最低男 × 最低女 = 闇深き業。

※コチラはアメブロ過去記事からの転載となっております。

2017年6月29日(木) +:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+:-:+

さて昨夜の懺悔から明け、
寝坊したお昼でゴザイマス。
こんにちは。

昨夜の懺悔の存在は、
今日これから書こうとしている内容のために必要でしたので、
あえて書かせていただきました。
自分にあんな素敵な片想いがあったコトは今でも時々救われます。
普通の恋を、
普通の感覚を、
ありがとうと感謝の意を込めての記事です。



それでは、
自分の人生を大きく変えてしまう出来事を書き綴りたいと思います。
途中で堕ちるかもしれませんがなんとかがんばれればいいなと祈りを込めつつ、
乱文ではありますがお目汚し失礼します。





先日の師匠との別れを引き摺りながらの進学。
漠然と夢を追ってデザインの専門学校へと入学したあたし。
元々引っ込み思案なあたしは、
高校でもそうだったが、
最初は友達も上手く作れないだろうなと思いながら、
まぁとりあえず絵が学べればいいやとそれなりに楽観的に通学を始める。

程なくして7人組の親友の1人の男友達が、
その専門学校のごく近所に住んでいると知り、
学校帰りには遊びに行くようになる。
この間わずか1週間足らず。

いつものように下校後に部屋へ出向く。
何気なく学校の話やら共通の趣味の漫画の話やら続く談笑。

不意に言われる。

「ちょっと舌出してみ?」

何の前触れもなかったが、
ああコレはアレだなとすぐさま気づいた。
素直に舌を出し、
当然のようにキスが交わされる。
お互い好きだの付き合いたいだの語ったコトはない。
少し前まで奴は別の親友と付き合っていて別れたばかりで、
その行為がコチラに向けられるとは思ってもみなかったが、
年頃の男女が2人きりの狭い部屋の中で共に過ごせば、
そんなコトだって起きたりもする。

あたしはたぶん元より無防備な方だったのだろう。
それまでもよく[猫娯はチョコで買える]などとふざけて言われたりもした。
チョコが大好きなあたしは、
それを餌に部活の買い出しに行ったコトもあったので、
そんな風に揶揄されていたのだが、
まさか本当にチョコで釣ろうとされるとは思わなかった。

口移しで食べるチョコ。

甘さは然程感じもしない。

心の中で元カノにお別れを言う。

奴は元カノとあたしの関係を知っていたが、
その前もその後も、
女同士の恋愛は恋愛に入らないと強く言っていた。
別に理解などして欲しくもなかったのだが、
実際に男女の関係を持つとなると違ったようで、
この言葉は後々あたしを苦しめるコトになる。

元カノとの恋がキラキラと輝いて、
こうして始まろうとしている男女関係を陳腐にさせる。



チョコで釣られされているキス。
そのキスがその先に進んだ自然な流れに不可思議さを感じ、
心は現実から離れ別世界にいるようだった。

決して優しいとは言えない行為。
既に経験したはずのその先の未経験な激痛に及び腰になったが、
今我慢しないと後が辛いと言われ、
なんとか我慢した先で気がつくとすべてが終わっていた。

「俺たち、付き合おっか」

順番は逆になった。
でも最後まで出来たというコトは、
たぶん好きになれるんだと思ったのだと思う。
いいよと頷いた。
その日から始まる付き合い。
みんなにも報告しなきゃな。
ヤツの前に付き合っていた親友にはとくにちゃんと話さなきゃ。



でも・・・アレ?待って?



今、避妊した?



ハタと気づいたがもう手遅れであるコトに間違いはない。
性行為が初めてではないが身体は処女だったあたし。
初めてでコレってと混乱したが、
そんなぐるぐるしたモノはおくびにも出さず、
なんてコトないフリをしてその日を終える。

翌日には親友達に電話で報告。

その時1人に言われる。

「ちゃんと避妊したんだろうな?」

ああやっぱり聞かれるか。
それ大事な所だもんねぇと正直に話すと受話器越しに当然の如く耳に劈く怒号。

「妊娠検査薬買ってちゃんと調べろバカ!」

今にして思えば使い方も間違っていたのだが、
検査薬での結果も報告するコトを約束させられたので、
すぐに使ってすぐに報告。
なんとか安心させたが2人揃って説教された。

使い方を間違ってはいたが妊娠もしてはいなかった。



そんな不安な始まりだったけど、
きっと好きになれる大丈夫と言い聞かせながら過ぎてゆく日々。
厳密には違うのだがお互い初めての相手で、
さらに奴は性欲も人一倍強いらしく若さもあったので、
毎日のように行われるソレに時には疲弊しウンザリもしたが、
好きになろうという一心で自分はそれに対してもオープンに振る舞った。
好きになれる。
大丈夫。

でも。



どうして相変わらず避妊してくれないの?



