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PolkadotのParachain、Bit.Countryについて知ろう

こんにちは、you425です。

今回はParachain紹介シリーズ第十三回、Bit.Countryについて書きたいと思います。

Polkadotって何?という方はこちらをどうぞ。

※個人の解釈や感想が強めに出ますのでお気をつけください。


1.Bit.Countryとはどんなプロジェクトか?

まず基本情報です。

Polkadotでの名称:Bit.Country Metaverse Network($NUUM)
Kusamaでの名称:Bit.Country Pioneer Network($NEER)

KusamaはPolkadotのカナリアチェーンとして作られているため、Polkadotに実装前の機能を先行して実装していきます。
その為、各Parachainもそれに対応したり自分たちも実験的な機能を実装するためにKusama用にParachainを用意することが多いです。

これからPolakdotのPLOに参加するという方は、Kusama用のチェーンがどのようになっているかをチェックするといいでしょう。

Bit.Countryはマルチメタバースプラットフォームです。
誰でもメタバースを構築可能で、それぞれを相互接続することで巨大なメタバースを形成します。
一つ一つのメタバースを国とした世界を作るようなイメージでいいでしょう。
また、EVM互換のスマートコントラクトプラットフォームとしても動作します。

おそらくPolkadot界隈では最多ではないかと思えるくらいの量(金額ではなく数)のVCが出資をしています。
Animocaが入っているところを見ると、Sandboxとのコラボはかなり高い確率でありそうです。
W3Fからは2度のGrantを受け取っています。
INDUSTRY CONNECTの創設メンバーとしてThe Metaverse Career Academyを開催しているのも興味深いですね。

開発チームはニュージーランドを拠点にアジア太平洋地域、ヨーロッパやシリコンバレーからスタッフが集まっています。
Bit.CountryはAcalaとともにSubstrate Runtime Developer Academyの創設メンバーなので、確かな開発力はあると考えてよいでしょう。

Parachainのパートナーとして、Acala、Phala、Bifrost、SubDAO(現在はDApp)、Mantaがいます。
PhalaはBit.Country上でメタバースを構築するアナウンスをしています。


2.そもそもメタバースとは?

そう、そうなんです。
メタバースという言葉が独り歩きして肥大していますが、そもそもの定義が定まっていません。
DAOと同じように流行りものというのは得てしてそういうもの。

共通認識としては
・ログインしていなくても時間は流れる
・社会活動(コミュニケーション)が行える
・仮想空間
ここら辺が最低要件になっていると思います。

この最低要件から考えると、SNSというのは既にメタバースであり、ネット掲示板も同様です。

アプリケーション上で活動するアバター(アカウント)を用意し、社会活動(書き込みによるコミュニケーション)を行い、触って無い間もSNSは止まることなく動き続けます。

仮想空間は2Dや3Dというビジュアル的な話ではないと個人的に思います。
あくまでメタバースとしての表現に過ぎないでしょう。
最近メタバースとして騒がれるものが、よりリアルに近い物になっているというだけでメタバースの本質はそこではありません。

最近騒がれるようなメタバースを3Dメタバースと分けて表現することもあります。

実は僕たち、既にメタバースを利用していたのです。

さて、なんとなくメタバースのことがわかってきたところで、もう少し考えてみましょう。


WEB2.0とWEB3.0のメタバース

メタバースの概念が大体わかった気がしてきたところで、次に重要なのはメタバースとしての構造の違いです。

これは大きく、WEB2.0型WEB3.0型に分けることが出来ます。

Twitter等のSNS、これはWEB2.0型のメタバースです。
今僕が使っているこのnoteも同様に考えていいでしょう。
3Dメタバースで考えれば、限定的ですがFortniteやMinecraft、どうぶつの森等もこれに当たります。
オンラインゲームは大体メタバースと言えますね。

WEB3.0型のメタバースとしては、DecentralandやSandboxがそれにあたります。

さて、では違いは何か?
それは権利の所在です。

WEB1.0~WEB3.0の違いを簡潔に表したときに
WEB1.0:受信
WEB2.0:受信・発信
WEB3.0:受信・発信・所有
となります。

WEB3.0型のメタバースにおいて、権利の所有というのがポイントの一つになります。

WEB2.0のメタバースでは、どんなに仮想空間内で資産を作ってもそれを外に持ち出すことは出来ませんし、運営がサービスを停止すれば全てなくなります。

ところがWEB3.0のメタバースでは、ブロックチェーンを利用して構築されているため自分の資産は自分の物として所有出来ますし、仮に運営がサービスを停止しても消えることはありません。
現状はまだ集権的に運営されていますが、まだまだ開発中なのでそれは仕方ありません。
成熟すれば分散的に管理することで持続性の高いメタバースになります。

また、メタバース内の資産は外に持ち出して売買したり、データが対応していれば他のメタバースに持ち込むことも出来ます。
これがもう一つのポイントである相互運用性です。

