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#1 アフタヌーンティへの誘い

みなさんは「歴史上の人物でだれが好きですか」と聞かれたら、誰の名を出しますか。ぼくは坂本龍馬が好きです。
でも、そんな王道を言っても面白くありませんよね。
だからこの質問をされたときは、「サンドイッチ伯爵」と答えるようにしています。(サンドイッチ伯爵は歴史上の人物なのかという疑問は、排水溝にでも流してください)

サンドイッチ伯爵

 サンドイッチ伯爵ってすごいですよね。ナポレオンのように革命を起こしたわけでもなく、徳川家康のように立派な制度を作ったわけでもない、ただカードゲームの片手間に食べられるものが欲しいと言って作らせただけの人です。
それでも、この逸話だけで後世まで名が残り、さらに世界中で愛される食べ物の名前にもなったわけで。羨ましい限りです。

 そもそも、「伯爵」という立派な爵位を与えられているのは、元々立派だったのか、それともサンドイッチを発明した(作ってはないと思う)功績で周りから「おお、君はすばらしい発明をした。よって伯爵の称号を与えよう」となったのか、今となってはわかりません。
どちらにせよ、自分の名が、後世でも愛される食べ物の名前になってることってすごいですよね。

 同じように逸話で後世に名を残した人物として、アンナ・マリアがいます。

アンナ・マリア


こちらは名前はあまり知られていませんが、「アフタヌーンティ」と聞けばみなさんお分かりですね。
アフタヌーンティの始まりは、18世紀にヴィクトリア女王の側近であった貴婦人アンナ・マリアが、男性陣が狩へ出かけている間にゲストの女性陣を応接間に集め、紅茶にサンドイッチやスコーン、ケーキといったティーフードを添えてもてなしたことが始まりだと言われています。
アンナ・マリア自身は歴史上何かを成し遂げた人物ではありませんが、ただのティーパーティでのおもてなしがきっかけで(こんなこと言うとアンナに引っ叩かれるか)後世まで名を残すことができるのもまたすごいですね。

 ぼくは織田信長のように歴史上何かを成し遂げて名を残すより、サンドウィッチ伯爵やアンナ・マリアのように、趣味的な部分で話題になって語り継がれるほうが人間味があっていいなと思います(またアンナに引っ叩かれそうです)。

余談ですが、サンドウィッチ伯爵の逸話には別の説があるそうです。それは、伯爵は「仕事が忙しいために片手で食べられるものが欲しい」と頼んだという説でした。
それではランチタイムの時間を惜しんで働くウォール街のビジネスマンと変わりませんね。やはりカードゲームにはまりすぎて寸暇を惜しんだことがきっかけの方が逸話としては面白い。ぐう。
こんな話をしていたらお腹が空いてきました。
だれか、ぼくと一緒にアフタヌーンティでも楽しみませんか。

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