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恥ずか死してしまう。

昨今、写真を撮る為だけの行動が多い。
それじゃあ、全部写真に収めて終わりではないか。
実際それ以降が大切なのに。
だからこそ、撮影禁止の場所に行ってみたいと私は思う。
カウンター・カルチャー。
そして、写真に残せないからこそ、それを五感に焼き付けて、自分の考えを巡らそうと思う。


3年ぶり二度目のメイド喫茶。


メイド喫茶はご想像の通り女の子がメイドの格好をして接客してくれるカフェである。

初めて行った時は、興味本位で一人でガチガチに緊張して行った。
チーモンチョーチュウの白井さんの昔のエピソードで、メイド喫茶に行った時のことがあって、そこからずっと行きたいと思っていた。
その話が信じられないくらい面白くて、当時軽く100回はリピートしてた。

以下、引用である。

引用:https://hoho77.hatenadiary.org/entry/20090512/1242141691


そんなことないのよ。
メイドさんだって仕事でしょ笑と思った。
自分も「嫌です。」って言ってみたくなった。


まず、一度目のメイド喫茶について。

入って色々説明を受けて、メニューを見る。
正直言って何でもいいし、上手いもんなんて出てこないだろうと思った。
仕方なく、飲み物を選ぶ。
待っている間、メイドさんが話しかけてくれる。
可愛い格好した女の子が私に気さくに話しかけることなんか無かったから、ドギマギする。
当時自分の髪の毛が青く、それを褒められたので、メイドさんの髪色も派手だったので褒め返した。
すると、「魔法でこうなってるんです〜。お嬢様はなんでその色なんですか?」と言われた。
その為、そのノリに乗って返さないと、と思って、「私も魔法ですかね。」と答えた。


メイドさんは苦笑いした。


なんでだよ、と思った。だって、そっちの設定に乗っかってるのになんで苦笑いされないといけないんだよ。こっちだって、そんなこと言いたくないよと思った。

それからあまりメイドさんは話しかけてくれなくなった。


飲み物がきた。
例の説明が始まる。
「このままでは美味しくないです!一緒に、美味しくなぁれ、萌え萌えきゅん♡とやりましょう!」
と言うのである。
まず、美味しくないものを提供すること自体間違っている。
こちとらお金を払っているんだから、最低限飲める物を提供するのが筋であろう。
例え美味しくなかったとしても、そんなことをするくらいなら不味くてもいいとさえ思う。
なんて真面目に考えてしまう。
顔はニヤニヤしてしまったと思う。

めちゃくちゃ恥ずかしい。
みんな本当にこんなことするのか?と思って、周りを見渡してしまった。
誰もそれをやっているタイミングではなかった。
恥ずかしい。

もう一度どうやってやるのか尋ねる。
恥ずかしい。

ジレンマの中、小さめに終える。
恥ずかしい。


味なんてわかったもんじゃない。
ボーッと時がすぎる。
私はお客さんを観察してた。
みんな楽しげにメイドさんと話している。
私の前には何故来てくれないんだろうか。


そして、チェキ撮影に呼ばれる。
チェキはステージの上で、被り物をつけ、ポーズを取らされ、撮影される。
さっき相手してくれてたメイドさんとはまた違うメイドさんと撮影した。
頭につけるカチューシャをどれにするか訊かれたが、そんなもんどれでもいいわと思った。
だって、それに好みなんてないのよ。
だから、「どれがいいんですかね?」と聞いた。
すると、うさ耳をつけてくれた。
ああ、恥ずかしい。
ただでさえステージの上で恥ずかしいのに、変なのまでつけちゃって。
ポーズも全くわからない。
直立不動になりかけて、ずっと「え?」と言ってた気がする。
メイドさんは優しく、「じゃあ、ハート作りましょう!」と提案してくれた。



予習では、最後にカードを貰えるはずなのだが、何故かお会計が終わると帰らされる雰囲気だったため、記念で欲しかったので、カードについて尋ねた。
忘れていたのか、もう来て欲しくないからなのか、慌てて持ってきて、色々書いてくれた。


ひたすらに恥ずかしいし、可愛い女の子がこんなに話そうとしてくれるなんてと思った。
ちょっと悲しかったところもあるけど、まあ、こんなもんだろう。



次に、二度目のメイド喫茶について。

今回は明るくよく笑う友人と行った。
二度目ということもあり、前よりは落ち着いている。
でも、順番がきて席に着いた瞬間、一気に緊張してきた。
友人は凄く言葉を弾ませていた。
メイドさんは様々また説明をする。
可愛いし、跪いて話すし、設定守ってるし、目合わせてくるし、恥ずかしい。

