【読書メモ】職業は専業画家
※以前、ブログに描いたことがあるのでこの読書メモ読んだ方もいるかも知れません。ですが少し加筆しています。
『職業は専業画家』という本を読みました。福井 安紀さんという方の著書です。
これがとても現実的な内容の良い本で、読み返したいと思わずたくさんメモをとりました。
NFTアートを知って、いや、フリーランスでライターをしたりブログを書いていたこの数年間、こういった現実的な仕事の話から遠ざかっていたかもしれません。
世界を目指す!億り人になってFIREする!という言葉ばかり聞いていた私には新鮮でした。
ちょっと目が覚めました。
描きたい気持ちと、1円でも稼ぎたい(家族から社会人として認められたい)気持ちを天秤にかける日々において、描きたい気持ちを優先させてみようか、と思わせてくれる本でした。
以下『職業は専業画家』から引用と感想
あまりにも引用が多すぎて本が売れなくなったら申し訳ないと思いつつ、今回チェックしたポイントをまとめました。
私が思ったポイントも書いています。
専業と兼業の差
これが結構心に来ました。
私自身は美大卒でなく、ちょっと絵(イラスト)が描ける、の延長でNFTを知って、物知り顔で作品を作っているわけですが、どこまで力を入れていいのか?実力はつくのか?というのは疑問でした。
確かに専業であれば描いてる時間を十二分に確保できるわけで、兼業の方よりも時間は取れます。
この言葉には勇気をもらいました。
それと同時に葛藤があることを、あとでグチグチ書きます。
てんやわんやの生活から生まれた作品
ほんと毎日子育てがてんやわんやなわけで、落ち着いて描きたい、とは思うけどそんな待ってられんわ!と思って描いているわけです。
てんやわんやでいいんだと肯定をされた気持ちです。
これも上記と同じ流れで、今のままやるしかないなといい意味で思わせてもらえる言葉です。
先日読んだ「おかんアートの本(またいつの日か紹介します)」も「主婦は基本食卓で作業し、すぐ片付けられるような小物を手芸としてやる」的なことが書いてありました。
(例えば家を建てる時に、夫には書斎を勧め、妻にはキッチン周りを尋ねるように、現在に至っても女性には部屋を与えられないことはよくあり、文句も言いたいですがここでは止めます)
私はニトリの75センチ四方のテーブルでiPadで描くのが今の生活に一番ちょうどいい、それも肯定された気持ちでした。
作品の価格
作品のお値段について、ケーキ屋さんのバラバラの値付けか~、とちょっと感動しました。
NFTアートの世界だと、わりと均一というか、価格を上げることに躊躇するというか、クリエイターの中でもいろいろ意見や考えやテクニックが入り混じっているように見えます。
私もほとんど均一価格だったのですが、考えてみたら個人商店なわけで好きにつけていいんだなと気楽になりました。
(とはいえ経験上、安くても高くても、売れないものは売れないと体感した結果でもあります)
なのでこれからはもう少し好きに値段をつけると思います。
この中でまず把握すべきは「1年間で制作できる作品数」なんじゃないかとペンを走らせました。
「1年間」だとイマイチ不安だったので「1ヶ月」でまず考えました。
こうやって考えながら、確実にお金がもらえるクライアントワークを探したい気持ちも湧いてきて、③の販売できる作品の数の理想と現実に不安を感じるからでしょう。
(このあとのファンを作る話を読むとなるほどな~と、専業画家目指すか!と前向きになれます)
私の場合は、家事育児が仕事の主婦なので、生活費を稼がなくてもなんとかなる、これが甘えになる部分もありますが、逆に専業画家いけるんじゃないか?という希望にもなっています。
少し話は逸れますが、子どもがいる主婦がメルカリで小物販売やったりマルシェで販売する理由の1つはお金を稼ぎたいということだと思います。
「お金を少しでも稼ぐ人=生産性のある人」という風潮があって、利益が微小でも誰かに人として認められたい(主に夫や子どもなど家族)という気持ちが根底にあると思います。
とはいえメルカリ小物販売も、私のやってるようなNFTアートも、想像より稼げないと気づくとクライアントワーク、外にパートに出ようとなるわけです。
やっぱり稼げないと気持ちはすり減ります。
とはいえ、雇用されて稼ぐことで自由度が減りストレスがかかることがあるので、不安定でも自分のやりたいことで少しでも稼げたほうがいい、という考えもあるのかなと思いました。
またこの本は自己啓発本ではないのですが、読んだだけで専業画家になったような錯覚に陥っているので手は動かさないといけないですが、せっかくだから絵を描くことに専念してもいいんじゃないか?という気持ちです。
例えば月10万円をパートで稼ぐよりも、自分のやりたいことをトコトンやって月10万目指すのも1つの人生では?と思いました。
といっても、個人で仕事をする不安は著者の福井さんも語っています。
無事に軌道に乗るかはわからない不安はついてまわり、その間に「なにやってるの?」と家族にため息をつかれる居心地の悪さというのは容易に想像できます。
そこで思い出すのは、一番最初に引用した「専業と兼業の差」です。
(私は一家の大黒柱じゃないので、無責任に感じる方もいると思いますが)
