役者のくせに演技の才能がない、とかいう独り言
こんなことを言ったら、各方面から怒られてしまうかもしれないのだけど、でもここは私のフィールドなので、言いたいことを素直に言っていこうと思う。
私には、演技の才能がない。と、思う。思っている。
ずば抜けた演技力もなければ、万人の目を引くタレント性なんてのもない。同世代では、すごく素敵な演技をする人がたくさんいる。彼女とか、彼女とか、彼女とか.....それこそ同い年の彼女らは、とても才能があると思う。彼女らは演技の才能があるんだと思う。でも、私にはそれがない。悲観的になっているとかじゃなく、本当にただただ事実を見て、ない、と、思ってる。
だから私は、努力で戦っていかなきゃいけないのだと、思っている。演技を始めて2ヶ月もしないうちに、そう思うようになった。
別に、才能のある彼らが努力をしていないとは言わない。きっと努力は当たり前にしている。彼らは、磨けば光る原石を持っていたという話で、私はそれを持っていなかったという話で、それだけのことだ。私も彼らもきっと人知れずたくさん自分の石を磨いている。だから、原石を持っていた彼らは、彼ら独自の輝きを放っているんだと思う。私のはただの石ころだったから、磨いても磨いても、ピカピカの石ころに過ぎない。きっとそういう違い。
だからって別に、私は、絶望的になっているわけではない。磨くことを投げ出してるわけでもない。ただ、持っているものが違うという事実を、受け止めているだけ。
というか、別に、今回はこれが主題なわけじゃないんだよ。
私には、演技の才能がない。だから、努力をして才能を持つ彼らと並ばなければいけない。そう、思ってる。
でも、私は確実に表現者としての才能がある。んだと思う。表現者として、人の心を動かす才能がある。と思う。才能というか、少なくともそれほどの影響力とエネルギーを持っているし、それを自分の意識を持って操作することが出来る。とにかくそれは才能だと思うし、他人よりも長けている部分だと思う。
という事実を、私は、思う、なんて弱いものではなくて、知っている。私はその事実を、当たり前のこととして受け止めている。という言い方もなんだかあまりしっくりはこないのだけれども。だた、解っている。私は表現者としての才能があると、疑うことなく知っていた。し、知っている。
矛盾。じゃ、ないかな?矛盾な気がする。
面白いなと思う。だって演技の才能はないって思ってるのに、表現者として人の心を動かす才能があるって思ってるんだもん。それって要は演技の才能があるんじゃなくて?でも、なんかちょっと違うんだよね。そこが不思議だなって。
表現することと、演技することは別?演技で人の心を動かす才能というのは、演技の才能とは違うのかな?でも違う気がするんだよね。でも結局私がしてることって、演技だし、演技をしてるから表現者としての才能があるって感じるんだし、でもなんか、違うんだよね。私のは。演技の才能じゃなくて、表現者としての才能なんだよね。って思うんだよ。
面白いよね。面白くない?でも良いの。私はそんな自分を不思議だな〜面白いな〜って思うから。それで良いの。
っていう話。
伊波悠希