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小説)『雑記帳』より。

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『雑記帳』という小さな珈琲店を舞台にした小説です。 私(素子)とマスターの「鈴木さん」の物語。
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#小説

小説『雑記帳』より。(最終話)

最終話 永遠はない お兄ちゃんが座っている後ろから抱きかかえるように抱きしめてきた。 私…

有馬優
3年前
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小説『雑記帳』より。(3話②)

3話 素子のアルバイト②(お兄ちゃんの部屋には一人でいかない?) 機嫌の良さの延長なのか…

有馬優
3年前
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小説『雑記帳』より。(3話①)

3話 素子のアルバイト① 学校が夏休みに入る直前、私にバイトの話が飛び込んできた。 あま…

有馬優
3年前
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小説『雑記帳』より。(2話③)

2話 タロットカードとシルバーグレイ③(2話目最終) シルバーグレイはよく私の身体をくま…

有馬優
3年前
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小説『雑記帳』より。(2話②)

2話 タロットカードとシルバーグレイ②「鈴木さん、2階の絵を見に行っていい?」 と私が言…

有馬優
3年前
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小説『雑記帳』より。(2話①)

2話 タロットカードとシルバーグレイ①次の日、学校の帰りに課題の本を新宿で探していたら、…

有馬優
3年前
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小説『雑記帳』より。(1話②)

1話 私と鈴木さん② 「鈴木さん?」 私が小声で声をかけると、鈴木さんは人差し指を口元にあてて「静かに」と手を軽く振った。 客は男女の二人。常連ではなさそうだ。たった一つのテーブル席に座っている。 二人の間のテーブルの上の空気が、まるで火花のようにチリチリしている。良い雰囲気とはとても言えない。どうやら別れ話のようだが、男性の方が分が悪そうだ。 突然女性がグラスの水を男性にぶちまけた。水は男性の顔を直撃したが、顔をそむけただけだった。避けもしない男性の態度に、ますます

小説『雑記帳』より。(1話①)

1話 私と鈴木さん① 『雑記帳』これが十九歳の私の行きつけの珈琲店の名前だ。 二人掛けのテ…

有馬優
3年前
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