今すぐに外でパートしないといけない経済状況でないのであれば、持っている時間を絵を描くことに使ってもいいのかなと思いました。
(私は個人事業主で届け出してるので、できれば早く手っ取り早く稼ぎたいですが、まあいいやという気持ちです)
作品を見てもらうこと
NFTアートを売るノウハウ的には、宣伝枠でちゃんと宣伝して、スペースで紹介して1日1回はツイートしよう!みたいなものがたくさんあります。
著者の福井さんはフィジカル作品があるので、個展を開いてお客さんを獲得しています。
個展、個展、考えたこともなかったな~おもしろそう~と事例を見て思いました。
私が作品を宣伝しているのはTwitterだけなので、狭い世界でNFTを知らない人とは出会いにくいのかなあと反省しています。。
(逆にTwitterだけで熱烈に気に入ってくださる方に出会えるというのも奇跡だなあと思っていて、感謝ですm(_ _)m)
とはいえ個展というものに行ったことないなと思って、今度ギャラリーで開催される個展というものに行ってみたいと思いました。
著者の福井さんは自然の土と石で描いていること、筆や梱包の話もなるほどと読みました。
NFTアートだけでなく、グッズも作っているのですが、他のクリエイターの方々のやり方を見て「自分の素人っぽさ」に恥ずかしさを感じることがありました。
ステッカー1つにしても、キレイな厚紙に印刷して装飾して既製品のようにすべきなのではと思っていました。
実際にクリエイターで長く活動されてる方は、私のようなズブの素人ではなく、実際に職業デザイナーだったりデザインというものに長年こだわりを持って過ごしてきたわけです。
私はデザイナーでもクリエイターでも、おしゃれな人間でもないわけで、時間とお金をいくら使ってもプロの見た目にするのは困難だということを心に留め、宣伝や作品周辺のいろいろを選択しようと思いました。
売れっ子 地下絵描き
絵が上手い人ほどAIアートと疑われるこの時代、生きた人間が描いた関わったことが重要なんじゃないかと強く思います。
NFT関連の方は私が見たらパリピで陽キャでおしゃれなので、時折、動悸がしそうな雰囲気ですが、
周りを見すぎず、夜な夜な描いて、プロから見たら素人っぽさ満載でも恥じらいすぎず作品を出し続けられたらいいなと思っています。
そして「売れっ子地下絵描き」、目指すはここだなあ感じています。
NFTアート、絵やイラストをNFTにしただけなのですが、投資の側面もあるため、自分の作品がビッグマネーを生み出すのではないかと期待をしながら始めました。
私もNFTを始めたきっかけは無名でも稼げる、海外投資家に買ってもらえる、大儲けできるといった(ゲスい)感情だったわけです。
私はNFTを通して、自分の作品が海外投資家にサクッと買ってもらえない、ボロ儲けはできないことをわかったので、「職業は専業画家」の地に足のついた内容にかなり感動しました。
家族から「パートでもすればいいじゃん、暇でしょ」と言われながらも、作品を作りたい気持ちはあって、どうしようかなと思っている日々です。
そのタイミングでこの本に出会い「わりと自分でもいけるんじゃないか?」と若干の眉唾感を感じつつも、今後の自分の生き方を考えるよい本でした。
追記 毎日の作業時間の問題
イラストレーターの作業時間に関するツイートです。
※この方の作品は「男性がシコる」ことを目的としたセンシティブな作品中心なので、あまり興味本意で見ない方がいいと思います。
『職業は専業画家』の本を読んで、どうしても釈然としなかったのが「私が専業画家になることはできないのでは」という点です。
(専業画家と名乗ればいいだけですが)
イレギュラーの多い家事育児は「専業画家としての時間が多々潰れる」「家事育児の比重が重すぎる」からです。
で、ツイートに戻りまして
イラストレーターのyapoさんは「育児と家事を妻から厳命されてる」「(おそらく)プライベートのイレギュラーな事象の対応をしなければならない」ことで専業画家としての時間が削られる、ということのようです。
これは女性だとよくあることで「夫から育児と家事を厳命されてる」「プライベートのイレギュラーな対応をする」ことで、専業画家でも作業時間は削られて、外で働いても有給休暇を取りまくり、昇進できず、満足に働けない(とかめちゃめちゃ言いたいことあるけどこれくらいにします)。
「男性はいいな~」と私なんかすぐ思っちゃいますが、男性もつよつよな男性をいいな~と思うものなんだなと、気づきました。
このイラストレーターの方も『職業は専業画家』でいえば「てんやわんやの生活から生まれた作品」を作ってるわけで、まあいいじゃないの、と思うけど
毎日自分のペースで好きなだけ練習して、たくさん作品描いて、売れるのが理想と思ってしまう気持ちもわかるな~と思いつつも、そんなの無理だって諦めは割と女性だとよくある話で。
(男性だと家事育児しないで限界まで働く人多いからしんどいでしょうね)
(あと作業時間が確実に10時間取れても、さいとうなおきさんになれる確証はない)
作業時間が削られても、今の自分の生活でできることをするしかないなって腹をくくるしかないと思いながら作品を作り続けます。
創作のための消耗品や本の購入をします。ご協力お願いしますm(_ _)m