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【天鳳】ヒラリーステップ奮闘記 後編【麻雀】

 長らく続いたヒラリーステップもついに13戦目に突入。正直、ここまで試合数がかさむとは思ってもみなかった。

 ヒラリーステップは3500~4000ptのとても狭い区間。天鳳のpt配分的にラスを引けば一瞬で陥落するし、ラスがないならすぐに天鳳位になる。

 ちょうど天鳳位間近のところでラスを引かされ、焦らされている感じがもどかしい。

 とはいえ、もとより厳しい十段坂。私の実力を考えると、幸運抜きで維持できる段位ではない。ここで戦えているということ自体、奇跡に近いのだ。

 ここは素直に、ヒラリーステップの地で打てる喜びを噛みしめよう。


麻雀用BGMを選ぶコツ

 今回は自戦記にいく前に、少し音楽の話をしたいと思います。興味ない方は飛ばしてもらっても大丈夫です。

 皆さん、天鳳を打つときにBGMは流していますでしょうか?

 人によっては集中力が削がれると言って、無音で打つ方もいますね。

 僕は以前、こんなツイートをしました。

 時間って、辛いことをしている時は長く感じて、楽しいことをしてるときは短く感じます。

 ムダヅモの時間は辛いです。停滞した時を過ごすのは中々にしんどい。この感覚は、時計を見て1分間秒針を見つめてみるとわかります。結構辛いですよね。

 そんな時、BGMがあるとBGMを聞くことで辛い時間を楽しい時間に変換できます。試合中のメンタルケアにいいんですよね、BGM。


 ただ、BGMなら何でもいいかって言われるとそれも違いますので、麻雀に適したBGMとそうでないBGMを発表していきます。

 まず、ツイートにも書きましたが東方原曲ならびに、ゲームの戦闘曲とかはお勧めできます。

 これは何故かというと、単純に集中力が増すからですね。特に東方は弾幕シューティングゲームですので、集中を乱すようなBGMにはなっていません。

 戦闘曲もしかり。RPGで白熱のボス戦を戦っている時、わき目もふらずに画面に集中した経験はありませんか?あの状態に持っていければ最高ですね。


 ほのぼの系BGMを流す人もいます。ですが、麻雀は勝負事なので、勝負の雰囲気に合わない曲を選んでしまうと思考が緩んでしまう可能性があります。

 とはいえこれは人を選ぶところで、ほのぼのした曲を聴くことで長く集中を維持できるという人もいますので、自分がどちらなのか把握してから聞くのが良いでしょう。


 歌詞のある曲は微妙な感じがします。歌詞というのは言葉です。言葉は情報として強いので、頭に入ってきてしまい集中を乱される可能性が高いです。

 ただし、歌詞のある曲全てがだめというわけではありません。

 例外として、自分が歌詞を暗記してるくらい何度も聞いた曲なら大丈夫です。

 それほど聞いた曲の歌詞は言葉ではなく音として耳に入ってくるので、歌詞のないBGMと同じような扱いをしてしまって大丈夫ということです。


 絶対に避けた方が良いのはアニソンメドレーです。特にサビメドレーは最悪ですね。

 アニソンというのは、歌詞+何のアニメの曲かという情報があります。

 曲を聞くと歌詞を頭に入れるのと同時に、そのアニメのことも考えてしまうということになり、脳のリソースを持っていかれてしまいます。

 サビメドレーでは曲の移り変わりが早いので、脳の半分くらいBGMに持っていかれてしまう可能性がります。


 BGMを流す目的はあくまでメンタルケアですので、そこをはき違えないように。

 好きな音楽は、麻雀が終わってから好きなだけ楽しみましょう。

 今回の記事では、試合ごとにその時流していたBGMの紹介もしていきたいと思います。


13戦目(3710/4000)

使用BGM『【ポケモン剣盾】作業用BGM 「戦闘 ジムリーダー」一時間耐久【ポケモンソードシールド】Battle! (Gym Leader) Pokémon Sword & Shield Music』

 この日はポケモン剣盾のジムリーダー戦BGMでスタート。大観衆に見られている雰囲気を感じながら戦いの場へ。


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 1pポンからスタート。上手くいけばトイトイもある。トイトイダッシュだ!

