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桜は誰のために咲くのか

君が蕎麦屋のかつ丼がおいしいみたいにあのロックバンドのバラードが好きだっていうから聞いてみたのに全然好きじゃなくてあの薄い歌詞とか女子高生とセックスしているところが嫌いで僕は君と会う時以外は部屋の中で蹲っているのに君はあの男に跨っていることを考えたりしてしまう。やけに明るく話す君のことも嫌いになりそうで、でも僕の根幹は君で君を否定してしまうことが僕自身のことも否定してしまうことになりそうでそんなことを考えているうちに季節が巡ってテレビではニュースキャスターが桜の開花を報道して

    • 脳内

      金木犀の散ったあと冬の冷たさは許しに似ている 先の見えない人生のトンネルを掘り進める カナリヤも仲間もいないまるでスペランカー 真っ当な人間にはなれずとも全うしたいこの生 あこがれの彼女の淀みない歩み そのなかに含まれる迷いすら想像できないまま眠れない未明 望んでいない朝日と夜に置き去りにされる頃に訪れる微睡み 記憶の中で朧げな彼女の微笑み 淡い願いは言えずに今日もまた終い 情報と超高層ビルによって狭められた青空 疾走と失踪を繰り返す思想 街角で叫ぶ陰謀論見つからない希望 社

      • 青空

        吹き出しそうになるような青空 幸せを見える形にしたような住宅街 家族連れの面々 いつだって僕の人生は泥濘 遠くかけ離れているインターネットの丁寧な暮らし 酩酊しているみたいな人生、いたってまじめなつもりだが ここまで至ってしまった責任について やりたいようにやればいい、生きたいように生きればいい ってのは実は自由によく似ただけできっと似て非なるものだ 僕以上に僕の人生を真剣に考える奴がいないなら 僕だってこの人生における責任を放棄したい 救われたい、愛されたいその抽象さが、

      桜は誰のために咲くのか