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アドバイス(情報)は大勢から。意思決定は少人数で。

なにかの物事を動かす際には『情報収集 ⇒ 判断 ⇒ 意思決定 ⇒ 行動 』のプロセスを踏みます。この各フェイズごとにやり方を間違えると、時間ばかりかかってなにも物事が進まない・・ということになりがちです。

いまの時代はとにかく様々なことの移り変わりが速いので意思決定~行動をいかに早く行うかが重要です。今日検討に入ったことが実行されるのが1年後となってしまうと、すでにその活動は時代遅れのものになっていたり、気づいたときには競合各社がすでに実行に移しており機会損失をしてしまう、という失敗は容易に起こりうることです。

今回は『情報収集 ⇒ 判断 ⇒ 意思決定 ⇒ 行動 』のプロセスごとに自分なりにやっていた(心がけていた)ことを記載したいと思います。

■情報収集:
まずは「その施策を本当に実行する意味があるのか?」「やるとすればどのように実行すべきか?」を検討するための『情報』が必要ですね。
情報は『統計情報』『調査情報』『競合他社の動向』だったり『先人たちの成功&失敗例』など様々。収集方法も書籍やネット、詳しい方々から話を聞くなど必要に応じて適切なやり方で収集していきます。

どれだけ情報を広く深く集められるかは(締切りなどの)時間との闘いになりますが、できるかぎり多くの情報を集めるにこしたことはありません。
その際に大事なのは正反対の情報も入れること。施策を進めたい気持ちが先行して『有利な情報』を集めがちですが、世の中には当然反対意見をもっている人も多いもの。このため「成功例」の情報を集めるときは「失敗例」の情報も同時に集める、「好意」をもってくれている情報を集める際には「嫌悪」の情報も集めるなどをした方が正しい判断をするための情報を収集することができるかなと。

情報は広く深く多く集めた方がいいと思いますが、その際の注意点としては『情報を集めること自体が目的にならないように』することです。情報はなにかを決断するために必要な要素であって、それ自体に意味があるものではありませんよね。ただ、情報を集めだすと意外と止め時がわからなくなることがあります。「あれもこれも必要」となってしまって、まるで情報を集めること自体が目的なんじゃないか?となってしまう失敗が起こりがちです。
このため、決断するために必要な情報はどんなものなのか?を収集する前から決めておいた方が良いと思います。そしてある程度出揃ったら収集はストップして判断~決断のフェイズに委ねる、と。

場合によっては『情報』を必要としないこともあります。
それは自社・自身において確たる信念があって外部の情報によって左右されるようなものでない場合、です。『情報』は諸刃の剣みたいなところもあって、見聞きすればするほどその情報のせいで右往左往してしまい、結果として無難な施策になってしまう可能性があります。このため、初めから外部の情報を参考にしないというのであればこのフェイズは無視しましょう。
■判断+意思決定:
情報を収集したら次は『判断+意思決定』のフェイズです。
『判断』と『意思決定』の間には『再検討~再度情報収集』などが繰り返されることがあるでしょうが、そこはここでは一旦無視(苦笑)。

『判断+意思決定』で大事なのは『目的』を明確にすることですね。当たり前のことですが『成したいこと』があるから『行動』するのですから。
実行する施策が目的に沿ったものでなければやる意味はないので、Goal地点はブラさないように常に照らし合わせながら判断~決定したいものです。

目的以外で僕が大事にしていたのは『企業文化、事業ドメインに合致しているか?』ということです。例を挙げますが、一時期D2Cdotで「もっと統制力を高めて強制的にでもやってもらうことを統一化した方が良いのではないか?」という考えがでたことがありましたが、『個性を大事にしよう(結果を出してくれるならその人ごとのやりやすいやり方でいい)』という企業文化と合致しなかったため、実施しなかったということがありました。
他にも新規事業や提供領域拡大を考える際に目的が『業績アップ』だったとして、やろうとしている事業がそれを成しえることであったとしても、自社の企業文化や事業ドメインに合致していないのであれば(自社では)やるべきではないと思いました。

そこをないがしろにしてしまったら、自分たちの存在意義を自分たちで壊していることになるし、そのような意思決定をするんだったら初めから企業文化とかビジョンとか語る資格はないな、と考えました。このため、まずは企業文化&事業ドメインと照らし合わせ、そのうえでその目的がその延長線上にある場合は実行する、という順番を大事にしました。


他に『判断+意思決定』で大事なのは極力少人数で行うこと、です。
決断にはよく合議制が用いられると思いますが、あまり人数が多いと意見の調整ばかりに時間がかかり、決断するのがどんどん遅れていきがちです。
もちろんその際は『多数決』で決めれば良いのですが、「多数決で決まったのだから反対意見だった人も従うように」と言われても、そこはやはり人間の感情なのでそんなに簡単に割り切れるものではありません(苦笑)。

最終的に決定したことの責任をとるのはトップの仕事ですね。
合議制でも全員一致ですぐに結論が決まるのであればそれがベストだと思いますが、そうでなければ(もちろん意見は広く聞くべきですが)大人数で合議をするのではなくトップが責任を伴って最後は決めるべきだと思います。

ただ、その際のトップの心得としては「自分がなんでも正しい」と思わないこと。これが行き過ぎると「なんでもかんでもトップダウンの会社」となって、誰も意見を言わなくなります。このため僕がやっていたのは、まずは自分の考えを(雑談レベルで)周囲に伝えてどのように思うかを確認。反対意見が多いようなら自分が間違っている可能性があるとして再考。・・とはいえそれでも自分の考えを遂行したいと思った場合は内容を再度説明して理解してもらってから実行に移す、という感じでした。
※失敗した場合は素直にみんなに謝罪する、というのも大事です(苦笑)。
■行動:
決断をしたら行動あるのみですね。
行動するためには事前に「誰が」「なにをどのように」「いくらで」「どのような成果を目的に」「いつまでにやるか」・・といった計画を立てる必要があります。以前も似たような内容で投稿したことがありますが、僕はこの『計画』で一番大事なのは『人選』だと思っていますので、そこはしっかり検討して行いたいところです。

上記は『企業』だけではなく『個人』の活動においても置き換えられることかなと思います。周囲からのアドバイスはできるだけ多種多様なものを広く聞き、そのなかで自分の性格や今後の展開を考えて決断。実際に行動したら結果は自分で責任をとる。

個人でも企業でも進めるフローは同じですから、今後も様々な課題に対してひとつひとつのプロセスをしっかりと機敏に進めていきたいと思います。

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