感謝トレーニング day3-自己欺瞞

 

 その怒りを認めないのは、怒らないことではない。

 僕は怒りに振り回される。自分に余裕が無くなると攻撃的な自分が出てくるのが分かる。
 他人に優しくありたいと思いながらも、他人を見下すような自分がいることを頭の片隅で理解している。だけども、怒らなければ丸く済む。そう考えてはいた。約束をドタキャンされても仕事を押しつけられても笑って済ますことが器の大きさだと思っていた。
 今になって思うとこれは自己欺瞞でしかなかった。だからこそ、痩せ我慢は関係の崩壊に進んだ。それは親友や職場や家族に及ぶ。
 過去は変えられない。怒りは変質していく。ただ、根底にあった悲しみは変わらず残っていて古傷のように心に張り付いた。
 ならば、ならば経験から学びを得たことに感謝しよう。怒りの初期の段階で相手と話し合うのだ。でも、今までは……と言い出すのはただの一般化に過ぎない。怒りや悲しみを無関係な人間に波及させてはいけない。

 昼に松屋で牛丼を食べた。提供が早い上に店員さんが愛想よく牛丼を渡してくれた。ありがたいことだ。
 仕事でもさまざまな人が新しく知識や技術を教えてくれた。嫌々でなく親切心から教えてくれたのだ。親切心から、ということは僕が嫌われていない証左である。ここで過去に「みんなそうやって愛想良くやるよ。お世辞みたいなもの」と心ない人間に言われたものだが、そういう人間は得てして嫌われ者なので親切にされたことがないのだろうと思う。また、誰彼構わずお世辞や親切を振り撒く人間なんていないことも加味すべきだろう。道行く人に「表情が明るくて素敵」と言っている人間はナンパ師程度だろう。
 自分の怒りや悲しみから学んだのは、ネガティブなことだけではない。まだある。ポジティブな要素や人を見る目や、知識に実績に自信……。
 それと、自分に感謝をしてもいいのかもしれない。胃腸が強いことや内臓疾患がないことなどにだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?