 トイトイダッシュは流石に遠いんじゃないか?そんなことは分かっている。だからこそ……


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 切るのは9m。1sはドラ引き、9pは上家の現物で残す格好。トイトイダッシュなら重なりやすい9mは切らないよね。

 トイトイはメインではなく、うまくいったときだけ。そんなことをしなくても、赤5pにくっつけて、ドラ引きすれば3900クラスは見込める。

 3444mの三面張があるため、東さえ鳴けてしまえば和了りやすいというのも仕掛けた要素の一つだ。


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 な、なんかよくわからなくなってきた……(´・ω・`)

 これは4m切りか?その後25mのチーテンを取ると、フリテンで東が和了れないことだけ注意。

 

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 グハッ。

 グダグダの後放銃。こういう事もあるとはいえ、前途多難だぁ……

 

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 東3局。先制リーチに追いついた。待ちをどうするか?


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 ここは3s南のシャンポンをチョイス。

 カン2sとシャンポンはどちらが良い待ちなのか?

 ちらっと場を見てみると、ソーズの下がほとんど切れていない。2sも3sもかなり手の内で使われていそうだ。

 ならばここは場1の南期待。頼む~~~~


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 アッハイ 


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 じり貧のラス目で迎えた南3局。ここから6s切り。

 もちろんメインは純チャン三色だが、4p6pを引いてのピンズのイッツーもあるため、両天秤に。

 求、打点。


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 この仕掛けは微妙か。3900を和了っても、どうせオーラスにもう一度和了らなくてはラス回避できない。


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 上家から7m。チーすればテンパイだが、打ち出す4pが対面の親にキツイ。

 普通の状況なら3900あるので勝負しても良いとは思うが、今回は自分の和了りの価値が下がっている状況。

 これでは放銃のリスクに見合わないと判断し、スルー。じゃあなんで8p仕掛けたんだ……という微妙な気持ちになってきた。


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 和了りの価値は低いが、形テンの価値は高い。

 3900を和了るとラス目と点差が3900詰まって残り1局。

 一方、対面と2人聴牌で流局するとラス目と点差が3000詰まって残り2局。

 なんなら、下手に和了るより聴牌料で詰めていった方が良いまである。和了りより聴牌の方が偉いなんて、変な状況だ。


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 1人聴牌で流局。4000詰めてオーラスへ。 


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 オーラスに誰でも和了れる手が入ってくれた。

 リーヅモ表裏裏。満貫ツモは……どこまでいく?3着か?


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 西 入


 これがあったな……天鳳の秘境、西場。誰かが30000点を超えるまで続くサドンデスゲームだ。

 配牌は良い。だが、役役の2900では条件を満たさないので、ドラの8sを使いたいところ。


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 使えた。

 通常時であればホンイツからの跳満ルートを見てマンズのペンチャン払いとしたいところ。

 しかし、今はそんな高打点は必要ない。ダイレクトのペンチャンを逃したら激痛だ。というわけで5s切り。

 必要打点によって切る牌は変わってくる。


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 もうなりふり構っていられない。和了ればトップなんじゃ!


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 最も嫌なラス目からのリーチ。押し引きをどうするか。

 当然、ラス目に放銃すればラスが見えてくるものの、跳満までなら厳しいながらゲームは続行する。

 放銃しなくても、ツモられてしまえばラス落ちだ。

 その点、こちらは和了りトップ。となれば、明確に押し有利となる。どんなに危険な牌でも押すぞ!と、心構えをしておこう。


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 大願成就。一牌も押すことなくトップを獲得。

 これで残り200pt。

 最後の試練へ、挑戦の時は刻一刻と近づいている。


14戦目(3800/4000)

使用BGM『100分耐久【ダンガンロンパ】議論 -HEAT UP-

 推理ゲームのBGMというのは、中々に集中力を高めてくれる。特にダンガンロンパは疾走感もあり頭を使った戦いというのを表現していておすすめだ。


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 東場はラッキーな満貫和了等もあり、微差ながらトップ目で南入。

 結論から書こう。この半荘は、これ以降1度も和了ることはできなかった。

 だが、和了れずとも出来る事はたくさんある。今回は、そういった細かい技術を紹介していけたらと思う。


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 自分の手はゴミな中、2件に仕掛けが入る。こういう時は、どうするべきか?


