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かっこいい生き方

フリーランスは収入が不安定だから、定期的にいただけるお仕事はとてもありがたいものだ。一社だけに依存すると、急に契約解除となったときに収入がガタ落ちするので、リスクヘッジということで、何社かとの関係に分散して仕事をするよう心がけてきた。この一年間も、常に3〜4社との継続案件があり、プラスアルファで個人でのライター向けのコンサルを行ってきた。

しかしこの春、継続でいただいてきたお仕事を、自分の気持ちと向き合いながら、ひとつひとつ整理していっている。不安定になることを承知で、迷いながらも。

とくに先週、6月からの年間契約の大きなお仕事のオファーをいただいたときは、悩んだ。それを受ければ、仕事と収入の安定はほぼ約束されるからだ。

だが昨日、結局辞退してしまった。

「また旅に出たり、作家として自分が書きたいものを書くための行動に集中したいと考えています。仕事も非常に不安定になりますし、うまくいくかどうかもわかりませんが、今はチャレンジしてみたい気持ちがあるので......」

これで覚悟が決まった。すき家で泣きながら牛丼を食べていた。

なぜ涙が出るのかわからない。怖いからなのか、未知の可能性にワクワクするからなのか。色々な感情が入り混じっていた。どちらかといえば不安の方が大きい気もする。

そもそも具体的に「これをやりたい」というのが決まっているわけではない。ただ直感的に、進むべき方向性だけはわかっている。そんな漠然とした感じである。

自分の書きたいものを書いて、それで食べていけるライター、自分を売り物にできるライターは世の中にひと握りしかいない。作家の世界の厳しさは、重々承知している。

自分が、書きたいもので食べていける作家になれるどうかはわからないし、可能性は低いかもしれない。でも少しでも信じられるだけで幸運なことだし、それならば後悔のないよう、やるだけやってみたい。

安定よりも、本心に従うことを選んだ。後悔のないように。

クライアントも「中村さんらしいと思います。頑張ってくださいね!」と応援してくれた。感謝しかない。

現在Nスタやワイドスクランブルなど、テレビのコメンテーターとしても活躍する五輪メダリストの田中ウルヴェ京さんと11年前にお会いした際、

「他人のために、自分の好きなことをする」

という話をいただいた。すごく印象に残り、以来、ぼくの座右の銘のひとつとなっている。

自分の好きなことを追求することで、(自分を犠牲にして他人のために何かをするよりも、)実は最も他者に貢献できる形となる。そういう意味だと思っている。好きなことをしていればそれでちゃんと他人のためになるはずなのだ。

10代のときに「将来こうなりたい」はいくらでも言えるのだが、30過ぎるとなかなか言いづらくなってくる。いつまでも純粋な好奇心、欲求だけに従って生きることは簡単ではない。人間関係や世間の目、いろいろなものを気にしてしまう。

抗いたい。たとえ失敗したとしても、かっこいい生き方をしたい。自分の心に素直に従う生き方を。

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