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【ラグビーの見方】モール編

※このnoteはラグビーを見始めてまだ比較的日の浅い方向けに書いています。よりラグビーを楽しむための一助になれば幸いです。
ラグビー専門書といった内容ではありませんので、あらかじめご理解のほどよろしくお願いします。

こんにちは、ラグビーファンのユウです。

今回のnoteでは、[ラグビー モールの見方]について解説していきます。
モールとは、攻撃方法の1つのプレーです。FWが1つの塊になって、押すプレー。

モールの見方・ポイントをなんとなくでも理解してもらえれば、よりラグビー観戦が楽しくなるはずです!


モールの基礎知識

・モールとは…
・モールを組むのはどんなとき?
・モールの仕組み|モールのなかはどうなってるの?
・モールは3人以上ならモールになる
・モール後はどうなる?

■モールとは…

選手同士がくっつき、1つの塊になって押す攻撃のプレー。

参照:モール(ラグビーガイド)

■モールを組むのはどんなとき?

攻撃の1つの手段としてモールを組みます。
モールを組み、押すことで得点に繋げたり、得点チャンスを増やす目的があります。


■モールの仕組み|モールのなかはどうなってるの?

味方選手同士がジャージを掴み、離れないようにし、前に進んでいきます。基本的にボールはモールの最後尾の選手が持っています。


■モールは3人以上ならモールになる
2人だけではモールではない。

モールが形成されるのは最低でも双方合わせて3選手が参加している必要があります。厳密にいうと、攻撃側2人・守備側1人の計3人がいればモールが形成。

攻撃側1人と守備側1人の選手が組み合っている形になってもそれはモールではありません。

ボールキャリアが相手に捕まり、捕まえた相手の選手ともども立ったままでサポートを待つ。そこに攻撃側のサポートが来て、ボールを持っている選手とバインドすれば、そこでモールが成立する。ラックがボールの上で敵味方双方一名ずつで組み合えば成立するのと違って、モールの場合は最少でも3人が必要なのだ。
参考文献:ここを見るとラグビーは面白い – #07 : モール(トップリーグ)


■モール後はどうなる?

モールを組む場所にもよりますが、モールでトライまで奪えることができるのが理想です。

その他、モール後のプレーで考えられるのは、①BK(バックス)にパスをだしたり、②SH(スクラムハーフ)からキックを蹴ったり、③モールの最後尾でボールを持っていた選手がボールを持ち出し、攻撃をする。

主にこのあたりのプレーが考えられます。


【初級】モールの見方

①モールは組めている?
②モールの形はどう?キレイな形なら押せる可能性が高い

①モールは組めている?

ラインアウト後にモールを組むことが多いのですが、相手はモールを組まれたくありません。なぜなら、モールを組まれると押されてしまい、トライを奪われてしまう可能性が高くなるからです。それだけモールって強力な武器なんです。

なので、相手チームとしてはモールを組ませないために、モールを組まれる前に攻撃側の選手を倒しにきます。ラグビーでは倒れた選手はプレーできないため、もちろんモールを組むことができません。

ラインアウト後、まずはモールが組めてるのか、それとも崩されてしまったのか、まずはチェックしましょう。


②モールの形はどう?

モールの形(カタチ)が綺麗だと、押せる場合が多いです。
もちろん、モールを押せる理由は形だけではありません。ですが、形が綺麗だと言うことはモールに参加している各選手の押したい方向が意思統一されている証拠だったり、選手同士がピッタリと引っ付き合っているためモールが押せる可能性が高いんです。

モールの映像を見てみましょう。

[綺麗な形のモール]


モールの豆知識①:3つ

・ラインアウトに並ぶ前にFW同士でなにか話していないか(モールでくる?)
・守備側は引っぱったり、ヒザよりしたにタックルに入る事はできない(反則)。
押して止めることしかできない
・相手チームが一人もモールに入っていない場合には押せない

■ラインアウトに並ぶ前にFW同士でなにか話していないか(モールでくる?)

