台南紀行(3)サイクリングと遊覧船で自然を満喫。そして台南市長を訪問!
これまで台南のグルメや歴史、近年人気の観光スポットなどを紹介してきた。最後に取り上げたいのは、自然を感じるアクティビティーについてである。
台江国家公園のサイクリングと、絶景の「緑のトンネル」
台南の市街中心部は交通量も多いが、安平など海側へ行くと、のどかな風景が広がる。この自然豊かな土地でのサイクリングは気持ちがいい。
そこで、街の至るところに設置されているシェアバイクを活用してみよう。気軽に自転車に乗れて、とても便利だ。
台南市民の足となっているのが、YouBikeというシェアバイク。もちろん観光にも、サイクリングにも使える。EasyCardを使って簡単にレンタルできる。
今回は試しにセブンイレブン(街のどこにでもある!)でEasyCardを買い、100元をチャージした。通常のカードだけでなく、キーホルダーのような形状のものもある。好きなデザインを選べるので、スヌーピーの柄をセレクト。
EasyCardはSuicaみたいなものだから、鉄道、地下鉄、バス、タクシー、コンビニ、スーパー、ドラックストアなど、いろんな場面で利用できて便利である。次回の訪問時にも使えるので、ひとつ持っていても損はないだろう。台北をはじめ、ほかの都市でも使える。
この日まず訪れたのは、安平区の北に位置する「台江国家公園遊客中心」という場所。台江国家公園は、台湾に全部で10箇所ある国立公園のひとつ。「遊客中心」はビジターセンターのことだ。このビジターセンターの前に、YouBikeのレンタルステーションがある。
ハンドル中央部分のボタンを押して、EasyCardをタッチすると、すぐに自転車に乗れた。この場所から河岸沿いにサイクリングロード「水岸緑道」が北に続いている。
全長は約2.2kmと短いので、景色を眺めながらのんびり走っても20分ほどで着いてしまう。田園風景の中を走れて気持ち良かった。
「四草大衆廟」という大きな廟が見えてきたら、そこが終点。廟の向かいにまたYouBikeのレンタルステーションがあるので、ここで返却できる。
わずか10元(約46円)という安さに驚いてしまった。4時間以内であれば30分ごとに10元(約46円)という料金設定。都内で利用しているドコモバイクシェアは30分165円だから、台湾のが全然安い。
さて、見どころはここからだ。実は「四草緑色隧道(緑のトンネル)」という人気の観光スポットがあり、そこへ行くための船乗り場が四草大衆廟の隣にある。
窓口でチケット(200元)を買い、ライフジャケットを着け、編み笠を被る。そして定員30人程度の船に乗って、樹齢50年以上のマングローブが生い茂る全長約800メートルの水路を進んでいく。
最初は青空が見えていたが、途中から上部もマングローブ原生林に囲まれ、まさに「緑のトンネル」にふさわしい光景だった。
遊覧中は様々な種類のカニが観察できた。このエリアにはクロツラヘラサギやゴイサギなどの鳥や、トビハゼなどの魚も生息しているそう。
熱帯の大自然に癒され、約30分のクルーズを満喫できた。
またこのあと、近くにある「安平堤頂自行車道」も走ることができた。
「塩水渓」という川に沿って続くサイクリングロードで、今度は自転車で「緑のトンネル」をくぐり抜けるような感覚だった。
終着地は「観夕平台」という浜辺で、夕日の美しいスポットとして知られている。海を見られて、達成感が得られた。
海外でサイクリングというとハードルが高く感じられるかもしれないが、YouBikeは日本のママチャリと変わらないし、自転車専用道も日本以上に整備されているので、簡単に楽しめる。風を感じて気持ちが良いので、興味があればぜひチャレンジしてみてほしい。
黃偉哲台南市長を訪問!
最終日、台南市政府(台南市役所のこと)を訪問し、台南市長の黃偉哲さんと面会する貴重な機会に恵まれた。
過去に台湾を一周した経験や、今回台江国家公園をサイクリングした経験が伝わると、「ぜひ次回はほかのサイクリングコースも走ってみてください」と3つおすすめのルートを教えてくださった。
ひとつは、台湾歴史博物館から奇美博物館までつながっている「雙博物館車道(黄金海岸観光車道)」。2つ目は、「生命の樹」のモニュメントも通る「将軍渓自転車道」、そして3つ目は、新化老街を通る「新化自転車道」。
ぼくは1920年代からのバロック建築の家並みが残る「新化老街」の景色にとりわけ心惹かれた。次回は新化自転車道をサイクリングして、この街並みを見てみたい。
さらに黃市長は、麻豆文旦や東山珈琲など、台南の名産品についてもたくさん教えてくださり、最後にはお土産セットもくださった。パッケージがかわいらしいパイナップルやグァバのドライフルーツのほか、椪餅(ポンビン)という、中が空洞になっている台南の伝統的な郷土菓子も入っていた。
また、ぼくはコーヒーが好きなので、台南市の東山区でコーヒー栽培が行われていることに強い興味を抱いた。調べてみると、台南はコーヒーベルトの内側に含まれていた。農園の近くには東山珈琲を楽しめるカフェもあるようだ。次回はぜひともこのエリアを訪れて、日本では滅多にお目にかかれない台湾産のコーヒーを味わってみたい。
驚いたことに、その日のうちに今回の台南訪問や黃市長との面会の様子が、様々なメディアに取り上げられていた。
翌日には、台湾の新聞「中華日報」にも掲載されたようだ。良い思い出になった。
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3日間と短い滞在ではあったが、グルメ、歴史、新スポット、自然と、台南の奥深さを知れた。そしてまだまだ味わうべきもの、訪れるべきスポットが無数に眠っていることもわかった。また次の訪問が楽しみだ。
2泊した「クラウンプラザ台南」も、快適で素晴らしいホテルだった。部屋の広さだけでなく、畳のある和室や、大きなバスタブにも驚かされた。
窓からは安平を一望でき、遠くには台南中心部のビル群も見えた。朝日が昇る明け方はとくに美しい景色だった。
個人的にはここの朝食のビュッフェが気に入って、1時間近くいてしまった。様々な料理を食べたが、とくに牛肉湯はおいしく、またすぐにでも食べたいくらいだ。
台南市長の黃偉哲さんをはじめ、現地でお世話になった関係者の皆様、とりわけKayさんとGraceさんに感謝いたします。多謝!
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