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どうだっていい

君のことが好きかもしれない。そんなふうに考えてた。好きだから会いたくなるし好きだから君と二人で居たい。ところが考えれば考えるほど今度は本当に好きなのかと言う不安に襲われる。都合のいいように無理やりねじ込めているだけで実は君のことが好きなのではなく僕が君のことを好きで、君が僕を好きであれば何か紛らわせるのではないかと。さらにそんな不安をかき消すために夜な夜な誰もいない公園を探検しては一人新しい気持ちを探す。きっと君じゃなくてもいいのだろう。君と同じように僕と二人の時間、僕の体に触れるその匂い、僕が触れてもすぐには消えないその体、それが実在さえすれば僕にとってはそれが君であるか否かはもはやどうでもいいのかもしれない。「私はあなたのことを好きかもしれない」そんなふわふわとした概念が二人に漂っていればなんとなくおままごとをこなせる。誰が誰を好きとか誰が誰とやったとかほんとにどうでもいい事ばかりに気を取られ自分はまるで週刊誌を読んでいる読者にしかならないとばかり思い込んでいる。「あなたは私が好き?」そんなふうに聞かれたって僕にはわからない。ただ今は君を必要としているし君以外のことはどうでもいい。そうは言ってみたものの君ではない他人にも僕は同じ顔で同じことを言えるだろう。強がりばかりだ。ただこんな僕の気持ちも君たちにはどうでもいいだろうね。

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