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スリランカから帰ってきて。

2020年2月。冬の日本から常夏のスリランカへ。

行き先は「Sunshinestories」という14人しか泊まれない小さな宿。
空港から電車で4時間以上と、お世辞にもアクセスがいいという場所ではない。

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↓こちらがホームページ
https://sunshinestories.com

↓インスタグラム
https://www.instagram.com/sunshinestories/

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高層ビルやどでかく開発されたリゾート施設は無く、主な道路は1本だけで、地元の人で溢れたバスやトゥクトゥク、昔からあるであろう市場や商店、石造りのシンプルな家々。
そして道路を挟んですぐに、サーフィンができる大きくて透明度抜群の海(実は到着するまでインド洋の真珠と呼ばれている事を知らなかった。。ウミガメも泳いでた!)と自然に生えたであろうヤシの木々。

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1週間単位でしか予約を受け付けておらず、サーフィンとヨガが中心の生活を大まかに決まったスケジュールをみんなで過ごしていく。

1週間もまとまった期間を世界中からきた赤の他人と過ごす事ってなかなかないよな、と内心ドキドキしていた。宮崎に引っ越してから1回も英語を話さなかったのもあるけれど。。


そして、この辺りはハワイやバリのような外国資本の開発はされておらず、ここにはまだ地元の人間の生活がしっかりあった。そういう場所にSunshinestoriesがあることが嬉しいし、この宿はちゃんとローカルの彼らと溶け合っている。

(道に迷えば「 Sunshine!」と言うと皆笑顔で案内してくれ、僕は運がいいことに逆ヒッチハイクされて彼らの自宅でカレーランチに招待してもらった。)



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一回宮崎に話は戻ります。

夏の終わりに手紙と企画書を家主さんに送るところから始めた物件交渉は、順調に進んでいた。内見もして、「ああ、やっぱりここはいいな」と素直に感じた。なんといっても広い庭と光、風通しの良さが魅力だった。
売買ではあるが、是非君に使っていただきたいとお言葉をいただいた。金額も想定よりもかなり安くしていただいて、余ったお金はやりたかった太陽光発電に回せるな、と考えていた。結構本気になって契約寸前までいった。
敷地内や内装のレイアウト、家具やサーフィン用具のセレクトなんかも考え始めたりもした。


でも、やっぱりどんなに「ここだ!」と思ったものも縁のないものは不思議と決まらないようになっている。

後日、不動産屋さんからあの物件が旅館業法の許可が下りない(=宿泊業として年間の営業ができない)土地に立地していることがわかったと連絡があった。

民泊として年間の半分の営業にする選択肢もあった。不動産屋さんは何度も「不動産業者として抜けてはならない事です。私が最初に確認しておくべきことでした。。」とおっしゃっていたが、その時、農業委員会からの開発許可がいつまで経っても審議中だったり、気になっていた水道や地盤の資料がなかなか出てこなかったりで、契約がズルズル延びてしまっていた。
盛り上がっていた頭が少し冷静になれた。

その数週間後、新型コロナウイルスが中国で発生。
ここじゃない。今じゃない、ってことなんかな。

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で、物件探しもゼロスタートに戻った状態で向かったスリランカ 。

作りたい宿がはっきりと見えていて、それに1番近いものがこのSunshinestoriesだった。そんなところが地球上にあるならどこだって行こうと思い、予約ページを開く。知ってはいたがなかなかお高いお値段。。

(7泊8日、無い日もあるが朝昼夕食付、サーフィン&ヨガレッスン付、ドミトリーで約16万円!1泊2万円ちょい。。ドミなのに。。)ちなみにスリランカの平均月収は4〜5万円。

大学生の時は1泊数百円のボロ宿に泊まり、3ユーロのバス代ケチって1時間歩いて、バケットとパスタで飢えを凌ぎ、特に行き先を決めない旅の仕方をしていたけど、今は行きたい場所がはっきりとある。ここは勝負やろ。坂本龍馬だって自分の足で歩いて情報集めたやん、と訳のわからない開き直りで予約を済ませる。
フライト合わせて20万円強のお買い物。明日の晩ご飯、パスタに決定。


そうして滞在したSunshinestoriesだった。

この時集まったゲストはカナダからの大学教授1人、スウェーデンからの裁判員1人、シンガポールからのシェフが1人、オーストラリアとフランスからのカップルが1組ずつ。
みんな、誰もが知っている大都市に住んでいる人たちだった。
どうやってここを知ったのかと聞くと、友人の勧めと、インスタグラムでここを知った、の2つ。そう、ここは一切広告をしていない。

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1日のスケジュールはこんな感じ。
朝6時からヨガで体を覚まし、朝食はコーヒー、フルーツとグラノーラ。
その後すぐサーフィンに出かけ、たっぷりとコーチに教えてもらった後はスリランカカレーの昼食。
午後はサーフィンの座学から個々のライディングを録画したビデオで個別にアドバイス。
空き時間は読書をするもよし。自転車でゆるっと観光やもう1ラウンドサーフィンに行くもよし。Wi-Fi完備なのでパソコンで仕事もできる。
夜になると一緒にテーブルを囲んでわいわいディナー。やっぱり会話は弾んでいく。
朝日と共に起きて、1日中自然と遊んでいるので心地いい眠気が9時くらいにはやってくる。


