見出し画像

ポメラ日記 2020年1月22日 デニーズ、その懐の深さ

いつからが今日だろう、と午前中をねむたい頭で過ごした。

今日はぱんださんの保育園の保護者懇談会だ。
来年の進級に向けての連絡事項や、いまのクラスの様子、発達の努力目標などを分かりやすく伝えられる。
最後に「わが子自慢」というコーナーがあり、保護者が自分の子の自慢をして、それに保育士の先生がコメントをつけていく。保育士の先生のコメントが、「たしかにxxちゃんはすごくなんとかが上手で、クラスでもみんなが困っているときに…」と一人ずつの良さを認めて、その上でクラスとの関わりという社会性を示して保護者を安心させる、というフォーマットに則っており、しかも的確だ。なんらかの保育士としてのメソッドなのか、ご本人の編み出したものなのかは知らねど、並々ならぬご研鑽の結果とお見受けする。頭の下がるおもいだ。

その後教室に向かい、子どもたちが平均台を渡るのを披露されて感心していると、「保護者の方も体験してみてください」という流れになった。こういうときに、やる? やらない? みたいにチラチラするのが限りなくめんどうくさいので、よんださんを保育士さんに預かってもらって一番に渡った(保護者会にはよんださん連れでいった。おとなしい子なので文章で再現すると空気になりがちだ)。
別にこういう場面で落ちたって大して恥じゃねぇんだぜ、という背中を子どもたちに見せたかったのだが、なんなく渡れてしまった。まぁ幼児もやるアクティビティだからな。
最後にこどもたちは音楽に合わせて雑多に踊り、誰も彼もかわいいが一番高貴できよらかに輝いてかわいいのがうちの子だった。光度が高い。

それで荷物をまとめて解散…というところで保護者の一人から声をかけられる。
「これからみんなでデニーズに行こうって言ってるんですがどうですか?」
いくーー! そういう保護者会アフターっぽいの憧れてた-!!
去年四月にぱんださんが現在の保育園に転園して9ヶ月。ようやく他の親御さんたちとの交流が発生しつつある。
遅くない? とは思うが、大多数は同じ保育園のゼロ歳児クラスからの付き合いだったりするのだ・・・しかも送り迎え、働いている間はささださんが全部やってくれていたのだ…産休育休効果で交流が発生したのだけでも御の字である。

アフターははっきり言ってカオスだった。
まずデニーズまで爆走していく園児たち(先頭はなぜかぱんださん)。
入店し席に着くなりソファ席から窓の外を眺めすずなりになる園児たち。
歩くと光る靴を自慢する園児、それに対抗して自分の靴のかわいさをアピールするぱんださん。
とにかくしゃべる、動く、騒ぐ。
デニーズという「ファミリーレストラン」の懐の深さを見せてもらった。
同席してしまったほかのお客様方申し訳ありませんでした。

解散の流れになって、荷物をまとめる前にぱんださんが勝手に店の外に出た。とりあえず荷物は置いたまま、よんださんだけ抱えて慌てて追いかける。追いかけられるのがうれしくてぱんださんは走る。デニーズは二階にあるのだが、外の階段を一階まで降りて公道を爆走する。ゼロ歳児を抱っこひももなく抱えて追いかけ、捕獲し、連れ戻す。
毎日がスリルとアクションに満ちている。

磁石のおもちゃでぱんださんがうまいこと図柄を作るので、褒めそやしながら写真を撮ると、ぱんださんがやりたがる。iPhoneを渡すと、作品と、作品を作るのに使ったプラスチックの踏み台を撮った。どちらも大事なものなのだろう。


夜中、ぱんださんが寝室の暗闇で、わたしの頭をぎゅっと抱き、「かなしんで」とささやくように言う。
「これから、とおい、とおいところにいくの。おしごとだから。かなしんで、ね?」
分かったよ。いいや、ずっと分かっているよ。
口で、えーん、ぱんちゃんがいっしょにいなくてかなしいよー、と言う。親の演技の巧拙は問われない。
「もどってくるから、だいじょうぶよ、ね?」
いいや、いつか君はもどってこなくなるよ。
あるいは、わたしが戻ってこれなくなる。
あと早く寝て。

その夜よんださんは、連れ回されてベビーカーや抱っこで爆走されて刺激が強すぎたのか、ささいな刺激で泣いてなかなか寝付かなかった。
おつかれさまでした(寝かしたささださんも)。

サポートいただくと元気が出ますし、本をためらいなく買う後押しになります。でもお気持ちが一番うれしいです。