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 この局面は、完全に絞りに徹した。

 ラス目の親の連荘、競っている対面の和了、どちらが嫌か?

 まぁどちらも嫌なんだけど、どちらかというと親の和了の方がめんどくさい。

 自身がトップ目なので、局数を無駄に増やされるのは勘弁願いたい。

 連対位置にいる分には自身のラスの可能性がないので安定した戦い方が出来るが、3着以下に落ちてしまった場合デリケートな振る舞いが要求される。

 なるべく連対状態を保ちつつ、局数を減らしていくのが上位の戦い方だ。


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 2枚目の6pがなんと刺さる。局回しの技術とは……?

 しかし、ここで6pを処理しておかないと後々安パイに困る恐れがある。終盤は2件に対して受けなければならない。

 微妙な結果になったが、上位同士で局を回せる分には、まあいいだろう。それほど親の連荘は嫌なのだ。


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 南2局。上家から白が出るが、これはスル―。

 序盤ならまだしも、8巡目で0面子。いくら安パイ気味の東があるとはいえ、こんなのを鳴いていたら命がいくつあっても足りやしない。

 ましてやトップと僅差の2着目。過剰なリスクは避けて当然。


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 この局は、対面が聴牌勝負で下家に5200の放銃。ラッキー。


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 南3局、下家からリーチ。1発目の1mを押すかどうか?

 通常時であれば満貫が見込めるこの手で押すことになんら問題はない。しかし、ラス前トップ目は話が別だ。


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 下家が和了ってくれればトップ目でオーラスを迎えられる。放銃すればラスの危険がある位置まで落とされる可能性もある。

 ここは寸分のリスクすら追うべきではない。


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 対面が聴牌勝負でまたしても5200放銃。これはかなり良いムード。これでノーテンOKのオーラスを迎えることが出来た。

 風が吹いているだろうか?

 吹いていないさ、室内だもの。


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 オーラス。ターツ落としの選択は……?


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 7sの対子落としに決定。平和になる可能性と、西が今後安パイになるという事。そして、下家に7sを鳴いてもらいたいという理由からである。


 下家の7sチーは2つの意味で良い展開を生み出す。

 まず1つは、当然下家が和了ればトップ終了だということ。

 そしてもう1つは、このチーによって競っている対面がかなり降りやすくなるということ。

 対面は、トップは欲しいが2着でもよしとする場面。

 だが、黙って見ていると逆転される可能性があるので攻めてくる可能性もある。

 しかし、このチーによって対面は降りていれば2着濃厚な局面となった。ドラの1sが見えており、仕掛けが満貫の可能性がかなり減ったからだ。

 さらに、対面は下家に3900放銃すると3着落ち。かなり降りる事が予想されるのではないか。


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 想定通り対面は降り。そして下家の和了りで決着。この展開を作るためにも、1牌鳴かせることが非常に重要な局面だった。

 ちなみに差し込みまでする必要はない。対面が降りてるからね。

 というわけで2連勝!天鳳位まで残り110pt!


