろしく、その過酷具合がおもしろいのか?といえば実はそれだけではなく、かなり文化人類学的というか、あ、日本にはまだこんなおもしろいところがあるんだ!っていう視点のよさが何よりも好きなポイントです。

地元民向けであろう飲食店の様子や、逆に地元民すらもほとんど使っていないであろう交通手段ののんびり具合、むいむい氏がめざとく見つける様々なVOW(宝島社)的不思議オブジェクトたちの良さなどなど……

インターネットでは見つからないものが~なんていうと陳腐かもしれませんが、これは確かに自分の足で旅をしない限りは得られないだろうなという体験の数々を伝えてくれる名エッセイだと思います。

そうそう、あと個人的にかなり好きなのが、ものすっごく細長い手描きイラストを埋め込んで区切り線にしてるやつ。あれのおかげでnoteのシンプルでそぎ落とされたUIがいい具合にごちゃついてて、ナイスなデザインハックだなと思いました。フェレットが特に好き。

こんな時代だからこそしみるにぎやかな旅コンテンツです。おすすめ。

おしまい

以上です。今月は数が少ないわりにやたらと長文になりがちでしたね。

特に意識したわけではなかったんですが「継承」がキーワードだったような、別にそうでもなかったような気がします。サブタイトルにしたらよかった。

今月はこのあたりで。


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