彼氏が出来た充実感とそんな現実問題のギャップに苛まれてゆく。
片や恋愛の一歩先に進んだ自分を大人だと浮かれ、
片やいつか来るかもしれない妊娠を恐れながら、
騙し騙しの付き合いは続く。
それでもやはり最悪の事態は怖かったので、
時には自分で避妊具を買い奴に渡し部屋に置いたが、
そんな行動もなんの意味もなさなかった。
自分で買ってと伝えても恥ずかしいからと誤魔化される。
強く拒否も出来ない自分に悩んだが、
拒否出来ないから悪いんだと自分を責め続け、
時には親友にも相談し、
最初の頃のような説教を期待したりもしたのだが、
すべては徒労に終わった。



奴は良い意味で言えば自信家、
悪い意味で言えば少々ナルシスト気味で、
自分があたしより優位に立っていないと拗ねる癖もあった。
また束縛するタイプでもあり、
よくあるソレと微妙に違うのは、
他の人との付き合いを制限するのではなく自分も連れてけというモノ。

その頃には少し仲良くなったクラスメイトに奴を紹介し、
快く受け入れてくれた中のとくに男友達とは、
女には解らない結束が固まっていったように見える。
その中には今の彼氏もいて事の次第を後で知るコトになるのだが、
そんな大きな輪がいつの間にか出来ていて、
学生らしく楽しい時間が過ぎていった。

ちなみに奴はパートタイムで働くフリーター。
進学しなかったのはお金がなかったからと言いながら、
時には学生のあたしを[学生は自由でいいよな]と詰るコトもあった。

時には夜中に呼び出されタクシーで向かったコトもある。
一緒に住んでいた兄に呆れられたけど、
兄はあたし自身にはとくに関心がなかったので、
送ってくか?と言いながら放っとかれた。



よく解らない束縛と嫌味。
パートで働いているのに学生のあたしが購入する使われない避妊具。
それでも決して止めてくれない行為。

ある日言われた。



「猫娯、不妊症なんじゃないの?」



耳を疑った。
コイツ何いってんの?
そもそも本当に妊娠したらどうすんの?
ぐちゃぐちゃな想いが駆け巡りその時は笑うしか出来なかった。

奴がパートに出かけ帰って来るまでの間ひたすら一人きりで考える。

怖い。

怖い。

怖い。

泣きながら親友に電話してようやく気持ちを落ち着けた。
そんなに怖いならちゃんと話し合いなと諭された。
そうだよねと電話を切り帰宅した奴に問いかける。



「ふ〜ん、それで?」



伝えた想いが宙を舞う。
絶望に似た感覚を覚えながら不思議と別れようという考えには及ばなかった。
努力して好きになったのに無駄にしたくなかった。
もう耐えるしかないと諦めた。
少し凍ってしまった心のまま続く関係。
疑問でいっぱいなのに終わらせ方も解らないままただただ耐える。



そんなモノが続いて1年だった。



生理が遅れていると気づいた時にはもう予定日から27日も過ぎていた。
気づいた時に既に確信してしまった。
間違いない。
検査薬なんか使う必要はない。



コレは、妊娠だ。



もちろんまず冷静に検査薬で調べる。
浮き出たラインに肩を落としフフっと笑ってしまう。
どうやって相談しよう。
そんなコトしか考えられない自分を殴りたくなる。

なんて言うのかな。
産めって言う?
堕ろせって言う?
今日は会いたくないな。
土曜日だし学校も休み。
明日も。
月曜日には話さなきゃ。
明日だけ会わなくてもいいよね?
今日もだけどっていうか今は会いたくないな。
明日だけ休ませて。

この時もう既に答えは決まっていたけれど、
月曜日が来るのがただただ怖かった。
どんな言葉が飛んでくるのかだけが怖くて自分の身体は二の次。
でもどんな言葉をぶつけられようと心は揺るがない。



「堕ろすよ」



月曜日になり奴にそう伝える。
産んで欲しいと泣かれてしまい、
泣かれれば泣かれる程どんどん冷静になってゆく。
あたしが流せずにいる涙を奴は平然と流すのか。
だから避妊してって何度も言ったのに。
泣くくらいならどうして気をつけてくれなかったの?
目の前の涙が嘘にしか見えない。
そもそもどうやって育てる気なのだろう。
以前言っていたコトがある。

「俺、子供嫌いなんだよね」

「出来ても可愛がれないし虐待もするかも」

でも避妊はしないよと笑った。
鬼かと思った。
そして妊娠を伝えたこの日あたしが鬼だなと心の中で笑った。
現実の話をして説いてゆく。
産むとしても出産費用は誰が用意をするのか。
いくら費用がかかるのか解っているのか。
何よりあたしは学校はちゃんと卒業したい。
親にだって言えない。
産む勇気も育てる度胸もない。

話し合いは奴がパートに行くまでの短時間。
話せば話す程たくさんが無駄になってゆく感覚。
奴は何にも現実を見れていなかった。
堕胎費用すら出せるお金はないと言った。
それがなくてどうやって産めばいいのか。
泣きたいのはあたしの方なのにその涙はねぇなんで流れてるの?

