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PolkadotのParachain、Centrifugeについて知ろう

こんにちは、you425です。

今回はParachain紹介シリーズ第九回、Centrifugeについて書きたいと思います。

Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。

※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。


1.Centrifugeとはどんなプロジェクトか?

まず基本情報です。

Polkadotでの名称:Centrifuge($CFG)
Kusamaでの名称:Altair($AIR)

KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。

これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。

※但しCentrifugeの場合多くのParachainプロジェクトと違い、EthereumでTinlakeというDAppが先に動いているのでそちらを見ることが出来ます。

Centrifugeは実世界の資産をブロックチェーンに持ち込むDeFiインフラストラクチャです。
Centrifugeでは実世界の資産のことをRWA(Real World Assets)と呼び、Real World DeFiを普及させることを目標としています。

中~大規模VCから資金を集めており、W3Fからは2度のGrantを受け取っています。

大きな特徴としては、ベルリン投資銀行のProFITプログラムやERDF(欧州地域開発基金)から支援を受けて金融機関向けのCentrifugeサイドチェーンプロジェクトを進めていることです。
Centrifugeのノードのネットワークを利用してサイドチェーンを構築し、金融機関のためにzk-SNARKを利用した低コスト・高速スループット・秘匿性の高いブロックチェーンに組み込まれたサプライチェーンを提供します。つおい。

Maker DAOやAAVE(画像には載ってないです…)等、Ethereumの大御所Lendingとはパートナーシップは結んであるうえ、Celoのような金融包摂を目指すチェーンもエコシステムに入っているため、本気でRWAをDeFiに持ち込むために活動しているのがわかります。

2.Real World DeFi

Centrifugeは実世界の資産をオンチェーンに持ち込むことで、現実とデジタル資産を結び付けることが出来ます。

このことにより、大きく2つ解決できるポイントがあります。

・金融機関から融資を受けられない中小企業や個人に金融サービスを提供する(CeFi・TradFiのペインポイント)

通常は現実世界で融資を受けるには銀行などの金融サービスを利用することになります。しかし、誰しもがサービスを受けられるわけではありません。

大企業のような資本力があるところが優先的にサービスにアクセスし、本当に必要としている中小企業や個人では利用できないことも多いです。

また、世界中に銀行口座を持たない人たちは大勢おり、当然金融サービスを受けることは出来ません。

そこで、現実の資産をNFT化して担保にすることによりDeFiを利用して資金を調達することが出来るようになります。

金融機関が提供する閉じた金融サービスではなく、誰もが参加できるオープンな金融サービスを利用することで融資の機会を増やすことが出来ます。

DeFiであれば余計なコストを削り、24時間アクセス可能なサービスを提供可能なため、優れたソリューションとなります。

また、オンチェーン上に現実世界の資産が流れ込むことにより市場規模が爆発的に増えることになります。

・資産効率が高く清算リスクが低い担保型ステーブルコインの発行・融資(DeFi1.0のペインポイント)

Maker DAOやCompoundなど、担保型のレンディングプロトコルを利用されたことがある方にはよくわかる話だと思います。

現状、暗号資産担保型のレンディングサービスは資産効率が非常に悪くなっています。
暗号資産のボラティリティが高いため、ステーブル以外の場合担保率を150%~という形式が多いです。

担保の暴落時には清算が相次ぎ、スケーラビリティやガス代にまで影響が出ます。
5月の暴落時には大きな清算が起きたことは記憶に新しいです。

将来的にボラティリティが収まれば安定しますが、現状では暗号資産を担保にしたレンディングプロトコルには解決が難しくなっています。

そこで、現実世界の資産の様にボラティリティを低い資産を担保にしてレンディングサービスを受けられるようにすることで、この問題は解決できます。

最近流行りのDeFi2.0というやつですね。
実はCentrifugeでは4月の時点でこの言葉を出してブログ記事にしていました。さすが!

もちろん現実世界の資産だけでなく、純オンチェーンのNFT資産も将来的には担保にすることが出来るようになります。


3.Tinlake

Real World DeFiを実現するために作られたDAppがTinlakeです。
Ethereumで1年近く稼働しており、Maker DAOと統合済みです。

CentrifugeやAltair上でもこちらが稼働することになります。

左から融資先の内容、キャパシティ、プールボリューム、APYと続いて表示されます。
プールごとのAPYとは別に、CFGのAPRもつくためDAIのレンディングと考えるとかなり利率が高いことがわかります。

TVLがグラフで表示されているので、右肩上がりに増えているのが確認できますね。

通常のレンディングプロトコルと違うのは変動金利と固定金利があるところです。
ざっくり言うと、ハイリスクハイリターンの変動金利とローリスクローリターンの固定金利という融資の仕方が出来ます。
少し内容が複雑なので今回は触れません。
詳しく知りたい方はCentrifugeのブログをお読みください。


4.クラウドローンの情報

Centrifugeは12月23日からの第2バッチで参戦を表明していますが、詳細はまだ出ていませんが、Altairのクラウドローン参加者にボーナスが出ることはわかっています。

ドキュメントにあるトークンアロケーションにもクラウドローン分が出ていません。

参考までに、Altairの時の情報を見てみましょう。

・アロケーション:初期供給の18%
・配布量:400AIR/KSM
・ボーナス:
 最初の48時間以内に貢献で+10%
 リファーラル5%ずつ
 10KSM以上貢献でNFT(最初の1500人、TOP333人はレア版)
 総貢献量が150kKSMで+5%、175kKSMで+7.5%、200kKSMで+10%
・配布:最初に25%解除、残りは48週間かけてロック解除

定番のボーナス内容なので、Centrifugeでも踏襲してくると思います。


5.まとめ

ということで、今回はCentrifugeについての記事でした。

Tinlakeを利用するにしてもKYCが必要だったりと一般ユーザーには少し敷居が高いですが、それ以上にオンチェーンへの資金流入という点でかなり期待が出来ます。

現実世界の資産を担保にDAIを借りて、DeFiにアクセスできると思うとかなり面白いことになるのではないでしょうか。

まだまだ拡大には時間がかかると思いますが、将来的に大きな市場規模になることが予想できるので、注目のプロジェクトの一つだと僕は思います。

今回はここまでです、お付き合いありがとうございました。
次はParallel Financeについて記事にする予定です。
またお会いしましょう!

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