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宮崎吾朗監督を擁護したい

ジブリの新作映画「アーヤと魔女」が公開されています.

ジブリストとまでは思っていなかったのですが,

・ジブリ好きを名乗る人より映画の中身を記憶している

・公開1週間以内には映画を観に行く

・ジブリの舞台になったであろう場所に出かける

もしかして,自分はジブリオタクでは・・

と最近思い始めています.

「アーヤと魔女」は公開2日目に観に行きました.

2021年に観たアニメ映画としては,再上映による2回目の鑑賞も含め

・Song of The Sea

・ウルフウォーカー

・ケルトの秘密

・シン・エヴァンゲリオン

・true north

・白蛇

・漁港の肉子ちゃん

・龍とそばかすの姫

・アーヤと魔女

となります.アニメ以外も割と観ています.

現在のアニメ映画1位は「漁港の肉子ちゃん」です.最下位は・・言えないけど細田監督・・売れる要素を入れた映画と作りたい映画をごちゃまぜにしてませんか・・.

そして,アーヤと魔女の評価が・・酷すぎるのでその理由と擁護を述べたいと思っています.

1.ゲド戦記のイメージがtoo much 強すぎる

ジブリ映画は,

1)原作あり

2)原作なし(監督オリジナル)

があります.当たり前ですが.

そして,1)原作ありの場合ですが,

①原作を知って映画を観る人

②原作を知らないで映画を観る人

の2パターンに分かれると思います.当たり前ですが.

ゲド戦記はこの①と②両方から「?」という映画でした.

私は中学時代にゲド戦記の全シリーズを読むくらい熱中しており,これがジブリで映画化される!と聞いて,公開前から胸を躍らせていました.

①の原作を知った上で観たゲド戦記は・・

「ゲド戦記が原作と聞いたけど,吾郎監督はゲド戦記のカバーをつけた別の本を読んでいないか?」

「ゲド戦記を読んだことがない人に,これがゲド戦記と思われたくない」

でした.

ただ,ここで擁護1を入れると,ゲド戦記のマイナスを補って余るまではいかないのですが,手嶌葵さんという素敵な歌手が世に拡がるきっかけになったのは良かったのでは・・.

そう,そして吾郎監督は原作を知る人も知らない人からも「謎の映画を創る」という強烈過ぎる且つダイヤモンドより壊れにくいイメージを構築してしまいました.

2.コクリコ坂について

ゲド戦記の恐怖があまりに強すぎた,からのコクリコ坂です.

正直,この作品自体は悪いというものではなかったと思います.

擁護2になります,ゲド戦記でのレッテルやラベリングが強烈に働いてしまっていると思います.

この作品も宮崎駿監督や高畑勲監督がつくったと言われれば,風立ちぬやホーホケキョよりちょい下くらいの評価にはなったのではないでしょうか.

逆に風立ちぬやポニョを吾郎監督がつくったと言われれば,作品内のムズムズした矛盾が「宮崎駿監督ならではの考えがあってのこと」と観客が勝手に推測して押し込めていたものを,「矛盾がある」「描き切れていない」等の批判があらわれてしまうのではないでしょうか.

ちなみに,コクリコ坂も鑑賞したのですが,不思議なほど内容を覚えていなく,手嶌葵さんはやはり素敵だなという記憶しかないです.

目玉焼きの歌だけで素晴らしいですね.

ただ,この作品でゲド戦記のイメージを払しょくできるほどのインパクトがなかったことがアーヤへの悲運に続く気がします.

3.原作について

魔女の宅急便や耳をすませば,ハウルの城など,元々の原作をジブリが映画化している作品があります.

風の谷のナウシカも,宮崎駿監督が原作を考えていますが映画と漫画では内容が違うことは有名です.

個人的には,海が聞こえるがアニメとも原作とも繋がっており好きです.

そして,アーヤと魔女と同じ作者が書いた「ハウルの動く城」ですが,原作と映画はけっこう内容が違います(笑).

原作を読みましたが,宮崎駿監督が「動く城」を描いてみたくて,設定だけ借りたのでは?という内容です.

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの原作では,物語の伏線や内容も込み入っているものでした.

そして,アーヤと魔女の原作ですが映画と同じく「えっ?終わり?」という感じで終わっています.

作者がお亡くなりになっており未完の遺作として発表されたのでは,というコメントもいくつかありました.

私も,この作者が伏線を解消せずこんな終わり方をする書き方をする人ではないと思うので,擁護3ですが「未完の遺作」を忠実に映画化したが,原作自体が未完のため腑に落ちない内容になってしまったとういうことを挙げたいと思います.

勝手な推測ですが,作者としては12人の魔女やお母さんについても展開したかったと思いますし,アーヤが順風満帆で終わる訳ではなく,起承転結の「承」くらいで主人公がうまくいって盛り上がって「これから!」というところで終わってしまったのではないでしょうか.

ただ,ただ1つ言いたいのは,

最後の補足の方法が間違っていた

です.

ジブリは原作の内容を無視して設定だけ借りるということを多くやってきたのに,何故ここに来て原作通りにつくり,原作通りに終わるのか・・.

恐らく,ここも理解した上でエンディングではジブリらしいイラストで後日談のような物語が補足されました.

このジブリらしい絵を観た観客が,

「えっ,こっちの絵のほうがいいじゃん」

と思ってしまい,3Dの批判にも繋がってしまいました.個人的には,

エンディングでジブリらしい後日談より,物語でやってしまえばよかったのに!

アーヤは面白いのにもったいないの一言に尽きます.

そして,アーヤと魔女で原作に忠実に映画化できる手腕を見せた吾郎監督への提案が,

・シン・ゲド戦記(オリジナルに忠実で)

・偏見が酷すぎるのでペンネームで映画をつくってみる

です.

ゲド戦記の後遺症が酷すぎて酷すぎて,いっそのこと「ゲド戦記」を「ゴロ戦記」にし,シン・ゲド戦記をペンネームで作ってみてもいいのではと思いました.原作に忠実に作れば面白い作品です.

大丈夫です.エヴァンゲリオンも何回も作られていますし,時をかける少女にいたっては,色々な方が創られて作者の方も「タイトルだけ同じ」と言っているようなので.

今日もダラダラと.

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