【麻雀】雀魂屈指のお祭り企画。取れ高バッチリのあの試合を振り返る【にじさんじ最強雀士決定戦 観戦記編】
おはようございます、ヨーテルです。
某ウィルスの影響で麻雀界隈もかなりおとなしくなってしまった今日この頃、全国数千万人の麻雀ファンの皆様はいかがお過ごしでしょうか。
麻雀界最大のイベントMリーグのファイナルも延期となり、お店を閉めざるを得ない麻雀店も続出しているため、麻雀ロスになっている方も多いかと思われます。
そんな中、Mリーグに負けずとも劣らないといえるほどのビッグイベントが開催されました。それが、にじさんじ最強雀士決定戦です。なんじゃそりゃとなる方も多いと思うので、軽く概要を。
大会概要
バーチャルYouTuber(以下Vtuber)というものは、既に一般に認知されるほど知れ渡っていると思われます。個人でやっている方もいますが、大体の有名な方は事務所に所属して活動していることが多いです。
その中でも日本最大手のVtuber事務所がにじさんじであり、調べたところ所属人数は100人くらいいるそうな。すげー。
これは、そんなにじさんじに所属するVtuberが44人も参加した大規模麻雀大会なのであります。
この大会は、オンライン麻雀ゲーム雀魂を運営するYoster主催の元、にじさんじ所属・舞元啓介さんのチャンネルにて全ての試合が配信されました。
僕は全編通してリアルタイムで視聴できたので、その中から最も盛り上がったであろう試合を伝えたく、観戦記を書いてみようかと思った次第でございます。皆様、最後までお付き合いいただけると幸いです。
※ この大会は全編通して初心者がわいわい楽しく麻雀をやる大会なので、麻雀の技術について詳しく言及するようなことは致しません。その辺をご了承の上お読みいただけると幸いです。
観戦記
今回取り上げるのは、準決勝A卓で行われた試合。予選は既に終了し、準決勝は予選を勝ち抜いた12名3卓で開催。決勝に勝ち上がれるのは
・各卓1位
・各卓2位の中で、最も点棒を持っていた者
の4名。基本トップを取らなければ勝ち上がれないが、2位抜けも可能性があるので、場合によってはそこを目指すことにもなるだろう。
早速対局を見ていこう。まずは対局者の紹介から。起家から順に
叶さん 『雀魂ネーム:叶@Vtuber)』
https://www.youtube.com/channel/UCspv01oxUFf_MTSipURRhkA?sub_confirmation=1
樋口楓さん 『雀魂ネーム:でろ氏』
https://www.youtube.com/channel/UCsg-YqdqQ-KFF0LNk23BY4A?sub_confirmation=1
リゼ・ヘルエスタさん 『雀魂ネーム:リゼ(・8・)』 https://www.youtube.com/channel/UCZ1xuCK1kNmn5RzPYIZop3w?sub_confirmation=1
不破湊さん 『雀魂ネーム:嶺上開花不破』
https://www.youtube.com/channel/UC6wvdADTJ88OfIbJYIpAaDA?sub_confirmation=1
の4名。
(対局画像は本大会主催、舞元啓介さんの配信画面より)
場面は南3局3本場。現在親番のリゼさんがアガって連荘したところ。もう既にそこそこの点差が付いてしまっている。
軽く状況を説明すると、ラス親の不破さんはオーラスの親を活かせば逆転可能。しかし、親のない叶さん、樋口さんは少々厳しい。満貫~跳満クラスの手を連続でアガって届くかどうか。
追い上げる側にとっては、次の1局がいよいよ正念場。しかし……
ずるい。親番のリゼさんが5巡目にしてこのイーシャンテン。受け入れは14種もあるので、これはいわゆる太平洋より広いイーシャンテンというやつか。
さらにそのどれを引いても三面張になり、赤赤で打点も十分というおまけ付き。
これが聴牌しないなんてことはありえない。即座に4sを引いて聴牌。当然即リーチだ。
このリーチを受けた3人は何とかしてこれをかわしたいが……
2着目の不破さんから5pがこぼれて12000の3本場。
勝負あった。そう思わせるにはあまりにも強烈な一撃。これでリゼさんは全員と40000点差をつけ独走態勢に。
だが、これこそがこの日最高の取れ高を生み出した、奇跡の序章だったのである。
南3局4本場。配牌は全員極めて平凡か。40000点差を返す奇跡の影はまだ見えない。
6巡経過。親のリゼさんがとんでもなく良いツモをしている。これはさらに点差が広がってしまいそうだ。
ここでまたリゼさんが満貫でもアガろうものなら6万点弱の差をつけての連荘。これは本当に決定打であり、そうなってしまえば追いつくのは不可能に近いだろう。
しかし、この卓にそんな単純なストーリーは用意されていなかった。
13巡目、親のリゼさんには有効牌が入らず、その隙を突いた樋口さんがカン4mをチーしてチンイツ赤ドラを聴牌。このままアガれば跳満。
しかしいやまて、跳満程度では焼け石に水。現状37500点も差があるのだ。これをアガっても24300差でオーラスを迎える事になり、これでも役満クラスが必要。
