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建築しか見ない旅 静岡編

差し迫った三連休。

もしくは、
お盆どこもいかなかったけど、思いつきでどっか行こうか、

みたいな時、行きがちなのかな、静岡。
適度な距離だし、箱根や軽井沢みたいにベタでもない。

虎視眈々と行くタイミングを狙っていたが、今回会社での視察が入ったので、静岡編を投稿する。

とても素敵なのは新幹線で1時間な上に、見たい建築がいくつかあり、それもコンパクトにまとまっていることだ。

今回採集したのはこちら↓
グランシップ 磯崎新
草薙体育館 内藤廣
清水文化会館 槇文彦
駿府教会 西沢大良
芹沢銈介記念館 白井晟一
計5つだ。

残念ながら時間とエリアが噛み合わず、坂さんの逆さ富士は見ることができなかった。

東京8時半の新幹線に乗り、9時半に静岡駅。
そこから鈍行で一駅のところにグランシップはある。
駅前広場のようにしてグランシップ広場なあるので東静岡駅から徒歩3分ほど。

グランシップは事前に連絡を入れ、ホール内部から、楽屋、大道具から調整室までアテンドを予約し、たっぷり2時間コースで見学した。
グランシップの大ホールは、なんと言えばよいか、なんとも経験したことがない異空間だった。

とにかく縦にでかい。高い。
ホールというか体育館と言った方が近い。

コンサートは流石にやることは無いけれど、音楽祭などは毎年やっているようだ。
アリーナ部分は完全にフラットで、メインステージが格納されているピットに、空気式の可動座席が格納されている。
照明、キャットウォークレベルより上に4階席がある。
ステージが見える見えないという考え方はもはや無い。

アリーナから4階席のレベルから、まるまるそれをもう一個分くらいの高さに天井がある。
アリーナからはその空間の大きさを見上げない限り認識できない。
何故それが必要だったのか、全く理解出来ないが、その縦方向の長さを活かした、ダイナミックな音響反射板の可動機構はカッコよかった。
音響反射板は膜構造で作られていて、音楽祭をやる時は下ろしてくる。
通常時は垂直にしまわれてる。
しかしこれを最後に動かしたのはいつかと聞くと、担当の方は「。。。」というリアクションだった。
たっぷり大ホールを見た後、コンペンションホールの方へ回った。
船底天井で吊られたコンペンションホールがあるホワイエはなかなかカッコ良い。

そして駅に戻りタクシーを捕まえ、草薙体育館へ。
10分程度で着くので、四人で行ったので一人で 300円くらいで行けちゃう。
内藤廣。
コレをやりました!と言える強いディテールが1つ必ずある姿勢が僕はとても好きだ。

アリーナ部分の柱頭で免震をする事で、屋根の構造と縁を切り、メンバーを細くしている。
細くスレンダーに、ルーバーとして、ランダムに、と言った最近の趣向とは異なり、単一ディテールによる美しさ、しっかりと物質感を纏う素材の存在感。
アリーナ客席の楕円と屋根構造の楕円のジオメトリが異なる事で単一ディテールでも視線によって木集成材が違う見え方をしてくる。
素敵でした。
続いてこれまたタクシーで15分ほど、槇事務所の清水文化会館マリナート。

駅のまん前、港のまん前に面する敷地は気持ちのいいこといいこと。
有名なブルーとピンクレッドのアンティゴスタッコのヴォリュームが浮かんだアトリウムは駅前広場側に面している。
青ヴォリュームが大ホール、赤ヴォリュームが中ホールと分節されていて、それを取り巻くのがアトリウムという図式。
スロープ、階段と連なってポケットラウンジのようなものが配され、海を眺めたり、広場を眺めたり、とにかく明るい空間だった。
しかし駅前広場があまりにも閑散としたただの平面、と言った感じなのでそれが少し寂しかった印象だった。
そこから電車で静岡駅に向かい、徒歩にて駿府教会へ。
訪れてみると、あらま、閉まっている、ガビーン。
だがここで止まるようなタマではない。
裏側の住宅ヴォリュームらしき方にインターホンがあるのでピンポン。
そしたらとても感じのいい神父の方が出られて(この時完全にオフで爽やかな青ポロシャツで登場)、是非見ていってください!とわざわざ開けてくれた。
とても繊細。光の射す方向に対して徐々に溶けて行くような壁面。
壁と天井のエッジに勝ち負けが無いのが境界面を消す働きをしていて広がりを感じた。

そこからタクシーにて10分ほどで芹沢銈介記念館。
写真撮影禁止なのが残念。

中庭を作る、囲い込むようなヴォリュームの配置で、中庭には池があるのだけど、完膚なきまでに池が見える開口はカーテンで閉ざされてる。日光はアウチらしい。

以上5つの建築をスピーディに見終え、16:00の新幹線で東京へ戻り、東陽町へ戻り、パソコンを付け、その日の仕事に就いた。スピーディ。
エリアがまとまっているので非常にコンパクトで見易い。
タクシーが使えればなおラクになるので複数人で行くと便利。

次回は逆さ富士を拝めるように計画したいと思う。
いじょ。
#建築 #建築旅 #建築旅行 #旅行 #静岡

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