見出し画像

【読書メモ】NFTの教科書

NFTの本を探すと必ず出てくるのが『NFTの教科書』です。パープル系グラデーションの表紙は今どきの(インスタみたいな)印象ですよね。

分厚くて高いけれど、現在のNFTのことを広く浅く学べる本だと思います。

こちらの本はAmazonレビューが205件、星4つで高評価な人気の本です(2022年1月24日現在)。図書館でも予約が入っていてなかなか借りられません。


NFT実践マニュアルではない

Amazonのレビューにもあり、注意が必要な点が1つ。この本は「NFTを実際に運用する詳細は書いてない」ということです。

例えばNFTアートをOpenSeaに登録する方法、といった具体的な方法は書いてありません。

ですが実践的な本を求めるなら、Amazonの Kindle(Kindle Unlimitedで読み放題)の本がオススメです。

まだまだ流動的な世界なので一般書店で発売される本より、Kindleにある本の方が最新の実践テクニックがゲットできますよ!

Kindle Unlimitedは初月無料!

『NFTの教科書』は(いい意味で)広く浅くNFT世界を網羅

この本は以下の3章にわかれています。多くの人が興味を持つのは第1章でしょう。

  • 第1章 NFTビジネスの全体像

  • 第2章 NFTの法律と会計

  • 第3章 NFTの未来

ここにアートやゲーム、スポーツ、音楽などのNFTが使われる例が紹介されています。

異なる専門家が得意分野を執筆

この本は項目ごとに異なる専門家が執筆しています。その分野の最新の情報(その専門家の所属する会社のサービスを中心に)がわかります。

NFTアート分野の執筆はOpenSeaのようなサイトの日本版「Nanakuma」を運営するスマートアプリ高長徳さんという方が担当されています。

はじめに書いた通り、これを読めばすぐにNFTアートに取り組めるといった実践マニュアルではない本ですが、逆に「こんなところにもNFT」というような知識の幅が広がることは間違いありません

NFTアートといえばOpenSeaというのはNFTアートを始めたばかりの人(私)は思ってしまいます。

でもOpenSeaはアート以外の取り扱いがあります。
またOpenSea以外にもNFTアートを扱う場所はあります。自分に合うプラットフォームを探すのも大切だと思います。

複数作成したNFT作品の価値

本の中でなるほど、と思った事例に複数作成した作品の価値を紹介します。

私はファンアート(二次創作)をしてて、作品を複数作成して元作品の作者さんにプレゼントしています。

でもアーティストの方の中には1点しか作成しないことを宣伝されてる方もいます。
複数出品したら1点あたりの価値が下がるか?というとそんなことはありません。

いわゆるこれまでの実物のアートでも、版画や彫刻(ロダンの『考える人』はオリジナルがたくさんあるそうです)など複製する事例は珍しくありません。

NFTアートのおもしろい点は流通経路が記録されるので、誰が所有していたかというのも1つの価値になりそうです。
同じデータに見えて固有の番号がつくということで単なるJPEGとは違うことを実感できますね。


気になるNFTの環境問題

おもしろいと思ったのがNFTがはらむ環境問題です。環境問題というとプラゴミや水の使いすぎなどが身近ですよね。NFTの場合は『電力』です。
現在はNFT関係なく多くの企業が脱炭素化に頭を悩ませていますよね。

NFTだけでなくビットコインなどブロックチェーンの技術を維持するには多大な電力が必要です。

私達が無料でサービスを利用してるので環境問題は関係ないと思っていても、サーバーにデータを置かせてもらっていたら、やっぱり間接的に電力を使っていることになります。

電力に関してはいまやどんな分野にいても無視できなさそうです。

たとえば、ケンブリッジ大学が公表しているビットコインの消費電力に関する指標によると、ビットコインの年間推定消費電力は、82.18TWhとなっています。これは、世界国別年間消費電力量ランキングと比較してみると、世界第34位のアラブ首長国連邦と並ぶ電力消費をしていることになります(2021年8月時点)。

『NFTの教科書』より

NFTアートを少しかじってみて、アートを「とりあえず登録」することに少し罪悪感を感じました。
1つの作品をNFTにすることで環境負荷をかけるのか?と思うと登録に躊躇してしまいそうです。

ただ多くの人がNFT化することで作品と出会い、経済も回る売買の場になるわけで、環境問題で活動に制約がかかるのはおかしいと思います。

電力消費に関してもこの本にはフォローがあり、今後の技術が向上することで問題は解決に向かうだろうと書かれています(もちろんきちんとした考察つきです)。

NFTの会計については難しそう

『第2章 NFTの法律と会計』を読むと通常の法律や会計とは明らかに違いそうなことが伝わってきます。
私は法律や会計にうといのですが、とにかく違うことは伝わってきて、ザッと読むだけでも心構えができそうです。

NFT作品が売れた時の会計処理やデータについては専門的なチェックが必要になりそうです。

NFTの未来は明るい?

最後の第3章まで読むと、NFTの未来が明るいとか廃れるとかそういう問題じゃないことに気づいてきます。

知らない間に浸透していくものと思われます。それは10年前にはあまり一般的でなかったスマホゲームとか電子決済のように少しずつです。

NFTアートがら今盛り上がっているのは、仮想通貨を使ってネット上で個人が取引を進める新しさとダイレクト感、そして高額取引につながるドリーム感かなと個人的に思っています。

もう少しするとローソンのLoppiでチケットを発券するような感じで、スシローでQRコード決済をするように日常に組み込まれるのかなと想像しました。
(例えがアナログですみません)

この『NFTの教科書』はあなたの今考えるNFTの世界をより広げてくれるものと思います。

例えばOpenSeaでNFTアートを売買したけど、本当に意味あるのかな?これからどうしたらいいのかな?と思った初心者の方に特にオススメです。

ちょっとお高いですが、時々読み返すことで理解が深まると思います。何かNFT関連の本を読んでみたくなったら『NFTの教科書』は今の考えをひと回り広げてくれますよ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


創作のための消耗品や本の購入をします。ご協力お願いしますm(_ _)m