#あの選択をしたから
「2〜3日後に手術します、日にちどうしますか?」
と言われて「しません」という選択肢がなかったので手術した。
妊娠して早い段階でお腹の赤ちゃんが亡くなってしまう、稽留流産。
赤ちゃん元気かな?と意気揚々と病院に行った日のことだった。
せざるを得ない選択、選択の余地のない選択。
このことがなければ。「妊娠しても仕事はできる!」「計画大事だよ!」と若者に触れ回ったかもしれない。
この妊娠は派遣契約の終了のタイミングがピッタリあったことに満足していた。
もしかしたらSNSにテクニックを書き込んだかもしれない。初めての妊娠出産を自分の力で成功させたと自信を持って生きていただろう、か。
しかし残念ながら
あのとき手術と体調不良で数日休んだことは、今でも気持ちを暗くしている。
(それまで健康で働くことが当たり前と思っていた)
そして、手術から1ヶ月経ったあと、男性社員が朝礼で「子供が産まれました、妻が僕を父親にしてくれたことを感謝します」と述べていた。
私はそっと涙を拭き、ほどなくして契約は終了した。
手術を選ばざるを得なかった経験は、人生観も仕事観も変え、そのあと無事に子供が産まれるも、現在、である。
しがないフリーランス、しがない専業主婦。
でもこの経験は
どうしようもない状況を「まあいいか」と言える心の広さになったと信じている。
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