「お嬢様は初めてのご帰宅で、お嬢様は3年ぶりのご帰宅ですね。お帰りなさいませ。」
と言われた。続けて、
「3年間どこに行ってらしたのですか?」
と言われたので、
また、この設定に乗らなければ!と思い、
「ちょっと迷子になって、道がわからなくなりました。」
と答えた。
笑ってくれた。
良かったぁ〜。


また緊張してくる。
友人がメイドさんの全ノリに乗っているので、こっちは落ち着いていられた。
友人みたくすれば、良いのだと全てお手本にしていた。
しかし、私がこんなことをするのか?
恥ずかしいなぁ。

メニューを決める。
正直言ってなんでもいい。
何もわからない。
友人が熱心にメニューを見ている。
早く何でもいいから決めて欲しい。
友人が選んだ物と同じ物を頼む。

メイドさんがきて、チェキを誰と撮るか聞いてきた。
誰でもいい。
友人と同じ人を選ぶ。
友人は可愛いじゃなくて、綺麗だからこの人がいいと言っていた。
誰でもいいなと思った。

飲み物が運ばれてきた。
コーヒー系の甘い飲み物を頼んだので、メイドさんがその上にラテアートをしてくれる。
何も考えてなかった。
友人はすぐに「ポチャっこ書いてください!」と言った。
メイドさんがわからなかったので、画像を見せると、凄く可愛く描けていて、凄いと思った。
みんなで拍手して、平和だなと思った。
私は何も考えてなかったので、その日がハロウィンということで、カボチャをリクエストした。
当たり障りない。我ながら、恥ずかしくないチョイスである。


例の如く、
「このままでは美味しくありません!美味しくなるように、一緒に美味しくなぁれ、萌え萌えきゅん♡とやりましょう!」
と言うのである。
ああ、恥ずかしい。
友人を見ると、もう既に練習して、ノリノリである。
ああ、恥ずかしい。
なんでそんなにノれるんだ。
自分のだけ美味しくなくてもいいから、回避したい。
友人が「ホラ」と言ってくる。
メイドさんが「せーの」と言う。
ああ、恥ずかしい。


飲みながら、他愛もない話をしていると、またメイドさんが来て、カードを持ってきてくれた。
カードが3年前からリニューアルされたらしく、
「3年間でカードが変わってしまいましたが、このカードは古くなってしまいますが、新しくしますか?」と問われた。
これは乗っているか、どうか分かりかねるが、「いにしえからのカードなので、そのままで大丈夫です。」
と答えた。
「いにしえからのカード!それでは大切にこのまま使いましょう!」
と言われた。
良かったぁ〜。

友人は新しいカードに名前を書いてもらっていた。
それをすごーくマジマジと見てた。
メイドさんは名前を間違えてしまった。
それを笑い合う。
平和だなぁ。


そして、今か今かとチェキ撮影を待つ友人。
凄い。
絶対恥ずかしいよ、あんなの。
慣れるもんじゃない。

まずは、私が呼ばれる。
最悪だ。
このまま気づかないフリをしたい。
友人に促され、ステージへ。
恥ずかしい。

上がると、メイドさんが目を合わせて、
「お洋服お洒落ですね!」
と言った。
「ああ、まあ、はい。」
と答えた。
恥ずかしい。
そして、例の如く
「どれをつけますか?」
と、被り物を見せてくる。
頑張らないと、と思い、ハロウィンだからという理由で、魔女の帽子を選ぶ。
もし、この日がハロウィンじゃなかったら、私は『恥ずか死』していたかもしれない。
ポーズの三択を出され、またハートを作るポーズにした。
一度やったので免疫がある。
しかし、ハートをくっつけてはいけないと思い、想像以上に意識しすぎて、凄く遠ざけてしまった。


ハート描いてくれた。
可愛い。
嬉しい。
恥ずかしい。


友人は名前が呼ばれると「はーい!!」と返事をして、すたすたステージへ。
めちゃくちゃノリノリでこなしていた。
凄い。


こうして、二度目のメイド喫茶を終えた。
友人は大満足そうだった。


私はひたすらに恥ずかしかった。
単純に楽しめるようになるまで、まだまだ精進が必要である。

一度行って、自分がどう思うか経験してみるといい。


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お金よりもスキしてくれるとスキ