天鳳位間近の心境

 というわけで、ヒラリーステップ10戦ぶりに戻ってきたマジック2。前回はプレッシャーで押しつぶされそうになった。

 当然、今回もきつい心理状態になると思っていたが……

 実はこの時、意外にもプレッシャーはほとんど感じていなかった。

 というのも、この時私は1日1戦ペースで対局に臨んでいた。

 つまり、前回のマジック2からヒラリーステップに約10日間いる事になる。

 まあ、要するに……慣れてしまったのだ。この空気に。

 ヒラリーステップと例えてはいるが、はたから見ればただ家でネット麻雀を打っているだけである。

 現実のヒラリーステップのように、酸素が薄いなんてこともない。辛い環境は全て、プレッシャーが作り出した幻影なのだ。

 この空気にさえ慣れてしまった今、もう何も怖くない。


昇段時間近の戦略

 ここからは、1日1戦ということはしないつもりでいた。

 昇天戦はかなりの注目を浴びる試合だけに、その日のうちに決着させたいという気持ちが強かったためだ。

 というわけで、昇天戦の戦い方をあらかじめ決めておく必要がある。

 戦い方というのは打ち方の話ではなく、どの卓で昇天戦を行うかということだ。

 普通に鳳南打って昇天すればいいんじゃないの?という意見もあるだろうが、それは若干非効率な選択となる。

 例えば昇天まで残り20ptとなった時、鳳南を打ってめでたくトップを取ったとしよう。

 その時は90ptを獲得できるわけだが、必要なのは20ptなので70pt余ることになる。

 この余ったptで商品券でも貰えるならいいが、残念ながらそうではない。余りptは捨てられてしまうのだ。

 たった20ptのためにラスで180pt引かれる勝負は、言葉を選ばずに言うとリスクを無駄負いするだけのクソゲーだ。

 こういうクソゲーを回避するためには、ptの余りが極力出ないようにするのがポイントとなる。

 私たちに選択可能なのはこの4つの卓。


特上卓東風戦
(1位+50pt 2位+20pt 3位±0 4位-120pt)

特上卓東南戦
(1位+75pt 2位+30pt 3位±0 4位-180pt)

鳳凰卓東風戦
(1位+60pt 2位+30pt 3位±0 4位-120pt)

鳳凰卓東南戦
(1位+90pt 2位+45pt 3位±0 4位-180pt)


 卓のレベル的に特上卓はラス率が低く、pt配分的に東風はラス時に引かれるptが低いのが特徴となる。

 では、どうやって110ptを稼ぐのが最も効率が良いか。

 とりあえず、次に打つのは鳳南で確定。それ以外の卓だと2着の場合に特南トップ条件が生まれないためだ。

 ではそこからのルートを考えると……


【仮定】どうやって110ptを稼ぐか? ()内は獲得ポイント

鳳南1着(90)→特東連帯条件

鳳南2着(45)→特南1着(120) 余り10ptで昇天!

鳳南2着(45)→特南2着(75)→特東1着(125) 余り15ptで昇天!

鳳南2着(45)→特南2着(75)→特東2着(95)→特東連帯条件


 こういう感じになる。

 これをあらかじめ把握しておくのが大切だ。昇天戦になって、卓選びの計算に脳のリソースを割きたくはない。

 

 え?真の強者は昇天戦も鳳南で決めるもの?

 まあそういう考えもあっていいだろう。鳳南で昇天したほうがカッコいいのは確かだ。過去にも鳳南で昇天した人はいる。

 でも私は、今まで勝つ確率を最大限高めるために麻雀を打ってきたのに、最後の最後だけカッコよさを重視するのには抵抗を感じてしまう。

 最後まで効率を重視する。それが私の流儀。


 ちなみに豆知識だが、十段配分で鳳南だけを打つと、必ず昇天戦は特上卓を使うことになる。

 昇天戦は鳳南で決めたいけど、効率もロスしたくないという人は、先に特上卓を1戦打っておくのがおススメだ。 


15戦目(3890/4000)

使用BGM『TRPG用BGM ボス戦 煉獄庭園『最期のレクイエム』

 最終決戦には、煉獄庭園さんのフリーBGMを使用。フリーゲームRPGのボス戦とかでよく使われていて、独特の雰囲気がカッコいい。


 さあやるぞ、と気合をいれた東1局。配牌を開けてみると……


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 なんじゃこりゃwww

 とんでもない配牌だけに、扱いが難しい。

 まず目につくのはやはりトイトイ系。三色同刻まであるが、5ってどうなのよ?大三元よりムズイぞそんなの。

 とりあえず面子手と対子手の両天秤で進めていく。鳴くのは……5pだけにしよう。

 打点が高いとはいえ、ラスト1枚でドラ表示牌の5p受けが残った仕掛けは苦しい。


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 分岐点。七対子にいくならぜひ残したい1枚切れの北を引いてきた。

 両天秤なら8p切りという手もあるが、9pの受けまで消してしまうといよいよ面子手は厳しくなる。

 持ち時間のほとんどを使って出した答えは……


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