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【観劇レポート】2018/07/21『ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル~スプーン一杯の水、それは一歩を踏み出すための人生のレシピ~』@ 紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

G2演出にハズレはないだろう、ということで衝動的にチケットを取ったこの舞台。U-25なので定価の半額で¥4000。

と、ここまでは良かったのですが…。

当日、なぜか会場をすみだパークスタジオだと思い込んでいた私は意気揚々と錦糸町へ。駅から歩いて15分程度、劇場に着いてもポスター等がないので、やっとおかしいと気づく。

チケットを確認すると会場はサザンシアター。

やばい。

開演は18:00、その時の時刻は17:15。今ならまだ間に合う。

人目もはばからず錦糸町をダッシュ。タイトスカートでダッシュしました。

駅に着くなり、乗り場を確認してホームまでの階段を駆け上りて、電車に飛び乗り、一息ついてTwitterなんか開いて。

何駅かを通過し、目的地はまだかとグーグルマップを確認すると、


目的地から離れている。


逆方向の電車に乗ってましたーーー

もう半泣き。ただでさえギリギリだったのにもう間に合わない。

しょうがないので市川から引き返しました。

そもそもなぜ会場を間違ってたのか、なぜ確認しなかったのか…明らかにキャパも違うでしょ!!(すみだ167席、サザン468席)

次は新宿新南改札から出てまたもやダッシュ。

方向音痴なので迷いながらやっとの思いで会場に到着。

結局20分弱遅刻しました。最初って、観客の心を掴むために演出家が最も腐心するところだと思っているだけに、本当に無念。

でも、最初を見損ねたにもかかわらず、鑑賞後の満足感は結構高かったです。

↑公式サイトです。あらすじ等気になる方はこちら。

役者陣、おおむね良かったです。欧米風のウィットの効いた言い回しや詩的な言葉を丁寧に聞かせることが出来る。

特に篠井さんの女形、姿も演技も美しかったです。

脚本は2012年のピューリッツァー賞戯曲部門賞を受賞しただけあって、秀作だと思います。

家族の関係と薬物中毒、ネット社会のつながりのあり方というマルチプロットがすんなり入ってくる。

そしてその脚本を綺麗に実現する演出。

チャットルームの表現、見事でした。光の使い方が美しい。

聴覚的に美しい演出もありましたが(音楽ではない。ネタバレになるので書けない)、BGMを多用するのはテレビドラマみたいでちょっと安直だなあと思ってしまった。

ネットでつながるということのドライさと、人間同士のウェットさを兼ね備えた、新時代の関係性がここにありました。私は現代性というのは、生で観るという特性を持つ演劇のかなり重要なポイントだと思います。

Twitterで評判を見てると、けんけん(尾上右近さんの愛称)ファン以外の酷評が目についたので実はちょっと心配だったけど、私は満足でした。

客入りは7割~8割未満くらいでしたが、もっと入っても良かったのに。

薬物中毒者の気持ちなんかわからないからつまらない、という書き込みを見て、ちょっと貧しいな、その感覚。と思った。共感だけがお芝居の産物かしら。それに十分普遍的な心の動きがあったと思いますけどね。

ネタバレになってしまうけど言いたいことは以下に。大したことは書いてません。

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