小説『犬も歩けば時代を超える』(9話目)
9話 犬千代、前世から来た人たちと。
現代名「ゼット」、戦国時代名「犬千代」の私は、幼少期頃は乳母と、少年期には爺やと過ごすことが多かった。
基本的に、戦国時代などの身分の高い女性や男性は、母親や父親として子育てにはあまり参加せず、しつけの方針に登場するにすぎなかった。
それが慣わしであり、現代でもつい近年までは古い一族などにその風習は残っていただろう。
爺やとは武術を習う頃になると、頻繁に相手をしてもらった。
もちろん指南の先生が付いて本格的に基礎から習うのだが、元気の