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司馬遼太郎「燃えよ剣」

この半年間、私は司馬遼太郎の作品にどっぷりとハマっています。彼の小説はまるで映画のように視覚的でありながら、省略されることなく詳細に描かれているため、自分のペースで反芻しつつ楽しむことができます。特に歴史物は、読んだ後にYouTubeで解説動画を見ることでさらに理解を深めることができ、スピンオフを無限に楽しむことができるのが魅力です。これに夢中になると、ついつい夜更かししてしまいます。

『燃えよ剣』はそんな司馬遼太郎の中でも特に心に残る作品でした。幕末の動乱期、新撰組を中心に描かれたこの物語は、そのスピード感に圧倒されました。河原での斬り合いから、銃撃戦や軍艦の登場といった具合に、目まぐるしく変わる戦闘シーンが続く展開に興奮せずにはいられませんでした。特に戊辰戦争が描かれる後半部分は、まさに一気読みしてしまうほどの緊迫感がありました。

新撰組を主役に据えたストーリーを初めて読んだ私は、特に土方歳三の魅力に引き込まれました。彼のファンになった理由は以下の4点です。

1.土方歳三は田舎の喧嘩屋で鍛えられた勘の鋭い戦略家である点です。彼の戦術は、現場での経験に基づいており、その鋭い洞察力には驚かされます。
2.好機と潮時を見極める決断力です。戦局が変わる瞬間を見逃さず、即座に対応する彼の判断力には感服しました。
3.彼は銃火器や近代戦闘様式に即順応するセンスも持ち合わせています。時代の変化に柔軟に対応し、新しい戦闘方法を取り入れる姿勢は非常に魅力的でした。
4.白兵戦での斬り込みで敵を潰走させる爽快さです。彼の剣術の腕前と、その果敢な戦いぶりは読んでいて胸が熱くなりました。

司馬遼太郎の『燃えよ剣』は、土方歳三という人物を通して幕末の激動の時代を鮮やかに描き出した傑作です。この作品を読んだことで、さらに司馬遼太郎の他の作品にも興味が湧いてきました。歴史小説の魅力を存分に味わうことができる一冊であり、ぜひ多くの人に読んでほしいと思います。

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