相手ゴール前で攻撃側ボールだと得点チャンスです。まずはモールを組んで得点を狙いにくるチームがほとんどです。攻撃側としてはまずなんとしてもラインアウトのボールを確保したい。
なので、ラインアウトの列に並ぶ前に味方にサインを伝えたり、「ここは大事な場面だ」と仲間選手の集中力を高めようとします。

ラインアウトに並ぶ選手たちの動きも見ていると面白いでしょう。
「あ、なにかやってきそう!」といった雰囲気がプンプンの場面も多々あります。

■守備側は引っぱったり、ヒザよりしたにタックルに入る事はできない(反則)。
守備側はモールを崩すためになにをしてもいいというわけではありません。基本的には押して返して止めることしかできないんです。引っぱったり、ヒザより下にタックルを入ってしまうと反則になります。
※モールが組まれる前に、選手を引き倒すのはOK

モールを止めるのってかなり大変なんですよね。


【中級】モールの見方

③モールの動き(動いている、止まった?1回のストップはok)
④地面に着地する瞬間(ゴール前なら特にスペシャルプレーがあるかも)

③モールの動き(動いている、止まった?1回のストップはOK)

どのチームもやっぱりモールは押したいと思っています。
ですが当然、守備側チームもそれを必死に防いできます。守備側が押されてしまうと失点してしまう可能性があるからです。

モールは両チームが押し合うため、モール自体が①動いたり②止まったり③横に動いたり、と様々な動きを見せます。モールに参加している選手ですら、予測出来ない場合も多々あります。

モールがどのような動きをしているのか?
チェックしてみてください。

①モールが動いているなら、どちら側(攻撃側・守備側)が押し込んでいるのか?

②モールが止まっている。
→これは両チームの力が拮抗していると言えます。

③モールが横に動いている。
→これもまた両チームの力が拮抗していると言えます。ただ、拮抗した力が横に逃げてしまって横に動いていると考えられます。
あるいは、どちらかが故意に横に押している可能性もあります。それは戦術の1つです。
・攻撃側が横に押す理由…タッチラインにでないためにグラウンドの真ん中方向に押している
・守備側が横に押す理由…タッチラインに押し出し、ボール再獲得を狙っている。


④地面に着地する瞬間(ゴール前なら特にスペシャルプレーがあるかも)

ラインアウトモールと見せかけて、スペシャルサイン(得点がとにかくほしい!というときに使うサイン)を使う場合もあります。

下記の動画をご覧ください↓

モールを組むと見せかけて、いままで見たこともないようなサインをしています。これがいわゆるサインプレー。
得点チャンスの場面(攻撃側が相手ゴール前ラインアウトなど)で使ってくることが多いです。
地面に着地する瞬間にファンも「あ!」というようなスペシャルサインをしてくる場合もあるので、特にゴール前でモールを組んできそうだな、という場面には注意深く見ておきましょう。


【上級】モールの見方

⑤ゴール前ラインアウトは得点チャンス(攻撃側)
⑥DF側の対応(競るか、サック?)

⑤ゴール前ラインアウトは得点チャンス(攻撃側)

相手側陣地ゴール前での、攻撃側ボールラインアウトは大きな得点のチャンスです。

目の前にはトライラインが見えており、もう少しでトライができます。この場面、多くのチームがモールで得点を取りにくることが多いです。なぜなら、一番リスクが少ないから。

ラインアウトさえキャッチしてしまえば、あとはボールを保持したまま押すだけ(押すのが大変なんですけどね笑)。
モールは相手にボールを奪われるリスクが一番少ない攻撃方法なんです。

相手陣地ゴール前の攻撃側ボールのラインアウトからのモールは、得点が入りやすい場面なので、見逃さないように見ておきましょう!


⑥守備側の対応
ラインアウトを競るか、それとも競らないか?