1日、また1日と似たような日を過ごしていくが、同じ日は2度とない。

サーフィン、ヨガ、食を通じて日に日にみんなの表情が変わっていった。

都市部の喧騒から離れた彼らは少しのことでイライラせず、少しのことに幸せを見いだしていく。リゾートホテルで過ごすラグジュアリーな感覚とは違う、心の潤され方がここにはある。

確信した。僕がやりたいことは間違ってない。

やっぱり自然の近くに身を置くと、何か角が取れていくかのように人は変わる。かつ、それが受動的ではなく自ら体験するものだと尚早いし、永続的なものになる。

きっと、彼らは都市に帰っても、この場所での経験をきっかけにずっと続けていくものがあるだろう。

それは地元のものが中心の健康的な食事であったり、お金の使い道や買う物の変化だったり、少しの手間を愛おしむ心の豊かさだったり、自然に対する考え方だったり、人や自分に優しくなったり。

こんな毎日をみんなに、特に都会で働く人たちに過ごしてほしいと思った。
そうすれば、世界はもっと平和になる。

ただ、同時に思ったこともある。

物件が決まらないと伝えたいことがあっても伝えられない、そのもどかしさを宮崎に来てずっと抱えてきた。なんだか、宿をやります!って大口叩いたまま物件が決まらず何年も過ぎていくんじゃないかって不安が頭に残る日もあった。

僕の伝えたいことは宿を通してでしか伝えることは出来ないのか。

初めて宿以外にも方法はあるんじゃないだろうか、と考えた。


スリランカで、Sunshinestoriesで自然が側にある暮らしがどれだけ豊かか改めて知れた。
サーフィンのある生活、そしてサーフィンに付随してくるものがどれだけ人生に豊かさを与えてくれるか、改めて確信した。
そう。僕はサーフィンだけが好きなんじゃなく、その周りについてくるものが好きなんだ。
海に行く道中の景色や海の空気、開放感、沖から見た陸の景色やその時々で変わる無防備な自然の美しさ、海上りのコーヒーや食事の美味しさ、etc。

自然から学ぶこの豊かさを、今伝えたい。

物件が決まるまで、宿ができるまで少しでも力をつけたい。
お客さんを迎える場所が今ないなら、自分が迎えに行けばいい。


そう思って、話の展開が急ではありますが、今は下の写真のようなトラックを作ろうとしています。

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始めようとしていることは、これら小屋をのせたトラック(キャンピングカー)のレンタカーサービスと、
僕が都市部に住む人達を乗せて連れていく、日帰りの1day サーフリトリート。

レンタルでは行き先は各々が行きたいところに、流れに身をまかせる時間を楽しむように。最低限のギアと自然の中で過ごす豊かな時間を。(もちろん車は安全安心の装備で!) 

1day サーフリトリートに関しては、朝6時に東京で集合して、8時には海に到着、サーフィンレッスン。海上りは挽きたてのコーヒーと前日に仕込んでおいたスイーツを。帰り道に地元の定食屋さんに寄ったり、そのまま直帰したりで昼過ぎには東京に到着。
振り返るとBackpackers' Japanで働いていた時に、スタッフ向けにこんなことよくやってたなーって思い出した。
これに関してはビジネス度外視で、ワクワク100%。なんでトラックでしかも小屋が載ってるんだという点に関しても、僕がワクワクするから。笑
(※小屋には人は乗せません)
あと、まだ決めてないけど宮崎以外に拠点を作るかもしれません。
ちなみに上の写真のトラックは3人乗りで、6人乗りのタイプもある。

↓6人乗りタイプ

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少しでも快適に過ごしてもらうならやっぱり6人乗りですかね、みなさん?笑


僕はサーフィンで飯を食っていけるほど上手くないし、本当にまだまだ下手くそでこの世界や歴史についてペーペーだという自覚はある。
ただ、コンテストで賞金を稼ぎスポンサーをつけていくのもひとつの道で、サーフィンを通じてあらゆるものへのリスペクトや豊かさ、自然との共存を伝える生き方もひとつの道。
そして、僕はこの後者になりたい。


海ではローカルとの問題や混雑時のトラブルなどがあるが、僕は人にも自然にもリスペクトのある人、波の取り合いじゃなくて手を取り合える人が増えれば、もっと海が開いて、自然と優しい社会になるんじゃないか。というか、そういう人を増やしていくサーフィンじゃないと意味がない。そのために僕がクリアしていく課題は山のようにあるのだけれど。


今は世界的に楽な時期じゃないけれど、来たるべき時に向けて、今できる事を、やりたい事をやっていこう。


最後にみなさま、トラックに関してのご意見、お待ちしております。笑
こいつやっぱりバカだな〜とか、アホなことやってんな〜とか言って見守っていただきたいです。笑
加えて、いいトラック余ってるよ!とか、こんなやり方もあるんじゃない?とか、車検はこうしろ!とか、ツリーハウスビルダーの人いるよ!など教えていただけると大変嬉しいです。。(BJには山ほどいそうですが。。笑)

それでは次に会う時まで、どうかStay Safe & Stay Healthyで!

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