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【読書メモ】2022年『小説すばる』4月号

図書館でメタバースの小説を探していて、全然思ってもみなかったところにあった本がこちら。

小説もいいけど専門家の対談がなかなかおもしろい。
メタバースの世界で今起こってること、今後起こりそうなことの話が「あーなるほど」と納得しました。


【対談】藤井太洋×加藤直人

藤井太洋さんはSF作家、
加藤直人さんはメタバースプラットフォームcluster(クラスター)のCEOの方です。

加藤さんがおっしゃられてた以下の言葉が印象的でした。

メタバースには「どうしようもない現実」から人間を解放する力があることです

2022年『小説すばる』4月号

私この言葉を数日前に読んだ時メモってて、そのとき何を思ったか忘れましたが、今読むとメタバースって懐の深い場所なんだなって。
「どうしようもない現実」って人によっていろんな捉え方できる。

これまでメタバースの印象は陽キャなパリピが飲み会してウェーイする場所ってイメージだったんですが、私の中ではどんどん変わってて。

(以前読んだ『メタバースとは何か?』でも思ったこと)

身体や精神、時間や場所に制約がある人でも自由になれる。

やっとそういう印象になってきました。

パリピがウェーイっていうのは、実際に人と群れたいタイプの人はリアルでもヴァーチャルでも群れたくて、そういう人口が多いんだろうなと思ってます。

ただ積極的に群れたくないけどどこかにいたいとか、
リアルだと群れられないけどメタバースなら群れられるとか、
いろんな人がいると想像できるようになりました。

cluster(クラスター)にも静かな場所がある

メタバースプラットフォームのclusterに先日入ってみました。なるほど、いろんな部屋があって、アバターを使って参加できる、と。

その中で星空の下でキャンプ道具とイスが何個も並べられた空間があって、静かな場所もあるのだとホッとしました。

こういう空間作りたいね、和室でこたつおいて・・・

とか考えつつ

しょぼいと飽きられそうだな
こたつ売ってないな
こたつ作るの大変かなとか

とりあえず今の私のキャパは超えてるので一旦想像だけしておきます。

ただまだ自分の中でメタバース世界にのめり込むほどの魅力が感じられなくて、
どういう使い方できるのかな〜ってこれからも考えたいと思います。

clusterの加藤さんの著書はこちら


【制作会議】榛見あきる

こちらもメタバースの考察で、榛見あきるさんというSF作家の方と先ほどのclusterの加藤直人さんの対談です。

メタバースの食

ここでメタバースにおける食とペットについてお話しされてました。

メタバース内で何か食べても、味とか香りが感じられるわけじゃないので(今のところ)、

例えば飲食するメンバーで同じものを食べられるように一括注文できる仕組みがあったら、というのは商売する人のヒントなんだなって。

すでにメタバースの飲み会で、みんな同じ飲み物を持ち寄って飲むとかしてるようでその延長に商売ができそう。

友人もzoom飲み会で、
今飲んでるものを画面に映して紹介し合ったりするって言ってて(うわまじでそういうパリピ脳無理)、そういう臨場感、隣にいる感が大切なんだなって思いました。

もっと先の話になれば、
3Dプリンターで食事が作れるようになったとして、設計書があれば遠隔でもおふくろの味が楽しめるとか。レシピじゃなくて設計書。

話逸れますが、ホットクックは料理より設計に近い感じがします。使ったことないけど。

そして料理を「作る」ことは意味を失いパフォーマンスになる、と。

メタバースでの食べ物はblenderで作った3Dデータとか、料理の工程はなくて完成品が出てくるわけですね。

ただ完成品だと物足りないから、例えばメイドが使ってるモーションが入るとか、調理風景が付加価値として残りそうです。

メタバースのペット

ペットも生と死のプログラムがあるとか、リアリティを持たせるためにいろんな方法がありそうです。

ただこの本で気になったのは、ペットに対しての倫理観の話で。

現実では人をペット扱いして首輪つけて歩いたりしたら避難されますが、メタバースではいいのか?

犬だけど擬人化したケモ耳の人はいいのか?

メタバースだからこその自由度が、周囲に不快感を与えないか今後問題になりそうです。

すでにTwitterでは炎上がよくあるんですが、
女性の体の一部を強調したポスターが公共の場所に貼られるのはいかがなものか?みたいな問題も出てきそうです。

私はNFTアートでメタバースを知ったので、今後倫理観はカオスになりそうだなって思ってます。

どこまでがアートでどこからがエロかという線引きは難しいのですが、
(個人的にはもう谷間が強調される萌え絵を見たくないけど、すごい多いなって思う)

リアルで炎上することはメタバースでも炎上するんだろうなって想像してます。

ただ逆にメタバースだからこそ、うまいこと細やかなゾーニングがされることを祈ります

小説すばるで、まさかこんないいメタバース対談が読めると思わなかったので感動しました。

これからもメタバース関係の本探しは続きます。

もしもおすすめの本などありましたら、ぜひコメントいただけると嬉しいですm(_ _)m


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