見出し画像

縦パノラマの可能性

パノラマ写真というと、横に細長い広がりのある写真を容易に想像できると思う。かつてのバカチョンカメラ(死語?)にも、上下覆い隠しただけの拡大すればアラが見えてくるエセパノラマの機能がついていた時代もあった。

Facebook・Twitterなど昨今の縦スクロール型SNSにおいて、いわゆる横に広がるパノラマ写真は、画面の構成上小さくなってしまって、その特性を発揮できていないように感じる。

少し前から2枚の写真を縦につなげる「縦パノラマ」の可能性について調べていた。表現方法に何か可能性を感じたからだ。

「縦パノラマ」の特性はというと、自分が思うに「2枚を重ねる」ので、
1枚写真にはない魅力…複眼ともいうべき新しい視点が見えてくる。
具体的には、

(1) 1枚目も2枚目もピントは合わせているので、F16やF32まで絞り込まなくても、前景から遠景までピントが合っている写真が出来る。

(2) 朝焼けや夕焼けの時には、一般に遠景の空と前景の地面とで露出差が生じるが、ハーフNDを使わなくても、遠景・前景ともに適正露出を得ることができる。

(3) 2つの写真を組み合わせることから生じる新たな魅力が感じられる。魚眼レンズで撮るよりも、スケール感がでやすい。

先に受講した「Photoshop」セミナーで、「複数の画像つなげて表現する合成パノラマ」の操作を質問した訳だが、検索したら「Photoshop CC 2018」には、手作業ではなく、一発でパノラマ化するツールが用意されていることが分かった。

2枚をキレイにつなげるための撮影のちょっとしたコツはあるものの、期待以上の仕上がりに驚いてしまった。(写真の撮り方によっては、つなぎ目が目立ってしまうこともあるようだ。)

その作例が以下である。

(上)白とびしそうな空をF8 1/50で、
(下)黒くつぶれがちな前景をF8 1/25で撮影。
その後、コントラストを整えた(下の写真)。
焦点距離はどちらも38mm位である。

初めてトライした「縦パノラマ」だが、今後の撮影の際、予想以上に使えそうな気がする。効果的な場面に出会った時には、積極的に使っていきたい。

写真は、最後のシャッターを切る瞬間のみクローズアップされ、常に楽に撮っているものと思われがちですが、その前のプロセスにかなりの部分を割いているものです。暖かいお気持ちで、サポートいただけるご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。