これではまだ逆転にきっかけにはならないか。しかしここから、樋口さんの手はさらなる進化を遂げる。
1mの大ミンカンでドラをのせ倍満にランクアップ。その後3mをツモって7m切り。待ちを1-4,3m(1mはカラ)へと変化させる。
直後の4mツモは、歯車がかみ合ったとしか言いようがないだろう。
樋口楓、トップ目からの倍満直撃!37500あった差は、たった1局で3100まで縮まった。
そして場面は白熱のオーラスへ……
まずは叶さんが七対子赤赤を聴牌。しかしリーチはかけず。
すると、トップ目のリゼさんがこの5sを打ってしまう!叶さんがこれをアガれば叶さんは3着のままだが、1着2着が入れ替わり樋口さんの勝ちあがりとなる。まさかの逆転劇かと思われたが……
なんと叶さん、この5sをアガらず!これには実況席も大盛り上がり。
ここから叶さんは七対子から大三元へと狙いをシフト。奇跡の逆転勝利を狙いにいった。試合後のインタビューで叶さんは
「考えられる限り最も高い手を狙いにいった」
と回答。現実的に中を3枚引くというのは厳しく、このままノーテンで終わってしまった。
おそらく、逆転条件など正確に把握できてはいなかっただろう。
しかし、叶さんが最後まで勝利を目指して打ってなければ、私はこの試合を記事に書いていない。
「敗者が勝者を作る」とは勝負ごとの世界ではよく言われるが、この試合はまさしくそれを体現したような試合であった。
オーラスの展開はというと、もつれにもつれリゼさん以外の3者が鳴きを2つ入れている状態と、緊張感の高まる場面となっていた。
実際に聴牌してるのは形式聴牌の樋口さんのみ。しかし、受けるリゼさんは苦しい。放銃が許されない局面で、かなりのプレッシャーがかかっていただろう。
ここから降りに回り、最終的にはノーテンで終了。
ラス親の不破さんも聴牌が取れず、ノーテン終了。樋口さんの一人聴牌で流局となる。その結果……
なんと、ノーテン罰符で入れ替わり!決勝勝ちあがりは樋口楓さんとなった。
この場面だが、実況解説が場を盛り上げるために本当にいい喋りをしてくれていた。是非、一番下のリンクから、本放送のアーカイブをご覧頂ければと思う。
対局者への総括
4位終了、不破湊さん。
この記事ではあまり取り上げることができませんでしたが、防御面での強さが光ったと解説陣からも絶賛されていました。
初心者が多いこの大会で、そこを褒められるというのはとても素晴らしい事です。また、そういうプレイヤーがいるからこそ、麻雀というゲームはより一層面白くなるものです。本当にお疲れさまでした。
3位終了、叶さん。
点棒がなくなってからは苦しい展開が続きましたが、それでも何とか高い手を作ろうとする姿勢に感動させられました。
雀歴は浅いそうですが、大会に向けてきちんと練習してきたことは打牌から伝わってきます。最高の試合を見せていただき、ありがとうございました。
2位終了、リゼ・ヘルエスタさん。
彼女、大会の次の日に麻雀配信をしたんですが、そこで「その日は解説を聞く元気もなかった。とても悔しい」と語っていました。そしてその配信では、30分以上かけてリスナーと一緒に最後の2局を振り返っていたんですね。
牌譜検討の結果、「押し引きがだめだった。ラス前は降りてよくて、点差が詰まったオーラスこそ押すべきだった」と結論を出しました。
僕は1麻雀プレイヤーとして、この一連の行動をしてくれたことがとても嬉しかったですね。
負けを悔しいと思える、負けたままにせず対局を振りかえられる、そして結論を出す。これが出来る人は麻雀のセンスがめちゃくちゃあります。リゼさんが今後麻雀を続けるかはわかりませんが、続けるならば絶対に強くなれるでしょう。保証します。
そして1位終了、樋口楓さん。
決勝進出、おめでとうございます!強かった!
絶望的かと思えた点差からの倍満直撃。勝負所でああいう手が入る人には星がありますね。いわゆる「持っている」というやつで、配信者にとってこれほど大事なことはありません。
実は麻雀プロの中にも、こういう人がいます。黒沢咲プロというんですけど。気になった方は検索してみてください。いい意味でバケモンみたいな麻雀動画が山ほど出てくるので。
今回の樋口さんの麻雀は、そんなトッププロをも彷彿とさせてくれる、素晴らしい麻雀でした。決勝の戦いにも期待がかかります。
最後に
本記事では、予選11卓+準決勝3卓の中から、特別に盛り上がった1試合のみを取り上げましたが、他の卓も多くの見どころに恵まれ、非常に内容の濃い戦いが繰り広げられました。
放送時間は全編通して14時間と長いですが、全て見る価値のある大会だったと感じました。この記事で興味がわいたという方は、是非画面下のリンクより視聴してみてください。
僕は1麻雀プレイヤーとして、この大会を視聴して得た物が沢山ありました。それは次の記事にでも書きたいと思います。
それでは皆様、ごきげんよう。良い麻雀ライフを。
配信リンク
予選A~E卓
予選F~K卓
準決勝
決勝
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