【ART OR DEAD!!???】

「アーティ、スティック……」

なんて言葉は、今俺が見ている物には似合わないだろう。だが、俺はその言葉を漏らしてしまった。それも銃声が過ぎ去った戦場の跡地で。

逃げるタイミングも救助のヘリも逃した俺は、突如勃発したデモ隊と国家義務保護機構のやかましい交戦を、薄汚い毛布を被ってやり過ごしていた。出る事が出来たのは案外すぐだったが。国家義務保護機構のバカ火力の兵器達は、抵抗の狼煙を上げたやつらをあっさりと挽き肉に変えていった。

夕飯をハンバーグにするのはやめよう、と死体の山にかえって冷静になる。安全確認の為辺りを散策しようと家から出てきたが、自分の靴に嫌な感触を遺す結果となってしまった。生まれて初めて見る殺人の光景は、そんな感触を味わっても現実味が無いものだった。

だが、見るも無残な死体から視線を反らしたとき、見てしまった。

余りにも不相応な場所で、俺は芸術の可能性を見出してしまったんだ。


俺は血溜まりに色彩を見た。

【ART OR DEAD!!???】

[Prologue]

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