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ナメが好きだという話

ナメ沢が好きだ。
沢登り自体好きだが、特にナメが多い沢が大好きだ。大滝登攀やゴルジュよりもナメに沢の魅力を感じる。

これは特に何の実りのない話になると思うが、私はナメが大好きなので他の人にも存分に見てほしくて投稿することにした。

まずはナメとは何か知ってくれ

「ナメ」という言葉を沢登りをはじめた時から当たり前のように使っていたので専門用語だと思っていなかった。
先日、山を登らない友人からナメって何?と聞かれて、ナメが一般的に使わない言葉だと気が付いた。

ナメとは、一枚岩?を穏やかに滑るように水が流れる沢の形状のことだ、たぶん。
専門家ではないので詳しいことは分からないけど、多分「滑らか」の「なめ」からきてるんだと思う。

一度ナメを知ってしまうとナメ以外の表し方が分からなくなるので、ナメナメ〜って感じだからナメって言うんだよと友人には答えてしまった。
馬鹿みたいな答えだがナメはナメなのだ。
もし沢漫画なるものがあればナメ沢には「ナメ〜」という擬音語が入ると思う。

こういうのがナメだ。

どうだ、ナメ〜としているだろう。


そもそも普通の沢はどんな感じなんだ!?と聞かれたらこんな感じだ。

平凡な沢はそれはそれでまた良い。普段こういうところで写真を撮らないので平凡な沢の写真を見つけるのに苦労した。


ナメの何が良いのか

私はあまり泳ぎが得意ではない。息継ぎが上手く出来なくて沈みかけの犬かきしか出来ない。
だから泳ぎの少ない沢を選んで沢登りをしていたので自然とナメ沢に行き着いた。

ナメの良さはギャップだと思う。
人はギャップには抗えない良さを感じてしまうものだ。

平凡な沢が唐突にナメた穏やかな景色になる。
そのギャップにやられてしまう。

入渓地点付近は平凡な沢。
しばらく行くと滝がある。
滝を越えた先にナメが広がっている。

この3枚は同じ沢の写真だ。
滝を超えると唐突にナメが広がり景色が変わる。辺りも開けて明るくなった。
こうなると思わず声が出る。
すごい景色だ。あの沢の向こうにこんな景色が広がっていたなんて思いもしない。
いや、本当のことを言うとトポで滝の上にナメがあることは知っていた。それでもやっぱりこの景色の変わりようには驚き感動してしまうのだ。

それにナメは音も良い。
岩肌を滑るように水が流れるからサァァァと心地良い音がする。
これまでバジャバシャダダダダダとすごい沢の音がしていたのが嘘みたいにサァァァという音だけが響く。
そこを歩くとピシャピシャと音がして気持ちがいい。
自分の足に水が跳ね返るのを見るのに夢中になってしまう。
滑らかな沢の真ん中に立つと自分がここに特別に来てしまったんだと感じる。

何より自然にこの滑らかな形状の沢になったことに感動する。
人が整備した訳でもないのに真っ平らで凹凸のないナメに出会うとその自然の神秘に感動して立ち尽くしてしまう。
自然はすごい。

ナメは辺りが開けている場合が多い。
急に明るくなり一面にナメが広がっていることがある。そうするとまるで天国にきてしまったのかと思う。
よく沢の本でナメの美しさを表すのに「天国」という言葉が使われている。天国的なナメとか天国に続くナメとか。
天国って使いたくなる気持ちがものすごくよく分かる。
自然に存在するとは思えないほど神秘的な美しさなのだ。


とにかく私のナメ写真を見てくれ

小規模ながら美しいナメ
素晴らしいナメを見ると寝転んでしまう(背中がとても冷たい)
まるで天に繋がるようにどこまでも続くナメ
水の綺麗な沢のナメ
増水したナメ
ものすごく増水したナメを歩いている
草むらの中に現れたナメ
四国のナメ
段々のナメ
これは立派はナメ滝
緑の苔の生えた美しいのナメ
開放的なナメ
舗装道路と見間違うほど整ったナメ
あまりの美しいナメに立ち尽くす



だけどナメの良さは写真に映らない

たくさん写真を載せたが、実はこれらの写真はナメの良さを半分も表現していない。
ナメは素晴らしく美しいがその美しさを写真に撮るのはとても難しいのだ。

滝は特に写真が上手でもない自分が撮ってもそこそこ立派に美しく撮れる。
だけどナメは違う。ただの平らな川の写真になり、何が何だかよく分からない。

あの素晴らしさは写真に収まりきれない。
それが残念なところだ。
ナメの美しさは現地じゃないと100%味わえない。
だから皆ナメに行ってくれ。

私はそんなにたくさん沢に行っている方じゃない。
ナメで有名な沢もまだ行っていないところがたくさんある、行きたい沢だらけだ。

もうそろそろ今年の沢シーズンが終わってしまう。さよなら、今年の沢。
来年はもっとたくさん沢に行けますように!

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