ラインアウトでは必ず選手を持ち上げて競りにいかないといけない、というルールがあるわけではありません。守備側チームは相手がモールを組んできそうだったらモールに備えて待ち構えておくのも1つの手です。

とくに自陣ゴール前で相手チーム(攻撃側)ボールなら、モールを組んで得点を狙いにくるチームがほとんどでしょう。そのモール攻撃に備えて守備側はどのような対応をするか。ラインアウトからでも予想することができます。

守備側のチームがラインアウトを競りにくるか、それとも競らずに相手選手が着地するのを待つか、守備側目線でラインアウトモールを見るのも面白いです。

モールの豆知識②:スクラムが強いとモールも強い?

その都度相手と組み合うので一概には言えませんが、一般的にスクラムが強いチームはモールも強いと言われています。

有名なチームでいうと、トップリーグ・ヤマハ発動機(外部サイト)
ヤマハ発動機スクラムに自信・プライドを持っているチームです。試合中「スクラムは絶対に負けられない」といった覚悟のようなものが見てとれます。そんなヤマハ発動機にとってモールも1つの大きな武器です。

大学で言うと、京都産業大学明治大学東海大学がスクラムが強いチームでしょう。
この3校はモールも強いイメージがあります。

高校では、尾道高校(広島県)がまっさきに思い浮かぶラグビーファンも多いのではないでしょうか。
尾道高校は伝統的に、スクラムを軸に、モール攻撃も強いチームです。

少し脱線しますが、
第99回全国高校ラグビーフットボール大会(2019年度 花園)。出場校51校中3校にしか与えられないAシードに選ばれた京都成章(京都)相手にスクラムで押しまくってました。

※この年の京都成章は、身長190cm越えの選手が複数おり、その他の選手も180cmを越える選手ばかりからなる超大型のFW(フォワード)陣でした。
スクラムに引っぱられるように、試合終了間際まで結果が予想できないような展開でした。

結果は、Aシード・京都成章が自力をみせ勝利(◯京都成章31-14尾道)したものの尾道高校のスクラム、ラグビーには私自身驚きました。

関連資料:第99回全国高等学校ラグビーフットボール大会 2回戦(日本ラグビー協会)

社会人チームから高校チームまで見てみるとやはりスクラムが強いチームは、モールも強いという印象があります。
どちらもFW選手が塊となって押すプレーです。
スクラムが強くて、モールも強いチームというのは、それらのプレーに参加するFW(フォワード)選手たちがそもそも強いチームということなのでしょう。

モールで起きる反則

モールで起きる反則一覧(ラグビーガイド)」をご覧ください。


モールの関連用語

[ポジション関連]
FW(フォワード)BK(バックス)
SH(スクラムハーフ)

関連:ラグビーのポジションについて(ラグビーガイド)

[プレー関連]
ラインアウト…タッチラインから投げ入れたボールを、選手を持ち上げて奪い合うプレー。
スクラム…FW選手が8人が相手選手と組み合うプレー。
・サック…ラインアウト後、モールを組もうとしてきた相手チームの選手を引き倒すプレー。モールを組まさないために行う。

関連:ラグビー用語集


まとめ

【モールの見方】一覧
①モールは組めている?
②モールの形はどう?キレイな形なら押せる可能性が高い
③モールの動き(動いている、止まった?1回のストップはok)
④地面に着地する瞬間(ゴール前なら特にスペシャルプレーがあるかも)
⑤ゴール前ラインアウトは得点チャンス(攻撃側)
⑥DF側の対応(競るか、サック?)

以上が、ラグビーにおけるモールの見方になります。


当noteに関する質問やご感想はいつでも受け付けております!お気軽にどうぞ。またお知り合いに「今後、はじめてラグビー観戦をされる」と言う方などいらっしゃいましたら、ぜひ当noteをご紹介いただければ幸いです。

ラグビーに興味を持って下さった方が、よりラグビーにハマり、よりラグビーを楽しめるような情報をこれからも発信していきたいと思います!

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