九大院から日産新卒入社した僕が1年10ヵ月で辞めた3つの理由。その①
タイトル通り理由を3つ、まとめてみた。
1つ目は、理想と現実のギャップ。
2つ目は、自分の才能と可能性。
3つ目は、好きな事を仕事にしたい。
今回は、1つ目の理想と現実のギャップについて。
日産に入社を決めたのは、『多くの人の命を救いたい』という思いからだった。
当時の日産株主総会でカルロスゴーンが質疑応答内で
「なぜ自動運転が重要なのか?」について、以下のように述べてた。
(YouTube1:04:00~)
「自動運転は多くの人の命を救うことにつながります。140万人の人が毎年自動車事故で命を落としています。これは健康以外で死因として第一位なんです。自動運転の自動車があれば、これらの事故の90%は防ぐことができるんです。」
「140万人の人が自動車事故で死んでいるとしたならば、そして90%まで命を救うことができるとすれば、100万人以上の命を毎年救うことにつながります。それに匹敵するようなものは、この地球にありません。これは社会に対する貢献なのです。」
「自動運転をプロ―モーションすることによって、テクノロジーをプロモートするということじゃなくて、ビジネス的には助かりますが、それだけじゃなくて『社会に対して良いことをする』ということにつながります。これは、日本だけじゃなく世界中の社会に対してです。」
学生だった僕は、この思いや価値観に共感して
日産自動車への入社を決めた。
もし仮に完全自動運転が実現できれば?
自動運転化技術に貢献することができれば?
一人の医者よりも、命を救うことができると僕は信じていた。
入社前の面接時、
ヘッドアップディスプレイ(*通称HUD)の開発チームを志願した。
HUDとは、フロントガラスをディスプレイにして、フロントガラス上にカーナビで表示する情報をAR(拡張現実)を使って表示する次世代技術で、ドライバーと車をつなぐ重要なインターフェイス部分である。
カーナビを見ながら運転した時に、ガードレールにぶつかった経験があり、もしカーナビをフロントガラスに表示してくれれば、事故を起こさずに済んだはずだし、この技術が実現できれば、「命が救えるかもしれない!」と真剣に思っていた。
就職後の現実
初めて配属されたのは、ハーネス開発チーム。
ハーネスは簡単に言うと「電線」。
車の“電力供給”と”情報伝達”に使われる。
↑これ。。
そして一年目に渡された仕事が、現行車と開発車で
電線に変更があるかを各部品のチームに聞いて回ること。
こんな感じ。。。
「お世話になっております。ハーネス設計の平山です。開発車に関して、ヘッドランプは現行車からハーネスの変更点はありますでしょうか?」
といったメールをひたすら各部署やチームに送りまくる!
変更があれば、それを上司に報告する。
みたいな業務内容。。
たまたま部署がそうだっただけかと最初は思った。
でも同期に「仕事何してんの?」って聞いたら、僕と大して変わらないような仕事。
まだ1年目だからと思ったけど、
2年目、3年目の先輩の仕事を聞いたときに、開発の日程調整や試作部品の評価など、僕から見ると憧れない仕事ばかり。。。
この仕事でよく使う言葉は「確認します」「修正します」「承認おねがいします」で、
それで気づいたのは、全ての決定権は役員や上層部が持っていて、僕たちには無いということ。
僕が思い描いていたのは、『アイディアを具現化すること』で、アイディアを出し合ったり、それを形にしていく風景を頭に思い描き、それが搭載された車が発売される世界だった。
でも入社してわかったことは、『期限内に問題なく次の工程に渡すこと』だった。だから、納期までのスケジュールを何度も話し合って、承認者である上司に気を配って、無駄な仕事をしてみたりする。
本質的な仕事は、問題点の修正がメイン。
だから、ココの問題はどうなってんの?って聞かれたら、「確認します」「修正します」。問題を修正したら「承認おねがいします」って答える。
ここにいると、これが全世界で他には何もないかのような感覚になった。
これが仕事の ”当たり前”
楽しい仕事なんてない。
仕事が楽しいなんて幻想だって、
言われてるみたいだった。
ここで僕が進む道は2つ
① 今の仕事の中に楽しみを見出すこと。
②ここから出て、楽しい仕事を探すこと。
①を選択しても良かったけど、自分の本当に得意なこと&才能を知りたいという思いが強かったので、②を選択した。
まだ知らない世界は山ほどある。
僕を求めてる世界だってきっとあるはずだ。
まだ未知の才能だっていっぱいある。
世界は僕を待ってる。
飛ぶか、飛ばないか。
これで②の理由「自分の才能と可能性」に続く。
平山雄大
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