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未来につながる映画とは?~『サマーフィルムにのって』

先日、絶対見るべきと強くすすめられた映画『サマーフィルムにのって』。やはり信頼できるのは、直接の口コミです。
2年前の夏に公開されていたこの映画、知らなかったなんてもったいない!良質な、素敵な映画でした。

うまくまとまらなくても、書いておきたい、とも思わせてくれました。

映画が好きだから

主人公は、高校の映画部だけどリア充とは無縁の時代劇オタクの女の子・ハダシ(伊藤万理華)。でも心通わす友人たちがいるのは彼女の人柄と才能なのよね。というそんな設定が、映画の伏線にもなっているのですが、すぐに好きになっちゃいました。

まず、映画オタクの要素に親近感がわきます。わたしはオタクになり損ねたライト映画ファンなのですが、『座頭市』といえば。

旦那さんが昔持っていた『座頭市』の勝新太郎フィギュアより。あの座頭市を象徴するポーズ(カバー画像参照)……。わたしも一時期何本か見てハマった経験あり。当時の仕事柄、時代劇もチャンバラもたくさん見ていた時期があったので、なんかわかる!っていう共感要素が多くて単純に嬉しかったのです。

映画オタクの本人は気づいてないけど、なんてステキな青春なんだろう、って大人たちはきっとどこか懐かしいのですよね。

青春SF映画が示唆するもの

ちょっとネタバレします。
青春タイムスリップもので、未来からやってくる人がいる設定なので、「なぜやってきたか」が重要になるわけです。

脚本でも、そこに伝えたいことを集約させているのですよね。
昔のチャンバラ映画が好きな高校生が、いま自主映画を撮っていて、それが未来の映画にどうつながるか。伏線とともに、途中で明かされる未来の映画の姿に、主人公同様、わたしたちも動揺し、危機感を覚えざるをえません。

「映画って、時代を超えてつながれるからいい」といったようなセリフがあったけど……それって、この先もそう?と問題提起。

映画が日本にきてたかだか100年ちょっと。全盛期を経て、この半世紀でも大きく姿を変えてきた映画が、この先どう変わり、どう残るのか。
これってけっこう大きな問いだし、皆が心に留めておかないと、とんでもない方に流されていきかねない。

映画がなくなってしまう・・・?そんな未来、ぼくは嫌だ!(←欅坂っぽく)なんてことを、主人公に誓わせるクライマックス、最高です。

役者を好きにさせる

よい映画を観ると、演じる役者を好きになってしまいませんか?

主人公は当然としても、脇役や敵役であっても、演じる役者が素晴らしいと、結局その役もだし、演じる役者も好きになっちゃう現象。
わたしはこれが、監督の手腕だと思っています。

そういう意味で、役者好きにさせるマジックが120%発揮された映画でした。もちろん青春映画だし、悪役なんて出てこないけど、それでもどの子も好きになれるのは、観る方も演じる方もハッピーだと思うのです。

主演の伊藤万理華さんに、まず驚き。乃木坂48のメンバーだったとあとから知りました。彼女には、貫地谷しほりさんや伊藤沙里さんを初めて見つけたときの衝撃と同じものを感じた! 彼女はきっともっときますね。

メジャーではない役者さんばかりでも、そのキャスティングセンスが光るし、その輝かせ方は、やはり松本壮史監督の演出の賜物なのだろうと思いました。

そんなこんなで、久々の青春映画で気分もリフレッシュできました。

痛快爽快なザ・青春映画『サマーフィルムにのって
本格的な夏がくる前に、観てみませんか?

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