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大阪〜博多600km徒歩の旅(22)山口県山口市〜宇部市

大阪から博多へ 山陽道600km徒歩の旅
第22ステージ
山口県防府市〜山口県山口市(28km)

ラジオとテレビに出演した興奮もあって、昨夜は文章を書くのに時間がかかってしまい、深夜1時半まで作業をしていた。

しかしそれでも終わらなかったため、今朝は6時半に起きてまた更新していた。睡眠時間は5時間弱。

そんな生活で、さすがに無理が祟ったのだろう。ぼくはこのあと、強い喉の痛みと身体のダルさに苦しめられることになった。おそらく睡眠不足や蓄積した疲労により、免疫力が低下してしまっていたのだと思う。山陽道も終わりに差し掛かっているというのに、ここにきて最大の試練が訪れた。

*****

22日目だから、旅は4週目に突入。宿の朝食を取り、10時に新山口駅をスタートする。この時点ではまだ、何の異変もなかった。

「新山口駅から国道2号線で南下。そして岡屋ICから国道190号線に入り、宇部新川を目指します」

そうXに投稿した直後、電話が鳴った。前日のラジオ、エフエム山口「COZINESS」でご一緒した大和さんからだった。

「御礼のご連絡が遅くなってしまってごめんなさい。それで、今たまたまあなたの投稿を見てお電話したんだけど、岡屋ICまでの国道2号線は車専用で歩ける道じゃないから、335号線で嘉川方面へ向かって、嘉川駅の先の『幸の橋』交差点で左に曲がるといいわよ。そしたら、岡屋まで安全に行けて、そのまま国道190号線に入れるから」

そのように、わざわざご親切に伝えてくださったのだ。まさに国道2号線に入ろうとしていたところだったから、非常に助かった。さらに大和さんは、宇部周辺のおすすめ情報まで教えてくださった。宇部ラーメンもいいけど、「どんどん」のうどんもぜひ食べてほしいとか、宇部が誇る「ときわ公園」はいいわよ〜ぜひ寄ってみてとか。たくさんの情報、ありがとうございました!

嘉川駅周辺で、西国街道(旧山陽道)の道標を見つけた。西国街道もここを通っていたんだな。

岡屋から国道190号線に入った。

当初は、宇部は通らずに、山陽小野田まで最短ルートで行くコースを考えていた。しかしそのルートは山を突っ切っていく道で、歩くのにはやや不安かつ、途中の町も少ない。

せっかくラジオやテレビに出られたことだし、宇部線に沿って190号線を南下した方が、道は安全だし、車通りも多いからもしかしたら運転中に、「あの歩いてる人、昨日ラジオorテレビに出てた人だ」と一瞬でも思ってくれる方がいるかもしれないなと期待した。もちろん、さすがに声をかけてくれる方は滅多にいないだろうけど。

しばらく南下していると、左側にローソンがあった。そのローソンを通過した直後のことだった。

「プップッ」とクラクションが鳴った。

振り向くと、横を走る車のドライバーが、ぼくに手を振っている。

ローソンの駐車場で落ち合うと、この辺りにお住まいの方だった(Bさんと呼ぶことにする)。Bさんは、3年前に出演した「奇跡体験!アンビリバボー」でぼくのことを知り、以来フォローしてくださっていたとのこと。昨日のラジオも聴いてくださったそうで、「すごく良かったです」と嬉しい感想を言ってくれた。

そんな彼が、カロリーメイトやポカリスウェット、ゼリー飲料など、差し入れをくださった。

御礼を伝えて別れようとすると、

「もしよかったら、少し一緒に歩いてもいいですか?」と言う。

「そしたら、ここから5km先の『どんどん』っていううどん屋さんに行くつもりなので、そこまでご一緒にどうですか? 5km歩けそうですか?」
「ぜひ行きましょう。普段からランニングしているので、5kmくらい大丈夫です」
「でも、車はどうするんですか?」
「ここに置いていきます」
「え、また5km戻ってくるんですか?」
「ええ。なんとでもなりますよ。また歩いてもいいし、タクシーを呼んでもいいし、最悪ヒッチハイクでも(笑)」