話は当然堕胎に向いてゆく。
時間はない。
すぐにでも婦人科に行かなければならない。
そして手術の可能な日を考える。
費用は奴の両親が払ってくれるコトになった。
奴の母親と祖母が田舎からわざわざ出向いてくれて土下座する勢いで謝罪してくれた。
奴の父親にも電話でも謝られた。
奴はちゃんと謝りもしないのに奴の両親が謝ってくるなんて滑稽で。

そして最後の留めの言葉にあたしは心を殺した。



「婦人科に行く前に、最後に1回ヤらせて」



コイツは、本当にダメだ。



次の日奴がパートを休み共に婦人科に向かう。
正常な妊娠ですと伝えられどうしますか?と聞かれたその婦人科は、
親友に教えてもらった陰で密かに堕し専門と言われている病院。

「堕そうと、思います」

自ら発した冷たい言葉が診察室に響く。
そうですかと言われ淡々と堕胎手術の説明をされる。
手術日を決めて病院を後にする。

手術の日程のコトですら少々口論になり、
奴は[俺の都合も考えろ]と言ったが、
どの口が言うのかとあたしが頑なに譲らなかったため、
希望日を通すコトが出来た。

手術当日には当然のコトだが父親の欄に奴が署名。
伝えられていた手術費を用意し待合室での時間を長く思った。
泣いているカップルがいる。
彼らもまた望まぬ妊娠だったのだろう。
手術室に呼ばれ手術台に乗せられ麻酔を打たれる。
1・2・3と数えた後はもう夢の中だった。



夢の中であたしが泣いている。

ヤメテ!

コロサナイデ!

イタイ!
イタイ!
イタイ!

手足が引っ張られる激痛と頭がぐちゃぐちゃにされる気持ちの悪さ。
滑り台を急降下し落ちた先で目が覚めた。
目が覚めて気づいた。
夢の中のあの記憶はあの子のモノだった。
コロサナイデと言っていたのにあたしはあたしの意思でその命を壊してしまった。



全身麻酔から覚めて激しく嘔吐するあたし。
同室にいた見知らぬお姉さんが洗面器を充てて介抱してくれている。
お姉さんだって堕胎したばかりだろうに。
嘔吐とようやく流すコトが出来た涙が止まらなかった。

手術費は先に支払っていたので、
体調が整ったら帰宅していいですよとなされたいた事前説明。
まだ具合は悪かったけどそんなに時間を置かず帰るコトにする。
渋々タクシーを使わせてもらっての帰宅。
奴がまた少し泣いていたのであたしはもう涙は見せなかった。
絶対に泣くもんかと思った。



次の日には変わらぬ日常がやってきて世間はGWで賑わっている。
田舎から両親が遊びにきて何食わぬ顔でドライブに行ったりする。
明けて学校に行くと友達は皆ごく当たり前の学生で。
それがチクリと痛かったけど何ともないフリをし続ける。

学校の友達には1人だけ打ち明けていた。
それが後に大惨事を招くコトになるのだが、
誰かに打ち明けないとおかしくなりそうだった。
打ち明ける相手を間違えたなと思ったのはずっと後だったけれど。



堕胎から40日は生理が来ないと説明されていて、
奴もそれを聞いていたはずだったのだが、

「40日生理が来ないなら生で出来るね」

なんて言ってのける。
今更そんな言葉にもう驚きはしない。
鬼畜に合わせる言葉なんかもう持ち合わせてもない。
あたしの家で手術後初めての行為に及びされるがままにされていた。
いざその瞬間。

気がつくと力一杯押し退けていた。

やっぱりイヤだ!

怖い!

無理!

・・・もうヤメテ!!

止めどなく涙が溢れているのに、
奴が発した言葉は、

「さっきまで平気だったクセに」

血が沸騰した。
帰れと怒鳴った。
機嫌を損ねてそっぽを向き帰り支度をする奴の背中を見て、
あたしは台所に向かい包丁を手にする。
自分の手首に充てがおうとして止められる。

「なんでこんなコトすんの!?」

なんで?
なんでか解らないのか?
あたしの精神はもう限界だったのにわざわざ言わなきゃ解らないのか。
言っても解らない人に何が伝わるというのか。
ここまでして尚も解らないのか。

「もうヤダ、死にたい」

初めて口を突いて自分で驚いた。
死にたかった。
殺すくらいなら死にたかった。
それ程までに辛かったのに。

奴はその時謝っただろうか。
途方に暮れるあたしを置き去りにすぐに帰ってしまったので、
今はもう思い出せもしないし思い出したくもない。



それでも日常は容赦なしに続く。
あんな自殺未遂劇を繰り広げたというのに変わらぬ行為。
避妊しないのも変わらない。
奴とはもう無理なのにどうやっても逃げられない。
生きるコトも死ぬコトも出来ない。
あの子を殺してもまだこんなコトを続けてるあたしは鬼なんだ。



鬼は、あたしなんだ。



そう思わないと現実を受け止められない程、気が狂いそうだった。





長くなったのでひとまずここまでにします。
ショッキングなコトばかりで言葉とか時系列が微妙に曖昧です。
それでも辿った記憶の通りに書いています。
この後ちゃんとではないけど終わりに出来たので、
次はそれを終わらせた話に出来ると思います。

ダーク過ぎて・・・なんだか本当に申し訳ないm(_ _)m。

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