それでは整理しましょう。


メタバースはこれだ!(仮)

【大枠】
・社会活動(コミュニケーション)が行える
・ログインしていなくても時間は流れる
・仮想空間(ビジュアルによらない)

【分類:WEB2.0型メタバース】
・メタバース内のほぼ全てがプラットフォーマーに所有権がある
・プラットフォーマーがルール

【分類:WEB3.0型メタバース】
・メタバース内の資産の所有権はユーザーにある
・相互運用性がある
・分散的な運営が行える

あくまでこれは僕の考えるメタバースの定義ですので、人それぞれだと思います。
とはいえ、概ねこの理解で通ると思っています。


3.マルチメタバース

Bit.Countryはマルチメタバースプラットフォームです。
他のメタバースとの大きな違いは、専用のチェーンを持っているため自由度の高いメタバースを構築可能です。

雰囲気はDecentralandやSandboxとかなり近いですが、通常Land Blockとして取引される区画一つ一つがそれぞれのメタバースとして機能します。

大きな四角1つ1つがメタバース

さらにLand Blockを最大100個までのUnit Blockとして区切って所有できます。

Land Blockの保有者は、それぞれ独自のガバナンスルールを作って統治できます。
独自トークン($NEERや$NUUM)を担保にソーシャルトークンを発行し、自分のLand Block専用の通貨として運用できます。
Bit.Country内でマルチメタバースが展開され、それぞれのソーシャルトークンが発行されるとDEXで取引も出来るようになるようです。

個人的にはDAOの運営に適したメタバースが作れるのではないかと思います。
SubDAOと提携してますし、そこまで視野に入れてそうですね。

土地には建築物を作れますが、$BITというトークンが必要です。
また、土地のアップグレードにも使えます。
$BITは土地を持っているとマイニングして増やすことが出来ます。
他にもキャンペーンで配られることも予定されています。


4.クリエイター収益

プレイ画面のスクリーンショット

Sandboxではマーケットプレイスに自分で作ったオブジェクトを販売することで収益を得られますが、Bit.Countryでも同様にオブジェクトやアバターを制作して販売できます。

メタバースには興味ないけど3Dモデリングは好き、という方は収益を得るチャンスかもしれません。

Bit.Countryで用意されてる簡易的なツール
もちろん外部ツールでガチでも作れます


5.クラウドローンの情報

現状、Bit.Countryのクラウドローン情報はまだありません。
先にKusama側のPioneerの起動が終わってから開始するでしょう。

現状公表されてるトークンアロケーションはこんな感じです。
総供給は10億枚で、そのうち8%の8000万枚はPioneerのクラウドローン参加者向けに販売済みで、TGE30日後に全ロック解除されます。

参考にPioneerのクラウドローンの情報を見ていきます。

報酬量は68ではなく72に変更されました

総供給:1億NEER
クラウドローンアロケーション:15%
基本報酬:72NEER/KSM
貢献上限:200,000KSM
ボーナス:
・最初の1000アカウントは+10%
・リファーラルでそれぞれ5%をそれぞれに分割
・貢献量に応じてUnit Block配布(発表時は詳細未定)
・最初の2000アカウントに14日間マイニングパワーをブーストするNFT(事後発表)
配布:
TGEで30%、残り70%を12ヵ月かけて配布

真ん中のGenesisは運営が開発、配られたUnitはKaosLandの物でクラウドローン貢献者用のちゃんぽん巨大メタバース

同じ形式でBit.Countryのクラウドローンが行われる場合、Unit BlockやNFT配布が来る可能性があります。
ボーナスやNFTが先着順の場合、瞬発力が試されますね。


6.まとめ

正直最近まで公開されているグラフィックがプロトタイプ過ぎて微妙でしたが、ここ最近で一気に進化して安心しました。

DecentralandやSandboxと似ているものの、自由度や規模感は大分変わってくると思います。
また、Parachainとして他のチェーンと相互運用できるのは楽しみなポイントです。
Centrifugeで現実の不動産を担保にメタバースで土地を買うとかなんだか面白そうですね…逆も出来ると思います。

Phalaとパートナーですので、クラウドコンピューティングを利用して快適なメタバースを提供できそうなのも良いポイント、ポテンシャルはかなり高そうです。

また、ニューラリンクを利用したメタバース体験も構想しているそうです。
そこまでいくとえらいことになりますけど、端末埋め込むのはちょっとなぁ…。

個人的には、今後たくさんのWEB3.0型のメタバースが出来て複数の空間で生活し、好みや時と場合に応じて行き来するような世界になっていくと思っています。
なので、相互運用性を持たせたメタバースこそ大事と考えます。
その辺、Bit.CountryはPolkadotのParachainですから様々な応用が出来るため期待しています。

それでは今回はここまでです、最後までお付き合い頂きありがとうございました。
次回はUnique Networkについて記事にする予定です。

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