Bさんはぼくよりも10歳ほど年上の男性なのだが、聞けば、学生時代にヒッチハイクで旅をしたこともあるそうだ。

そんな彼と仕事や旅などの話題で雑談しながら、1時間ほどかけて5kmを歩いた。

「自分も海外のスタッフと仕事で交流することがあったので、中村さんのアンビリバボーを観たときは、涙が出ました」

そんな嬉しいこともおっしゃってくださった。

やがて、念願の山口名物「どんどん」へ。徳山の「ゆめタウン」で見かけて以来、気になっていたのだ。

大和さんからお勧めされた「肉天うどん」を注文すると、Bさんがご馳走してくださった。

「どんどん」のうどんはネギがかけ放題。そして肉天うどんはかなりおいしかった。

食べ終わり、Bさんと別れた。ぼくは宇部方面に歩き、彼は来た道をまた5km歩いてローソンに戻った。

ぼくは昨日のラジオの放送を、radikoのアプリで聴きながら歩いた。「ラジオの前のみなさん、最近歩いていますか?」という大和さんの語りかけのタイミングで顔を上げたら、道の向かいに「アルク」というスーパーがあった。意味はないが奇跡的なことである。

Bさんと別れて1時間半ほど経った頃、車に乗った彼がもう一度歩いているぼくを捕まえた。そして今買ってきたばかりだという人気のスイーツをプレゼントしてくれた。

「パティスリーケンジ」の宇部ダイヤ(黒)である。

“炭都・宇部市近代化の原動力は、黒ダイヤと呼ばれる石炭。 この石炭をイメージした宝石のようなお菓子。 しっとりと濃厚な生チョコレート焼きです。”(お店のHPより)

その場でひとついただいた。非常においしいお菓子だった。

Bさんからはいろいろと差し入れをいただいたのだけど、まだホテルまでは6kmほどあったため、「今持つと重いですよね。帰り道なので、差し入れはホテルのフロントに預けておきますね」と言って、車でビューンと去っていった。神。Bさんはぼくと会うために、会社の休みを取られていたとのことだった。本当にありがとうございました!

宇部の美しい空に感動していると、大和さんから教えてもらった「ときわ公園」に着いた。とにかく広大な公園。森と大きな湖があって、まるでフィンランドに来たかのような癒しの景色だった。気持ち良さそうにランニングしている人たちがいる。

屋外アートが点在するエリアには、全長約7メートルの「ロンギヌスの槍」というものがあった。これは、エヴァンゲリオンに登場する槍だそう。

山口県宇部市は、エヴァンゲリオンを手がけた庵野秀明さんの出身地。そこで、宇部を代表する企業のひとつであるUBEグループの「株式会社宇部スチール」が、市近郊の鉄スクラップを再利用して製作したのがこの作品だという。

夕方、28km歩いて、宇部にゴール。宇部新川駅までは行かず、手前の「カッタの湯」でお風呂に入ることにした。

昼頃から、「なんとなく喉がイガイガするな」と異変を感じてのど飴を舐めていたのだが、夕方になるにつれて、徐々に様子が悪くなっていった。

ここまで完全に順調に来ていたのに。もうあと2日で下関に着くところだったのに。昨日の睡眠時間が5時間弱になってしまったことを後悔した。書くのを諦めてでも、早く寝れば良かった。

とにかく、熱を出して寝込んだりしたらまずい。今夜は一刻も早く寝よう。

サウナと露天風呂で身体を温めたあと、ドラッグストアで喉の痛み止め、喉スプレー、うがい薬を購入。身体がだるい。ごはんを食べて早く寝たい。

2km歩いて宇部新川近くの「ホテルニューガイア宇部」にチェックイン。

体調を考え、お勧めされていた宇部ラーメンは諦め、「洋風和食堂 1Z3(いずみ)」でハンバーグ定食を食べた。おいしかった。

そして、パソコン作業は何もせず、回復を祈って21時過ぎに寝た。

<今日の費用>
ドリンク 179円
のど飴 123円
銭湯 600円
薬 2707円 
ホテル 5760円
夕食 1000円

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